暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

豊饒な画面で紡がれる、男女のパワー・ゲーム【ファントム・スレッド】感想

95点 初、ポール・トーマス・アンダーソン。予告やあらすじからはサイコ・スリラーな印象を受けた本作ですが、観てみるとそんなことはなく、ストレートな夫婦関係の物語であり、同時に今の世界的な潮流を含ませた作品でした。個人的には傑作認定です。 本…

監督の妄想が炸裂したとても変な作品【未来のミライ】感想

50点 はじめに 『バケモノの子』以来、実に3年ぶりとなる細田守最新作。予告からは、甘えん坊のくんちゃんが、未来からやってきたミライちゃんと共に時空を超えた旅をして成長する話という印象を受けました。しかし、実際に観てみると、その内容は細田守…

映画は凄い!と思わせられる傑作!!【カメラを止めるな!】感想 ※ネタバレあり

97点 はじめに 本作を知ったのは、町山智浩さんの「アメリカ流れ者」でした。そこで彼が絶賛していたので、興味を持っていました。この時点では「時間があったら観るか」程度の興味でした。ですが、公開されてみたら評判が評判を呼び、劇場は毎回満席御礼…

映画ファンにも観てほしい、個人的おすすめアニメ映画10選+α

・はじめに 皆さんは、アニメはお好きでしょうか。このブログを読んでくださっている読者の皆様は既にご承知かと思いますが、私は大好きです。映画と同じく、アニメが無ければ日々の楽しみが減り、生きていく糧が無くなってしまうとすら思っています。しかし…

良い所もあるけど、「答え合わせ」しかないストーリーが残念【ハン・ソロ/スターウォーズ・ストーリー】感想

56点 はじめに 『スター・ウォーズ』シリーズのスピン・オフ第2弾。今回の主人公は本編の中でも屈指の人気を誇るハン・ソロ。主要キャラが一切出なかった『ローグワン』の成功を考えれば、今回の成功は半ば約束されたような気がしていましたが、監督の交…

「なりたい自分になる」姿を描いた傑作【アイアン・ジャイアント】感想

97点 はじめに 8月に最新作『インクレディブル・ファミリー』の公開が控えているブラッド・バード監督。彼が生み出した名作。先日「アニメ秘宝」を購入して読んでみたら、かなりの方がこれを挙げており、興味が湧いたのと、最新作の公開も近いのでちょう…

スタッフが「いい!カッコいい!」と思っているものだけでできた快作【ニンジャバットマン】感想

79点 ・はじめに 「スーパーマン」と並んでアメコミの代名詞的な存在であるバットマン。本作はそのアニメ化作品になります。注目すべきは本作はアメリカが制作したものではなく、ほぼ100%日本が制作した、日本産バットマンだということです。制作は『…

人間が恐竜に襲われるさまを面白可笑しく描いたブラックコメディ【ジュラシック・ワールド】感想

78点 2015年に公開され、世界的に大ヒットした『ジュラシック・パーク』シリーズの第4弾。実は私は『ジュラシック・パーク』を観たことがなく、今回がシリーズ初鑑賞です。名作の誉れ高い第1弾を観ても良かったのですが、新作に備えて直近の作品を観…

五エ門らしいストイックすぎる作品【LUPIN THE ⅢRD 血煙の石川五エ門】感想

85点 『峰不二子という女』から始まった『LUPIN THE ⅢRD』シリーズ。その3作目(劇場版としては2作目)。よく知られている『ルパン三世』のイメージに囚われず、原作漫画が持つハードでアダルトな作風、そして『ルパン』シリーズ屈指のハイクオリティな…

2018年春アニメ感想⑤【多田くんは恋をしない】

・はじめに 動画工房のオリジナルアニメ。感情表現が乏しい多田くんと留学中の王女、テレサとの恋模様を描く。私にとって面白かったのは、回を重ねるごとに本作に対する印象が変わっていったことです。具体的に書けば、序盤は「軽い気持ちで見られるラブコメ…

2018年春アニメ感想④【銀河英雄伝説 Die Neue These 邂逅】

旧作と比べ、「劇場版のための序章」的な内容だったと思います。あっさり気味な個所もありますが、旧作とは違ったアプローチもあり、これはこれであり、だと思います。

2018年春アニメ感想③【ソードアートオンライン オルタナティブ ガンゲイルオンライン】

・はじめに 大ヒットアニメ『ソードアートオンライン(以下SAO)』。そのスピン・オフ作品。実は、私は本家のSAOはTVアニメ1期しか見ていないニワカです。なので、この記事の中でSAOについての言及があった場合、基本的に1期までの知識でモノを言っていま…

2018年春アニメ感想②【ゴールデンカムイ】

『ヒナまつり』とは違い、こちらは原作既読。原作は自らが「闇鍋ウェスタン」と書いているように、「金塊を探す」という目的の下に様々な魅力的なキャラクターの思惑が交錯していくという王道の展開を軸とし、そこに豊富なアイヌ知識、アイヌグルメが挟まれ…

痛快娯楽時代劇をそのまま体現した作品【用心棒】感想

94点 ・はじめに 巨匠・黒澤明監督の名作時代劇。午前十時の映画祭9にて鑑賞。私のような若い人間には、名画座ではなくシネコンでこういった名作を観られるというのは本当にありがたいです。朝起きるのが大変ですけど、感謝しかありません。 ・痛快 「時…