暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

2022年新作映画感想集①

ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男】

 

93点

 

 ウェストバージニア州のコミュニティを蝕む環境汚染を巡って、十数年にわたって巨大企業と戦い続けてきた弁護士、ロブ・ビロッドの物語。

 脚本的には非常に地味で爽快感皆無な内容でありながら、トッド・ヘインズ監督の抑制のきいた演出と、ロブ・ビロッドの苦悩を体現したマーク・ラファロの好演で、最後までスクリーンに釘付けになる。

 「不屈」を言う言葉がこれほど似合う人物はいないと思う。巨大企業はビロッドが事実を突きつけ、裁判で勝訴したとしても、中々贖罪を行わない。寧ろ、行わないことで原告の精神が擦り減るのを待っている。余談だけど、これは「遠い国」の出来事ではなく、日本でも全く同じことが起こっている。本作はこのような無情さをも淡々と描き出す。対するビロッドは精神的に疲弊し、最後には倒れてしまう。映画全体が淡々としているため、彼の苦悩がより伝わってくる。最後の最後で証拠が発見されるものの、それでも劇的な演出はせず、抑制を保つ。これで終わりではなく、寧ろ始まりなのだから。だからこそ、ラストの台詞「Still here」が胸をうつのであります。

 

【マークスマン】

 

82点

 

 監督はイーストウッドの作品で長年助監督を務めていたロバート・ローレンツ。長年助監督を務めていたせいか、本作は孤独な老人と少年の逃走劇という点で、『クライ・マッチョ』と似ている作品。

 本作は、「正しい道」を選んだ男の話。老境に差し掛かった男が、人生の最後に、少年に「正しい道」を選ぶことができるように助けを出す。対をなすのがカルテルの追手で、平気で人を殺す残忍な男だけど、「道」を選べなかったという過去もある。ちょっとした表情で、「俺もああなっていたかも…」と彼が羨ましそうに思っているのが分かる演出がとても良い。以上のように、ロバート・ローレンツは非常に手堅い演出をしていて、驚きは少ないけれども、水準以上の出来になっている。

 2人の関係性は「疑似家族」までには発展しない。あくまでも「バディ」以上のものは無い。逆に言えば、バディを形成するまでを非常に丁寧に描いている。アクションに関しても必要最小限の動きで敵を仕留めるもので、こちらもとても堅実。

 イーストウッドは新しいパートナーを見つけて新しい人生を見つけるけど、本作のリーアム・ニーソンは自分の命を他者のために使い、決して救われてはいない。あくまでもニーソンは孤独なのです。

 

【ハウス・オブ・グッチ】

 

77点

 

 GUCCIと聞くと、「岸辺露伴GUCCIへ行く」を真っ先に連想してしまうレベルでしかGUCCIに縁も興味もない私ですが、リドスコ爺さんの新作とあらば観ないわけにはいかない。
 予告の段階から、「GUCCI版の『ゴッドファーザー』か?」と思っていたのですが、本当にそんな感じでした。特にマウリツィオは、劇中の役割が完全にマイケル・コルレオーネ。しかし、『ゴッドファーザー』と違うのは、バトリツィアという、「外部」の女性が一族経営の会社に入り、マウリツィオを操り、GUCCIの名前に固執すること。実話ベースということで、「終わり」へと向かっていく人間模様を批判するでも愛着を持つのでもなく、突き放して描くいつものリドスコ
 視点をバトリツィアに絞り、出来事をぶつ切り気味に描く構成はどうかと思ったけども、一貫してたのはバトリツィアのGUCCIへの執着で、彼女の執着が一族経営というシステムを終わらせたという内容にしていた。そもそも、映画が冒頭とラストが同じブックエンドで、映画そのものが「終わり」の中にあるんだよね。これはリドスコ爺さんのこれまでの作品と構造的に似ていると思う。『最後の決闘裁判』で言うところの「女性にとっての男性社会システム」みたいな感じ。そしてそれを恐ろしくブラックな笑いで描いてしまう。イーストウッドとは別ベクトルで恐ろしい爺さんだよ。
 

【ライダーズ・オブ・ジャスティス】

 

77点

 

