2020年秋アニメ感想②【体操ザムライ】
2020年秋アニメ感想①【魔女の旅々】
2021年冬アニメ視聴予定作品一覧
2020年はとんでもない年でした。正直、コロナ禍は収束するどころか感染者数が増える一方なので、まだこの1年も苦しくなるんだろうなと思う今日この頃です。考えると暗い気持ちになりますが、まだ俺には新作アニメがある。冬アニメは例年通り大量の新作が放送開始になります。その中から、視聴予定作品を発表したいと思います。後、今回から期待度を記号で簡単に表したいと思います。
◎=期待大。○=楽しみ。△=とりあえず見る。です。
2020年秋アニメ(視聴継続作品)
「呪術廻戦」
「ひぐらしのなく頃に業」
「おそ松さん(第3期)」
2021年冬アニメ
「SK ∞ エスケーエイト」○
「蜘蛛ですが、なにか?」△
「弱キャラ友崎くん」△
「天空侵犯」△
「天地創造デザイン部」△
「2.43 清陰高校男子バレー部」△
「のんのんびより のんすとっぷ」◎
「はたらく細胞!!」△
「バック・アロウ」◎
「BEASTARS(2期)」○
「ゆるキャン△ SEASON2」◎
「Re;ゼロから始める異世界生活 2nd Season 後半」△
「ワンダーエッグ・プライオリティ」○
「ホリミヤ」△
「怪物事変」○
「ぶらどらぶ」◎
以上、15作品が視聴予定の作品になります。この中で一番期待しているのは、何といっても「のんのんびより」ですよ。1期、2期、映画が最高のアニメだったので、ずっと3期を待ってましたよ。待望の続篇ということで、まだまだ私は生きていけると思います。
他には、続編モノの「ゆるキャン△」、押井守の最新作「ぶらどらぶ」、野島伸司、まさかのアニメ作品「ワンダードッグ・プライオリティ」、谷口吾朗×中島かずきという絶対に面白い「バック・アロウ」などが期待作品です。
「リゼロ」、「はたらく細胞!!」、「BEASTARS」は付き合いで見ます。また、「無職転生」はPVが何か凄かったのでとりあえず視聴しようと思います。
2021年冬アニメは以上です。これらを基本として、話題次第で見る作品を加えていきたいです。
世界は開けている【はちどり】感想
2020年新作映画ベスト10&ワースト
皆様、あけましておめでとうございます。いーちゃんです。昨年は皆様に拙記事を読んでいただきまして、本当にありがとうございました。後半は更新頻度がかなり少なくなってしまい、まだ書けていない感想記事が数十本あります。今年は何とかこれらを消化しつつ、更新していきたいなと思っております。よろしくお願いいたします。
さて、今回は毎年恒例の新作映画のベスト記事になります。昨年は新型コロナウイルスで散々な年だったんですけど、それでも映画館で映画を観ることができました。厳しい状況の中、映画館で映画を観ることができるということには感謝しかありません。昨年は映画界隈(というか日本全体的に)は『鬼滅の刃』一強状態であり、この作品のおかげ(それ以外にも頑張ってきた作品はあります)で映画館が救われたりしました。そしてディズニーを始めとして海外の映画界は映画の公開を配信に移行しようとしています。映画にとって激動の時代はまだ始まったばかりでしょう。そんなことを考えつつ、まずは昨年の振り返りとして、ベスト10を発表したいと思います。
今年は87本新作映画を観ました。少ないって言うな。対象の作品は例年通り「2020年以内に観た新作映画」とします。映画館、配信は問いません。そして今年からはベスト10として、10本のみとします。これまでは30位まで選んできたのですけど、やっぱり「10本選ぶベスト10」と「30本選んだ結果の上位10本」は違うと思うんですよね。だから今回は思い切って「2020年のベスト10」を選ぼうと思いました。では、行ってみよう。
ベスト作品
10位『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』
