暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

2020年冬アニメ感想⑥【ドロヘドロ】

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☆☆☆☆(星4.4

 

 林田球先生原作、掲載紙を4回変更し、18年に亘る長期連載の果てに完結した作品のアニメ化作品。制作は「BANANA FISH」「どろろ」を見事にアニメ化してみせたMAPPA。私は原作未読。しかし、名前は知ってたという所謂「存在は知っていたけど読んだことがない」漫画でした。なので、このアニメ化を機に触れてみるかと思い、視聴した次第です。

 

 本作を一言で表すと、「カオス」です。著者は本作は「歌詞がメチャクチャダークで凶暴なのにメロディーは踊りたくなるくらい楽しい曲」からインスピレーションを受けて生まれたと語っているそうです。そして本作はその通りの内容になっていて、グロ、ハードコアな作風にもかかわらず、キャラクターが剽軽な奴らが多く、どこかほのぼのとしています。これがとても魅力的で、見ていて心地いい。

 

 そして世界観が素晴らしいです。それは設定はさることながら、木村真二(近年だと『海獣の子供』『ムタフカズ』!)さんの美術の力によるところが非常に大きいと思います。ちょっとだけ読んだのですが、原作である林田先生の絵は非常に濃く、独特なものであるにもかかわらず、本作ではその質感がよく再現されているなぁと感じました。

 

 

 設定的にも面白くて、「ホール」と「魔法使いの世界」があり、それぞれがいがみ合っている。そしてそれらには独自の風習や暮らしがあり、本作ではそれがよく出てきます。話の軸としてはカイマンの正体を探るという縦軸があります。こちらの謎が謎を呼ぶ展開は惹きつけられて面白いです。しかし本作は、それ以上に上述のような「混沌」そのものな世界観が本当に良いのです。

 

 物語は「カイマンとニカイドウの関係性」の点でまとまりが良いところで終わっていました。これは昨今、「完結した名作のアニメ化」の悪い点である「少ない尺の中で無理に話を詰め込んでまで完結させようとする」点を回避していて、少し好感が持てました。他にも、3DCGと手描きを上手く使っていて、アクションがとてもいいとか、OPが中毒性があるとか良い点はたくさんあります。全ての謎はまだ混沌の中なので、続篇を待っております。2年以内にやらないなら原作買うのもありかなぁ。

 

 

同じくMAPPA制作の「名作のアニメ化」

inosuken.hatenablog.com

 

 木村真二さんの美術監督作。

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