暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

新作映画(2020年)

孤独な彼女の救済【ジュディ 虹の彼方に】感想

85点 『オズの魔法使い』にドロシー役として主演し、ハリウッドの黄金期を代表する女優であるジュディ・ガーランド。本作は彼女の伝記映画です。私が本作を鑑賞しようと思ったのは、単純に主演のレネー・ゼルウィガーがアカデミー賞主演女優賞を受賞し、話…

全てが「本物」だからこその凄まじさ【彼らは生きていた】感想

99点 『ロード・オブ・ザ・リング』3部作のピーター・ジャクソン監督によるドキュメンタリー作品。最初は「ドキュメンタリーかぁ」と思っていたのでそこまで鑑賞意欲が湧きませんでした。しかし、例によって巷の評判の良さ、そして緊急事態宣言が発令され…

エンタメは、イデオロギーを超える【スウィング・キッズ】感想

93点 朝鮮戦争時、巨済島捕虜収容所で、所のイメージアップのために結成されたダンスチームの物語。最近の韓国映画によくある実話ベースの作品です。最初はノーマークだったのですが、評判が良く、時間もあったので、上映終了ギリギリにグランドシネマサン…

「実写版ガルパン」は伊達じゃない!【T-34 レジェンド・オブ・ウォー ダイナミック完全版】感想

87点 昨年公開された『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』に未公開の映像を付け足してボリュームアップして公開された本作。私は昨年公開された劇場公開版は観ていません。それでも私が本作を鑑賞した理由は、映画秘宝にあります。今年の1月に発売された映…

ハーレイ・クイーン「らしい」自由奔放な痛快映画【ハーレイ・クイーンの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY】感想

77点 2016年に公開され、内容的にはアレだったけれども、興行的には大成功を収めた『スーサイド・スクワッド』。基本的にボロカスに言われた作品でしたが、1つだけ誰もが好意的に見たキャラがいました。それが本作の主役、ハーレイ・クイーンです。ジ…

アニメーション制作と、人生への讃歌【劇場版 SHIROBAKO】感想

94点 2014年の10月から2015年の3月まで放送されたTVアニメ、「SHIROBAKO」。P.A.WORKSの「働く女の子シリーズ」の第2弾であり、商業的にも内容的にも大成功を収めた作品。私もTVアニメは放送当時見ていて、素晴らしい作品だと思っていましたの…

「自分」に誇りをもって生きる【37セカンズ】感想

93点 出生時に37秒間呼吸が止まったことで脳性麻痺を持って生まれた女性の物語。監督は大阪に生まれ、アメリカで映画について学んだHIKARIさん。この手の「障碍者もの」というのは健常者の理想込みの描写とかお涙頂戴展開になるのが嫌なのですけど、本作…

「止まっていた時が動き出す」傑作青春映画【サヨナラまでの30分】感想

87点 青春音楽映画です。普段ならば絶対に観ないタイプの映画で、公開直後もノーマークでした。公開後、高評価の感想を読んだりする機会はありましたが、普段ならばスルー案件。だって興味ないんですよ、こういうの。何が青春だよ、みたいな感じに思ってし…

ダメな奴のハイスピード犯罪映画【アンカット・ダイアモンド】感想

72点 NETFLIX独占配信の映画。監督はサフディ兄弟で、主演はアダム・サンドラー。批評家からの評価が非常に高い作品だったこと、新型コロナウイルスの影響で映画館が休館してしまっていたこともあり、自宅にて鑑賞しました。 本作を観てまず感じたことは、…

世の中はもっと「シンプル」である【his】感想

94点 今泉力哉監督の、今年2本目の監督作。1本目の監督作である『mellow』は観られなかったのですけど、本作は時間もピッタリ合ったので鑑賞できました。ちなみに観たのは2月です。最近こんなんばっか。 本作は基本的にはLGBTQを題材にした映画です。本…

対等に認め合うことはとても大切【ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋】感想

78点 実は本作、新年1発目の外国映画です。1月3日に観ました。感想を書くのがだいぶ遅れたのは私の怠慢です。存在を知ったのは町山智浩さん経由。そういえばロマコメはあまり観ないなと思ったし、正月にそんなに重い映画観ても仕方がないので鑑賞した次…

国家と法に裏切られた男【リチャード・ジュエル】感想

90点 御年90歳のクリント・イーストウッド監督作品。前作『運び屋』から1年を待たずに公開されました。相変わらずの驚異的なスピードです。しかもそれで少なくとも映画作品としての出来はいいのだから本当にイーストウッドは映画の神に愛されてるなぁと…

「好奇心」VS「好奇心」【劇場版「メイドインアビス」 深き魂の黎明】感想

87点 WEBコミックガンマで不定期連載中の漫画「メイドインアビス」を原作とする劇場アニメーション作品。2017年にTVアニメが放送され、本作はその直接的な続篇です。私はTVアニメは視聴していまして、そのクオリティの高さとあまりに陰惨な展開に驚愕…