 変な映画だった。『狼の死刑宣告』とか、『デス・ウィッシュ』みたいな、「街のダニども!貴様ら全員死刑に処す!!」な映画かと思いきや、このリベンジものを逆手にとった作品だった。ジャンルがどんどん変化していき、「リベンジもの」的展開をベースにしつつも、そこから暴力が暴力を生むという、暴力の恐ろしさと連鎖についての話になり、同時に「偶然」にまつわる物語でもあり、そして過去のトラウマを抱える人達がお互いをケアしていく物語でもあった。互いの心を閉ざす演出として、「扉」と「室内」が効果的に使われていたと思う。総括としては、「リベンジもの」の批評的作品と言えると思う。

遺言の補足【クライ・マッチョ】

77点
 
 今年、御年92歳になるクリント・イーストウッド。彼の監督デビュー50周年にして、40本目となる本作は、1976年にN・リチャード・ナッシュが出版した小説を映画化した作品。イーストウッドが58歳のときに初めて企画が持ち込まれたものの一旦は流れ、その後、監督と主演俳優を変えて企画は転々とし、33年後の2021年、イーストウッドに一周回って戻ってきて今回の映画化に至ったという経緯があります。
 
 アメリカ、テキサス。ロデオ界のスターだったマイクは落馬事故以来、数々の試練を乗り越えながら、孤独な独り暮らしをおくっていた。そんなある日、元雇い主から、別れた妻に引き取られている十代の息子ラフォをメキシコから連れ戻すという依頼を受ける。犯罪スレスレの誘拐の仕事。それでも、元雇い主に恩義があるマイクは引き受けた。男遊びに夢中な母に愛想をつかし、闘鶏用のニワトリとともにストリートで生きていたラフォはマイクとともに米国境への旅を始める。そんな彼らに迫るメキシコ警察や、ラフォの母が放った追手。先に進むべきか、留まるべきか?少年とともに、今マイクは人生の岐路に立たされる・・・。
 イーストウッドは、新作で自身のイメージを解体してきた人物です。『許されざる者』ではかつて西部劇のスターであったイーストウッド自身が、「西部劇」というジャンル自体を批評的に解体してみせました。その16年後に撮った『グラン・トリノ』では、アメリカという国をモン族の移民に任せ、自身が死ぬことで決着をつけてみせました。この点で『グラン・トリノ』は、『ダーティハリー』の脱構築であり、同時に俳優としてのイーストウッドの遺言的映画でした。そして2018年の『運び屋』では、過去の輝かしい栄光を持ちながらも、家族を蔑ろにしていたという、イーストウッド本人のような老人、アールを演じ、自分の人生に決着をつけてみせました。
 
 以上のように、過去の作品で自身を解体してきたのがイーストウッドです。あらすじから分かる通り、本作は、「子どもと老人の交流と意思の継承」という点では、『グラン・トリノ』を彷彿とさせますし、『運び屋』とは「過去の栄光」という点が共通しています。そして、イーストウッド演じるマイクは元ロデオスターで、西部劇を彷彿とさせる出で立ちです。移動は車ですが。つまり本作は、これまでのイーストウッドのキャリアを総括してみせた内容なわけです。そしてここに加え、本作は、これらの「遺作」たちに「1つだけ補足があるんぢゃ」という感じで作られた作品でした。
 
 ただ、本作には『許されざる者』や『グラン・トリノ』のような堅苦しさというか、生真面目さはなく、『運び屋』にあったような、非常に「軽い」映画です。撮り方には全く気負いを感じず、ストーリーも飄々としています。とにかく「気が抜けた」映画なのです。
 『グラン・トリノ』では、イーストウッド演じるコワルスキーは、モン族の少年、タオに「男」としての修行を施します。タオはコワルスキーの「男」教育を受け、彼からグラン・トリノを受け継ぎます。それは『ダーティハリー』的な「強さ=マッチョ」があったと思います。しかし、時代は変わりました。「マッチョ」なだけが強さだけではありません。本作の少年、ラフォは、「マッチョ」に憧れています。今回、マイクは、そんな彼を諭す側に回ります。この点が、イーストウッド自身が、自身の作品で見せてきた「マッチョ」に対する「補足」なのだろうと思います。
 
 さらに、『グラン・トリノ』では自らが死ぬことでしか決着をつけられなかったイーストウッドですが、本作では自分の新しい「家」を見つけ、女性と生活を始めます。居場所を無くしていた彼が、アメリカという国の外で居場所を見つける。『運び屋』では「老いを恐れるな」と言っていましたが、本作でも、彼の人生への前向きさを感じました。
 

