暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

2020年新作映画ベスト10&ワースト

 皆様、あけましておめでとうございます。いーちゃんです。昨年は皆様に拙記事を読んでいただきまして、本当にありがとうございました。後半は更新頻度がかなり少なくなってしまい、まだ書けていない感想記事が数十本あります。今年は何とかこれらを消化しつつ、更新していきたいなと思っております。よろしくお願いいたします。

 

 さて、今回は毎年恒例の新作映画のベスト記事になります。昨年は新型コロナウイルスで散々な年だったんですけど、それでも映画館で映画を観ることができました。厳しい状況の中、映画館で映画を観ることができるということには感謝しかありません。昨年は映画界隈(というか日本全体的に)は『鬼滅の刃』一強状態であり、この作品のおかげ(それ以外にも頑張ってきた作品はあります)で映画館が救われたりしました。そしてディズニーを始めとして海外の映画界は映画の公開を配信に移行しようとしています。映画にとって激動の時代はまだ始まったばかりでしょう。そんなことを考えつつ、まずは昨年の振り返りとして、ベスト10を発表したいと思います。

 

 今年は87本新作映画を観ました。少ないって言うな。対象の作品は例年通り「2020年以内に観た新作映画」とします。映画館、配信は問いません。そして今年からはベスト10として、10本のみとします。これまでは30位まで選んできたのですけど、やっぱり「10本選ぶベスト10」と「30本選んだ結果の上位10本」は違うと思うんですよね。だから今回は思い切って「2020年のベスト10」を選ぼうと思いました。では、行ってみよう。

 

 ベスト作品

10位『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン

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  「2020年の10位」を選ぶとしたら間違いなく本作です。TVシリーズから続く物語を綺麗に終わらせたことももちろん素晴らしいのですが、それ以上に、私の中では本作にはもはや特別な意味合いが付加されてしまっているからです(これ以上は語りませんが)。その圧倒的なまでの美しい物語に10位です。

 

9位『ストレイ・ドッグ』

 すみません。本作はまだ感想書けてません。早急に感想書きます。

 本作に関しては、映画館で観て、本当に素晴らしいと感じたからです。復讐モノかなと思って観始めたら、完全に騙されました。全編に亘って緊張感があり、また、ミステリ作品として、ミスリードの仕方が上手いのです。しかも全てが判明してから分かる物語には、「フィルム・ノワールにおけるファム・ファタル」の描き直しという側面が見えてくる構造にも痺れました。

 

8位『ウルフウォーカー』

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  カートゥーンサルーンの作品が8位。本作に関しては、とにかく、映像が最高でした。画面全体の躍動感が素晴らしく、中盤の「解放」のシーンでは本当に鳥肌が立った。内容も非常に政治的であり、現代の我々へ向けられたメッセージには感動させられました。主人公2人のシスターフッドぶりも最高過ぎでした。

 

7位『ミッドサマー』

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  激ヤバセラピー痛快サイコ映画。とにかく最高の映画でした。ゆったりと流れる時間、じわじわとヤバい状況に追い込まれる登場人物達。そして最終的にマチズモ男性への「性的搾取」を行うという痛快な逆転劇となる作品。私はラストシーンで本当に笑顔になるくらいには好きなんで入れました。

 

6位『TENET テネット』

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  コロナ禍にもかかわらず公開されたビッグバジェット映画。話の中身は正直言って空っぽだし、斬新な設定を活かしきれていないいつものノーランだし、劇中の理論もさっぱり分からず、「感じろ」としか言えない作品なんです。でも、私は好きなんですよ。理由は、観ている間、とにかく楽しかったからです。時間の逆行も、IMAXの大画面も、ノーランの狂気も。それ以上でも以下でもありません。

 

5位『透明人間』

 21世紀の透明人間です。「透明人間」という題材を、DV夫への恐怖に置き換え、現代的にバージョンアップさせてみせた手腕にまず脱帽。そして「サプライズ」を欠かさないエンタメ精神にまたまた脱帽。総じて欠点がない傑作でした。観終わってから今まで、ずっと心に残っていました。感想は後で上げます。

 

4位『ジョジョ・ラビット』

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  不寛容と分断が蔓延っている現在、重要な映画。子どもが世界を知って、家=自分の殻から出るまでの物語。観てて普通に感動したんですよね。コメディなんですけど、その裏には確かなメッセージがあって、それを押しつけがましくなく伝えてくる。素晴らしい作品でした。

 

3位『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』

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  アガサ・クリスティー作品のような古典的なミステリ作品のルックと、ミステリ作品を映画として見せてしまった脚本力に大いに楽しませてもらいました。ぶっちゃけ、犯人はよく考えなくても分かるんですけど、ミスリードの仕方とジャンルを横断していく市川崑メソッドが見事で、とにかく楽しい作品でした。

 

2位『はちどり』

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 感想は明日上げます(※上げました)。1人の少女の心の機微を、丁寧に映しとった驚異の長編デビュー作。恥ずかしながら、子ども時代ではなくて、今の私にちょっと刺さってしまった作品でした。

 

1位『パラサイト 半地下の家族』

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  1位はこちら。格差社会という社会問題をあくまでもコミカルに、しかし圧倒的なエンタメ精神で描いた傑作。こちらを1位に選ぶのは安易な気がしますが、この1年を振り返ったときに、どの作品が一番記憶に残ったかを考えたら、やっぱりこの作品になりましたので、1位にしました。置いてみると違和感もないし。

 

ワースト作品

『Fukushima50』

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  純粋な出来で言えば、実はワースト感は無いのですけど、企画の時点で中々腐ってるなと思ったのでワーストです。いちばん「フクシマ50」を軽んじてたのはこの作品を企画した人だと思います。

 

 

終わりに

 以上が1位から10位までと、ワーストの作品でした。10位以下でも、『彼らは生きていた』『サーホー』『劇場版SHIROBAKO』『レ・ミゼラブル』『幸福路のチー』『スパイの妻』『ブルータル・ジャスティス』『his』などはもうベスト10に入っても全くおかしくない作品でした。

 新型コロナウイルスのせいで映画界はかなり厳しい道のりを歩むのでしょうが、また今年も、良い映画を観られることを願いたいと思います。