「コントロールする」女性たち【ハスラーズ】感想

83点 最初はノーマークだったのですけど、アトロクで特集されてて興味が湧き、調べてみたら一番近い映画館でやっていることが判明したので鑑賞してきました。感想として、想像以上に面白くて本当にびっくりしました。 本作は題材とキャッチコピーを見れば…

想ってくれる人がいれば、「幸せ」は傍にある【幸福路のチー】感想

93点 台湾発の長編アニメーション映画。公開前から各方面で話題沸騰の作品でしたので、興味はありました。しかし、上映館と時間の折り合いがつかず、結局公開年の2019年のうちに鑑賞することはできませんでした。年が明け、ようやく観られるようになっ…

驚異的な技術によって成し遂げられた特別な映画【1917 命をかけた伝令】感想

87点 サム・メンデス×ロジャー・ディーキンスが挑んだ(疑似)ワンシーン・ワンショットの戦争映画。この撮影手法は、古くはヒッチコックの『ロープ』、最近では『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ軌跡)』でも行われていたものです。企画発表…

音楽から受ける感動と初期衝動のアニメ化【音楽】感想

91点 大橋裕之先生原作の漫画「音楽」のアニメ化作品。監督は岩井澤健治さん。プロデューサーは公開当時、そして映画秘宝休刊号発売当時、中々に(個人的には)無神経だと感じる声明文を発表した松江哲明さん。本作は岩井澤監督が7年5カ月の歳月をかけて…

フライドチキンと警察官は庶民の味方!【エクストリーム・ジョブ】感想

78点 最初はノーマークでした。存在すら知りませんでした。存在を知ったのは岡本敬史さんがTwitterで「エンタメの全てが詰まっている作品」とまで評していたから。彼のことは信頼しているので、そこまで言うとはどういう映画なのか、興味が沸いて鑑賞しま…

「経験」は差別を乗り越える【ジョジョ・ラビット】感想

93点 「すべてを経験せよ 美も恐怖も 生き続けよ 絶望が最後ではない」 本作のラストに引用されるオーストリアの詩人、R・M・リルケの詩です。本作で語られていることは、この詩に集約されています。本作は、ジョジョという、「戦争も、人間も、社会も、ま…

組織の中で、自身の信念を貫いた男たちの物語【フォードVSフェラーリ】感想

91点 鑑賞したのは1月なのに後回しにしまくってしまってこの時期になってしまいました。まだこの時期に観て感想書いてない映画が多いので、早めに何とかしたいなと思います。 さて、本作は『LOGAN』を監督したジェームズ・マンゴールド監督の最新作になり…

問題もあるけど、パニック映画として普通に面白い【AI崩壊】感想

65点 『22年目の告白』『ビジランテ』を監督した、入江悠監督のオリジナル作品。近年の入江悠監督の作品は私が鑑賞した範囲ではどれも素晴らしい作品で、監督の作品は必ず観る、というほどではないのですが、時間の余裕があれば観ようかなと思ってはいま…

ギリアムの新たな決意表明【テリー・ギリアムのドン・キホーテ】感想

80点 1989年に企画が立ち上がるも、公開までの30年間、実現しそうになるたびに様々な理由で延期になり、「映画史上もっとも呪われた企画」とまで言われた本作。私は「ドン・キホーテ」については内容くらいは何となく知ってはいますけど、それでも私…

エンタメに必要な全てが詰まった良質な作品!【初恋】感想

91点 私にとって三池崇史という映画監督は、熱心に追っている監督というわけではありません。直近で観たのは2017年の『ジョジョの奇妙な冒険』です。この監督は「仕事は来たもん順で受ける」というポリシーのもと、非常に多作なのですが、それが故に作…

孤独を「癒す」激ヤバセラピー映画【ミッドサマー】感想 ※ネタバレあり

93点 2018年、長編デビュー作である『へレディタリー/継承』で世界中の映画ファンを恐怖、というよりも実に「厭な」気持ちにさせた新進気鋭の監督、アリ・アスター。おそらく、世界で最も続篇が待たれている彼が次に放った作品が本作です。私は同時代…

見事な着地【ヒックとドラゴン 聖地への冒険】感想

87点 2010年に1作目、2014年に2作目が公開され、そのどちらもが高い評価とエンタメ性を持っていた『ヒックとドラゴン』シリーズ。本作はその3作目にして完結篇となります。日本では残念ながら知名度が高くない作品なのですが、映画ファン、アニ…

古典的ミステリを現代にアップデートしてみせた娯楽傑作【ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密】感想 ※ネタバレあり

94点 監督前作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』で全世界の『スター・ウォーズ』ファンを敵に回したライアン・ジョンソン。私自身も『最後のジェダイ』に関してはやろうとしていたことは別にいいのですけど、そこにディズニーの商業的な戦略を感じてし…

この社会の「上」と「下」【パラサイト 半地下の家族】感想 ※ネタバレあり

98点 最近はちょっと忙しくて、映画は観ているのですが感想を書く時間があまりとれず、昨年分だけで10数本感想、今年に入ってから数えても9本の作品を鑑賞するも、感想が書けていません。ちょっとずつ数を減らしていこうと思っています。というわけで、…