2022年冬アニメ感想③【からかい上手の高木さん3】

☆☆☆☆(4.2/5)
 
 
 山本崇一朗先生原作、小学館より発行されている「ゲッサン」にて連載中の原作をアニメ化した作品。2018年に第1期が放送されて人気を博し、本作で3シーズンを数え、6月には劇場版も公開が予定されています。制作は1期より継続して「クレヨンしんちゃん」などでお馴染みで、最近では「PUI PUI モルカー」を共同で制作したシンエイ動画。監督は1期から継続して赤城博昭さん。シリーズ構成はおらず、各回ごとに脚本家が別々に担当します。参加しているのは加藤還一、伊丹あき、福田裕子の3名。キャラクターデザインを「干物妹!うまるちゃん」や『きみの声を届けたい』の高野綾さんが務めます。
 
 「2」において、2人の距離が「ゼロセンチメートル」になりました。そのためか、本作の高木さんは、前作までと比べ物にならないくらい西片にアプローチをかけまくります。1期はあくまでも「からかい勝負」という体を保っていて、西片少年の狼狽えっぷりとか、そこにちょっとだけ高木さんが見せる本音みたいなものに尊さを感じていたわけですが、本作に関してはもう高木さんの好意が漏れまくっており、ただいちゃついているようにしか見えないという。「もう付き合っちゃえよ!」と思うわけですが、あの2人の尊さというものは、西片少年が自分の気持ちに自覚的になれないという、付き合っていないからこそ生じるものであるのも事実です。つまり本作は、「2」で互いの距離が「ゼロセンチメートル」となった後の物語なわけです。
 
 「2」では、それまでの話で積み上げた「距離」が、夏のお祭りですれ違い、また合流できたこと、そして手を握ったことで「ゼロセンチメートル」となる話でした。物理的な距離が近くなったので、今度は心理的な距離を縮めようというわけです。そのピークがクリスマスと、最終の12話、13話の「2月14日」と「3月14日」。この2つは気持ちのやり取りを行う日なわけですから、ここで西片が高木さんを探し、合流したということは、そのまま2人の気持ちが通じ合ったということでもあります。最終話のEDがORANGE RANGEの「花」で、その歌詞が全てを語っていたと思います。余談ですが、だからこそ「元高木さん」の話が少し入っていたのだと思います。まぁとにかく、2人とも良かったね。劇場版待ってます。
 

 

2期の感想です。

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2022年冬アニメ感想②【明日ちゃんのセーラー服】

☆☆☆☆★(4.6/5)
 
 
 「スーパーカブ」でイラストを務めていることでも知られる、博先生原作、集英社ウェブコミックサイト「となりのヤングジャンプ」にて連載中の漫画を原作としたアニメ作品。制作は近年、ハイクオリティな作品を送り出しているClover Works。何と「その着せ替え人形は恋をする」を同時制作。化物か。監督は「アイドルマスター Side M」を共同で監督した黒木美幸さん。脚本は、これまで設定制作などで作品に関わり、「シャドーハウス」にて脚本を担当した山崎莉乃さん。初のシリーズ構成でありながら、全話の脚本を執筆しました。キャラクターデザインには「Fate/Grand Order 絶対魔獣戦線バビロニア」にてアクション作画監督を務めた河野恵美さんが揃います。
 
 憧れのアイドルが着ていたセーラー服に憧れ、自身の母親が通っていた名門女子高、蠟梅学園中等部に入学した明日小路。彼女はそこで様々な友達と出会い、学園生活を送っていく・・・。
 本作は明日小路の物語でありますが、同時に、小路が所属する1年3組全員にスポットが当たる群像劇でもあります。本作は主に小路が友達を次々に作っていき、1人だった彼女の心情を丁寧に綴る面と、その小路を狂言回しとして、クラスメイト1人1人にスポットを当てていく面の2つの側面があります。最終的にはこの2つが交じり合い、「小路と関わったクラスメイトが小路を応援する」という、かなり綺麗な終わり方をします。
 