「2020年の10位」を選ぶとしたら間違いなく本作です。TVシリーズから続く物語を綺麗に終わらせたことももちろん素晴らしいのですが、それ以上に、私の中では本作にはもはや特別な意味合いが付加されてしまっているからです(これ以上は語りませんが)。その圧倒的なまでの美しい物語に10位です。
9位『ストレイ・ドッグ』
すみません。本作はまだ感想書けてません。早急に感想書きます。
本作に関しては、映画館で観て、本当に素晴らしいと感じたからです。復讐モノかなと思って観始めたら、完全に騙されました。全編に亘って緊張感があり、また、ミステリ作品として、ミスリードの仕方が上手いのです。しかも全てが判明してから分かる物語には、「フィルム・ノワールにおけるファム・ファタル」の描き直しという側面が見えてくる構造にも痺れました。
8位『ウルフウォーカー』
カートゥーン・サルーンの作品が8位。本作に関しては、とにかく、映像が最高でした。画面全体の躍動感が素晴らしく、中盤の「解放」のシーンでは本当に鳥肌が立った。内容も非常に政治的であり、現代の我々へ向けられたメッセージには感動させられました。主人公2人のシスターフッドぶりも最高過ぎでした。
7位『ミッドサマー』
激ヤバセラピー痛快サイコ映画。とにかく最高の映画でした。ゆったりと流れる時間、じわじわとヤバい状況に追い込まれる登場人物達。そして最終的にマチズモ男性への「性的搾取」を行うという痛快な逆転劇となる作品。私はラストシーンで本当に笑顔になるくらいには好きなんで入れました。
6位『TENET テネット』
コロナ禍にもかかわらず公開されたビッグバジェット映画。話の中身は正直言って空っぽだし、斬新な設定を活かしきれていないいつものノーランだし、劇中の理論もさっぱり分からず、「感じろ」としか言えない作品なんです。でも、私は好きなんですよ。理由は、観ている間、とにかく楽しかったからです。時間の逆行も、IMAXの大画面も、ノーランの狂気も。それ以上でも以下でもありません。
5位『透明人間』
21世紀の透明人間です。「透明人間」という題材を、DV夫への恐怖に置き換え、現代的にバージョンアップさせてみせた手腕にまず脱帽。そして「サプライズ」を欠かさないエンタメ精神にまたまた脱帽。総じて欠点がない傑作でした。観終わってから今まで、ずっと心に残っていました。感想は後で上げます。
4位『ジョジョ・ラビット』
不寛容と分断が蔓延っている現在、重要な映画。子どもが世界を知って、家=自分の殻から出るまでの物語。観てて普通に感動したんですよね。コメディなんですけど、その裏には確かなメッセージがあって、それを押しつけがましくなく伝えてくる。素晴らしい作品でした。
3位『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』
アガサ・クリスティー作品のような古典的なミステリ作品のルックと、ミステリ作品を映画として見せてしまった脚本力に大いに楽しませてもらいました。ぶっちゃけ、犯人はよく考えなくても分かるんですけど、ミスリードの仕方とジャンルを横断していく市川崑メソッドが見事で、とにかく楽しい作品でした。
2位『はちどり』
感想は明日上げます(※上げました)。1人の少女の心の機微を、丁寧に映しとった驚異の長編デビュー作。恥ずかしながら、子ども時代ではなくて、今の私にちょっと刺さってしまった作品でした。
1位『パラサイト 半地下の家族』
1位はこちら。格差社会という社会問題をあくまでもコミカルに、しかし圧倒的なエンタメ精神で描いた傑作。こちらを1位に選ぶのは安易な気がしますが、この1年を振り返ったときに、どの作品が一番記憶に残ったかを考えたら、やっぱりこの作品になりましたので、1位にしました。置いてみると違和感もないし。
ワースト作品
『Fukushima50』
純粋な出来で言えば、実はワースト感は無いのですけど、企画の時点で中々腐ってるなと思ったのでワーストです。いちばん「フクシマ50」を軽んじてたのはこの作品を企画した人だと思います。
終わりに
