皆様。こんにちは。いーちゃんです。先日、2023年に見た新作映画のベスト10を発表しました。続いて、今回は部門別のベストです。「日本映画部門」「外国映画部門」「アニメーション映画部門」「ワースト部門」に加え、今回から「旧作部門」を発表したいと思います。では、いってみよう。
【日本映画部門】
【外国映画部門】
【アニメーション部門】
1位『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース』
2位『君たちはどう生きるか』
3位『窓際のトットちゃん』
4位『北極百貨店のコンシェルジュさん』
5位『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
6位『ミュータントタートルズ ミュータント・パニック』
7位『響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~』
8位『アリスとテレスのまぼろし工場』
9位『マイ・エレメント』
10位『BLUE GIANT』
以上になります。1、2位は先日のベスト10記事を、3~5,7位は上述の部門を読んでください。以下、6位、8~10位の感想です。
6位は、アニメーション新次元。10代の落書きのような自由闊達な筆致のキャラと背景で、それが作品のテーマともきちんと合致している。『スパイダーバース』と合わせて、アニメーションの自由さをもう一度思い出させてくれる。
8位は、岡田磨里が200%の出力で放つ渾身の映画。岡田磨里的モチーフがふんだんに盛り込まれているだけではなく、それを以て彼女の作家性がさらに爆発している異形の映画。その強烈さに8位。
9位は、ファンタジー的な見た目と相反し、社会派と順当なロマコメを両立させたピクサー映画。その完成度の高さにピクサーの矜持を見る。久々にヒットしたみたいで何より。「ディズニー」はどうでもいいが、ピクサーが潰れるのはごめんなので、頑張ってほしい。
10位は、とにかく演奏の熱が半端ない本作がランクイン。CGの使い方に難があれど、「聴いてもらえばわかる」を実践してみせた魂の音楽映画。ラストの演奏には感動した。
【旧作映画部門】
1位『空の大怪獣ラドン』
2位『ミツバチのささやき』
3位『暗殺の森』
4位『悪魔のいけにえ』
5位『ツィゴイネルワイゼン』
2023年は劇場、配信、ソフト合わせて、旧作を32本見ました。宮崎駿とヴァーホーベンの新作に合わせ、両監督の過去作を一気に鑑賞したりしました。その中で、特に印象に残ったベスト5を紹介します。ちなみに、ヴァーホーベンの映画はどれも良かったのですが、個人的には、特に『スターシップ・トゥルーパーズ』が良かったです。宮崎駿作品は、『風立ちぬ』の良さを確認できたことが良かったかな。
1位は、「午前十時の映画祭」で鑑賞。4Kとなった映像は驚くほどに鮮明になっており、まずはここに衝撃を受けた。前半と後半で別の話になっているなど瑕疵も多いけれど、クリアになった映像、そして、やっぱり最後のラドンの姿に泣いちゃったので1位です。仕方ない。
2位は、初のビクトル・エリセ。午前十時の映画祭で鑑賞。その映像表現に圧倒されました。この監督の新作を2024年は見られるのかと思うと、夢のようです。
3位は、ベルトルッチの傑作。午前十時の映画祭で鑑賞。台詞ではなく、「映像で語る」ことを見せつけられた映画。色彩、立ち位置、光と影・・・。全てが映画のメッセージを雄弁に語る作りに酔いしれる。
4位は、トビー・フーパーのもはや古典と言っていいホラー映画。配信で鑑賞。映画から熱量を感じることはあるけれど、本作ほどの熱を感じることはない。その迫力にただ圧倒される。レザーフェイスが少し可愛く見えたことも印象深かった。
5位は、初の鈴木清順。リバイバル上映で見ました。終始、口あんぐり、困惑しつつ観ていました。私が知っている「映画」のそれと全く違う時間の使い方、編集の仕方や、観念的なショットの連続なモンタージュなど、こちらの生理を逆撫でしてくる作りが異様で、初めての映画体験でした。
【ワースト部門】
2023年のワースト映画です。ある年と無い年があるのですが、今年は3本あります。こちらは、ベスト部門と被るところもないので、3位から順に発表したいと思います。では、行ってみよう。
3位『BAD LANDS』
原田眞人の新作がワースト3位。ここ数年、ほぼ毎年映画を公開している原田監督ですが、だんだん仕事が適当になっている気がしていて、本作はその極みみたいな感じだった。原田監督のせっかちな編集や早口の台詞回しが全部悪い方に作用している気がした。脚本もどうかと思うし。『検察側の罪人』はまぐれだったのか?
2位『リボルバー・リリー』
東映のアクション大作で、実はちょっと期待していた。しかし、あまりに酷くて愕然とした映画。アクションにもたいしたフレッシュさは無いし、脚本もあまりに杜撰。美術は頑張っているなと思うのですけど、肝心のアクションがダメなのはマイナス点です。
1位『しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦~とべとべ手巻き寿司~』
『クレしん』映画がワースト。とにかくメッセージが酷いなと思った。後、アニメーションとして、3DCGが『クレしん』や内容とマッチしていないように思えた。作り手が今の社会状況に対して、的確なメッセージを出せないのか・・・と残念に思った映画でした。特に『クレしん』シリーズは、『花の天カス学園』が傑作だったのに、この内容を出してくる、という残念さもあったな。
他にも、『バビロン』『オクス駅お化け』『ハロウィン THE END』あたりがワースト級だったのですが、まぁ怒ったり途中で話に興味が無くなったりしたわけではないので(『バビロン』は結構はてなだった)、ワーストからは外しました。以上です。
以上が、2023年の部門別のランキングでした。2024年は、年明けから悲惨な状況になってしまいました。被災地の方のご無事をお祈りしております。このような状況でこんなこと言うのも何ですが、良い映画と出会えることを願って。それでは。