 以上の点で本作はシンプルな作品ではありますが、それを何倍にも魅力的な作品にしているのが、アニメーションのクオリティの高さです。キャラの日常芝居が非常に豊かで、それに加えて、キャラの心情を捉えるショットの積み重ねや、劇伴の素晴らしさといった点が相乗効果を出し、キャラの「可愛さ」や魅力を何倍にも引き上げています。この上でキャラ回をやっているため、そりゃ各キャラの魅力も上がります。本作はキャラもので、キャラの魅力や可愛さが作品の出来に直結するため、この点では大成功だと思います。しかも、これを女性のスタッフが中心となって作成しているため、その他の類似作品とは違った「可愛さ」を感じることができます。
 
 いちばん近いかもと思ったのは、「けいおん!」でしたね。ご存知、2009年にアニメ化されて以来、大ブームを起こし、アニメ界における「可愛さ」の基準を作ってしまった作品です。「けいおん!」以降だと思うのですが、所謂「女子高生に何かやらせてみた」作品が爆発的に増え、凡作から秀作・傑作まで、数多くの作品が作られてきました。その多くは、「女の子の可愛さ」を描くことに注力していて、日常芝居など、アニメーションの力で見せるものから、単純に声優とキャラデザで何とかするものまで、こちらも多種多様でした。本作は、もちろんこの系譜に連なる作品ですが、原作が持つ小路たちの描写を丁寧に追った作劇をアニメーションの動きで丁寧にやっており、「けいおん!」以来のこの手の作品の最先端と言えるのです。
 また、「けいおん!」と言えば、本作の日常芝居などには、どことなく京都アニメーションの影響を感じ取ることができました。「けいおん!」から約10数年、確実に京アニに影響を受けた世代が業界に入ってきていて、時代の流れを感じましたね。と、浸るのはここまでにしておいて、つまりは本作は、「けいおん!」的な女子中学生の可愛さを、全力で描いた作品で、2020年代における1つの「可愛さ」を示したと思います。
 

 

同時期にClover Worksが制作していた作品。こっちもハイクオリティ。これを同時期とかどうなってんだ。

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2022年冬アニメ感想①【その着せ替え人形は恋をする】

☆☆☆☆(4.2/5)
 
 
 「ヤングガンガン」にて連載中の、福田普一先生原作のラブコメ作品をアニメ化した作品。制作は、近年、高水準の作品を送り出しているClover Works。監督は『BLACK FOX』や「A3!」などの篠原啓輔さん。脚本は「東京リベンジャーズ」に参加し、「幼なじみが絶対に負けないラブコメ」にてシリーズ構成を務めた冨田頼子さん。キャラクターデザインに「冴えない彼女の育て方」の石田一将さん、メインアニメーターには「ダーリン・イン・ザ・フランキス」、「ワンダーエッグ・プライオリティ」に参加した高橋尚矢さんが揃います。
 実家が雛人形店で、祖父が雛人形の頭を制作する頭師であることが影響し、自身も雛人形制作が趣味である高校生、五条新菜。彼はある日、ひょんなことから同じクラスのギャルでオタクな美少女、喜多川海夢と接点ができる。自分の趣味を否定せず、尚且つ好きなものを好きと言える海夢にコスプレ用の衣装作りを懇願された新菜は、全く接点のなかったコスプレの世界に入ってゆく。
 
 あらすじを読めば分かるように、要は「乃木坂春香の秘密」や「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」と似た構造を持つ作品だと思います。どちらも「男子高校生が、オタク趣味のヒロインに導かれ、オタクの世界に入っていく」という共通点があります。しかし、この2作ではヒロインのオタク趣味というものは「隠すべきもの」であったのに対し、本作の海夢はこの点をオープンにしています。この辺はアニメというものが市民権を得てきた、時代の変化を感じました。だからこの手の作品にありがちな、「オタク趣味をオープンにする」障壁が本作にはない。
 