以上が1位から10位までと、ワーストの作品でした。10位以下でも、『彼らは生きていた』『サーホー』『劇場版SHIROBAKO』『レ・ミゼラブル』『幸福路のチー』『スパイの妻』『ブルータル・ジャスティス』『his』などはもうベスト10に入っても全くおかしくない作品でした。
新型コロナウイルスのせいで映画界はかなり厳しい道のりを歩むのでしょうが、また今年も、良い映画を観られることを願いたいと思います。
居場所と価値観は、自分で決める【ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒】感想
65点
『クボ 二本の弦の秘密』、『コララインとボタンの魔女』などの傑作で知られるスタジオライカの最新作。ライカが作り出す作品はもはや芸術なので、映像面だけでも元がとれることは明白であり、であるならば鑑賞しない理由はないということで鑑賞してきました。
感想を書いてしまえば、映像面はやはり素晴らしく、ストップ・モーションアニメで動くキャラクター、そして背景美術や小道具など全てが美しく、楽しく、これだけでも眼福ものでした。これだけのものを作り出したこと、ただそれだけに敬意を持ちます。しかし、ストーリーそのものが弱く、やや退屈さを感じてしまったことも事実です。
本作のストーリーは言ってしまえば『インディ・ジョーンズ』のような秘境アドベンチャーです。時代と雰囲気は「シャーロック・ホームズ」。伝説の生物を見つけ、クラブに入れてもらいたいライオネルと、人類の進化の過程を繋ぐ「ミッシング・リンク」であるビッグ・フッド、Mr.リンクの2人(?)が主人公で、この2人のバディものとしての側面もあります。このリンクの仲間を見つけるため、2人は途中でアデリーナを加え、珍獣殺しのウィラードの手をかいくぐりつつ、冒険していきます。
このように本作はかなり古典的なアドベンチャーなのですが、感心したのが、「価値観のアップデート」こそが本当のメイン・テーマだということです。本作のライオネルは「クラブの連中を見返すため」にリンクと行動を共にします。しかしそれは、既存の権威に認めてもらうということです。そしてその権威であるクラブは所謂価値観のアップデートが出来ていない残念な老人集団で、リンクが発見されてしまえば、自分たちの既得権益が守れなくなるから、リンクを排除にかかっているのです。これはどう考えても現実世界で起きていることそのものです。
ライオネル自身も、この権威に認めてもらいたくて仕方がない。だから途中までは価値観のアップデートを意図的に拒んでいます。そこでそれを諭してくれるのがアデリーナなわけです。彼女に諭され、目の前の氷に映った自分の姿を見て、自身を鑑み、反省し、見事に古い価値観からの脱却を決意します。対照的に、既存の価値観に凝り固まった敵は「自滅」していきます。ここには制作者の皮肉が多分に入っていると思います。
本作のメイン・テーマはもう1つあって、それは「自分の居場所」を見つける話だということです。ライオネルは既存の価値観に囚われたクラブに居場所を求めていた人間でしたが、そこからの脱却を果たし、個人としてのアイデンティティを確立します。そしてもう1人、リンクも同様です。彼はただ1人のビッグ・フッドでありながら、旅の中で自分の名前をつけ、「スーザン」という自己を確立させます。そしてライオネルと同じように、「自分の居場所」を自分で定め、ライオネルと真の意味での相棒になっていきます。
この2つのメイン・テーマは非常に現代的で、素晴らしいと思います。しかし、本作はとにかく脚本が弱い。何というか、全ての要素と展開が、「テーマありき」で揃っているんですよね。先にテーマを定め、そのために脚本を書いたのが見え見えなのです。そしてそれ故に、全ての展開が要素の処理に費やされてしまっていて、若干の事務感すら感じてしまい、映像が素晴らしいにもかかわらず、どこか乗り切れない自分がいました。なので、総じて感想としては「微妙」というところに落ち着きます。
ライカ作品。こっちは傑作。
ストップ・モーションアニメ。