 寧ろ特筆すべきは、趣味を隠し、「バレる」のが主人公である点。「乃木坂春香」と「俺妹」では、「趣味がバレる」のはヒロインであり、主人公はヒロインの「好き」を肯定(もしくは脅されるなどして協力させられる)し、サポートする役回りが常でした(そしてハーレムを形成する)。しかし、本作では「主人公がヒロインをサポートする」点は同じですが、この立ち位置が逆転していて、主人公がヒロインに「好き」を肯定してもらうところから物語が始まっているのです。これによって、本作には厚みが出たなと思っていて、「乃木坂春香」や「俺妹」などは、言ってしまえば「こんなオタク趣味を持ってる美少女いたらいいな」な男性側の願望を叶えていて、主人公というのは割と読者が感情移入しやすいように特段趣味のないキャラ付けをされていました。本作も「こんな美少女いたらいいな」な点はあるものの、主人公の趣味を、「男性が持つ趣味ではない」という偏見のせいでオープンにし辛いものにすることで、「好きなものを好きと言っていい」という点を肯定してみせていました。この点は多様な趣味が昔と比べれば認められた、現代的な点だなと思いました。過去に他にもこのような作品があったらすみません。
 また、「乃木坂春香」と「俺妹」と比べると、徹底して主人公とヒロインの関係性のみに注力している点も異なる点かと思います。この手の作品だと次々にヒロインが出てきて、オタクコミュニティを形成していったりして、皆で楽しく活動することが作品の面白味に繋がっています。しかし、本作では、さらに2人の女性キャラが出るものの、1期の時点では彼女らは単発のゲスト扱いで、特にコミュニティなどを形成することもない。代わりに、主人公とヒロインのコスプレ活動をどんどん描き、2人の間に流れる心地よい空気に視聴者を浸らせます。これにはライトノベルと漫画という媒体の違いもあるとは思いますが、2人の関係に焦点を絞って描いていたため、話の内容はいたってシンプルで、見やすい作品でした。
 
 本作は、話そのものはシンプルであり、コスプレという点から、見せ方が非常に重要な作品です。この点を豊かなアニメーションで描いています。京アニの影響と思しきキャラの日常芝居のつけ方で、動きが楽しいし可愛い。さらに、OPにも見られるように、「裁縫」がちゃんとアクションになっている。また、劇中のアニメの作り込みが半端ないクオリティ。映像的な面白さに加え、そこにコスプレの知識も無理なく入っているため、知識としても楽しい。アニメ化として、非常に理想的なものだと思いました。Clover Worksは同時に同じく超絶作画アニメ「明日ちゃんのセーラー服」も作っていて、化物ですね。
 
 以上のように、本作は過去の作品と類似する点は多いものの、現代的にアップデートされている点もあり、更にはアニメーションとして見ていて楽しいという、非常に良くできた作品でした。でも海夢、18禁エロゲーは良くないと思うぞ(一応言っとく)。
 

 

Clover Works作品。

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2022年春アニメ視聴予定作品一覧

 皆様。こんにちは。いーちゃんです。もう4月の第1週が終わってしまいましたが、毎クール恒例の視聴予定作品を一覧にします。春アニメの感想は、なるべく早くあげたいと思ってます・・・。

 

 期待度は、◎=期待大、〇=楽しみ、△=一応見る、な感じです。

 

アオアシ」 △

「阿波連さんははかれない」 〇

ULTRAMAN シーズン2」 △

エスタブライブ グレイトエスケープ」 〇

「おにぱん!」 〇

「かぎなど シーズン2」 〇

かぐや様は告らせたい‐ウルトラロマンティック‐」 〇

「可愛いだけじゃない式守さん」 〇

「くノ一ツバキの胸の内」 〇

「コタローは1人暮らし」 △

攻殻機動隊S.A.C 2045 シーズン2」 △

古見さんは、コミュ症です(第2期)」 〇

サマータイムレンダ」 ◎

SPY×FAMILY」 ◎

TIGER & BUNNY 2」 〇

ダンス・ダンス・ダンス―ル」 〇

「であいもん」 〇

パリピ孔明」 〇

「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 FINAL SEASON」 △

名探偵コナン ゼロの日常」 △

 

 春アニメは20本。多いね。中でも楽しみなのは、「SPY×FAMILY」と「サマータイムレンダ」の2作。どちらもジャンプ+出身で、大変面白い作品ですが、「SPY×FAMILY」が監督が古橋一浩さんで、WIT STUDIO&Clover Works、「サマータイムレンダ」が監督が渡辺歩さんで脚本が瀬古浩司さん、制作がOLMと、非常に期待できる布陣。集英社の力の入れ具合が分かります。また、ジャンプ+枠としては、「阿波連さんははかれない」も、原作が好きなので見ています。

 そして、楽しみな作品としては、何といってもシリーズとしては9年振りの続篇「TIGER & BUNNY2」、原作が話題の「パリピ孔明」、第3期まで行った「かぐや様」、MAPPAが描くダンスを題材とした「ダンス・ダンス・ロール」、スタッフの座組的に気になる「エスタブライブ」あたりが楽しみなところです。他には、「攻殻」、「ULTRAMAN」、「マギレコ」あたりは付き合いで見ます。

 春アニメはこんな感じです。これ以上増やすと、量的にパンクしそうなので、今期は見る作品を増やすことは無いかもしれません。

2021年新作TV/配信アニメベスト10

 皆様、こんにちは。いーちゃんです。もう3月になってしまいましたが、2021年の新作アニメのベスト10を発表したいと思います。毎年恒例なんだけれども、秋アニメの視聴がようやくだいたい終わって、ランキングを出せるようになりました。

 

2022年に繰り越し

「86-エイティシックス-(第2期)」

「王様ランキング」

ルパン三世 PART6」

 

対象作品(視聴済み)

2020年秋アニメ

「呪術廻戦」

おそ松さん(3期)」

ひぐらしのなく頃に業」

 

冬アニメ

「SK∞ エスケーエイト」

のんのんびより のんすとっぷ」

BEASTARS(2期)」

無職転生異世界行ったら本気出す~」

ゆるキャン△ SEASON2」

「Re;ゼロから始める異世界生活 2nd season 後半」

ワンダーエッグ・プライオリティ」

ホリミヤ

「怪物事変」

「ぶらどらぶ」

 

春アニメ

「Vivy-Fluorite Eye's Song-」

「86-エイティシックス-」

「EDEN」

「オッドタクシー」

「極主夫道」

ゴジラS.P<シンギュラ・ポイント>」

スーパーカブ

ゾンビランドサガ リベンジ」

「SSSS.DYNAZENON」

不滅のあなたへ

 

夏アニメ

「かげきしょうじょ!!」

小林さんちのメイドラゴンS」

「Sonny Boy-サニーボーイ-」

ひぐらしのなく頃に卒」

「平穏世代の韋駄天達」

「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 2nd season」

 

秋アニメ

古見さんは、コミュ障です」

「先輩がうざい後輩の話」

無職転生異世界行ったら本気出す~(第2クール)」

鬼滅の刃 遊郭編」

「スーパー・クルックス」

「かぎなど」

 

 2021年に視聴したTV/配信アニメは計32本。2020年からの繰り越しは3本。本ブログのランキングでは、対象となる作品は「その年に完結した作品」であるため、秋アニメでまだ終了していない作品は除外します。では、行ってみよう。

 

10位「ワンダーエッグ・プライオリティ」

 いきなり記事が無くて申し訳ないのですが、野島伸司脚本、若林信監督によるオリジナルアニメーション。Clover Worksによるクオリティの高いアニメーションと、サイコスリラー風味な演出、そして視聴者の考察欲を引き立てるような謎に満ちたストーリーで話題になりました。

 私も本作のクオリティとストーリーにはいたく感激し、放送を毎週楽しみにしていました。あらゆる伏線を放置して物語が終わったときには唖然としましたが、要は本作は、少女たちの出会いと別れの物語でしかないと分かると、ラストの寂寥感にも特別な気持ちを以て見ることができましたので、この順位です。

 

9位「PUI PUI モルカー」

 また記事がない。すいませんね。日本アニメでは珍しいストップ・モーションアニメで大きな話題となった作品。モルカーの可愛さはもちろん、往年の名作映画やアニメにリスペクトを捧げたと思われるアクションは圧巻。作り手の創意工夫がそこかしこに見える、素晴らしい作品でした。

 

8位「のんのんびより のんすとっぷ」

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 ようやく記事があるのん。シリーズの事実上の完結作。これまで同じ時間を生きていたれんちょん達が、遂に外の時間に向かい出したあのラストに、大変感動しました。

 

7位「スーパーカブ

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 「女子高生×○○」なアニメなのだけど、高畑勲片渕須直が志向した、「キャラの日常を丁寧に描く」ことを生真面目に行った作品。驚異的なクオリティというわけではないのですが、その丁寧な描写と、銀残しを意識したという画面の色彩など、徹底して小熊に寄り添った作りが良かったな。

 

6位「呪術廻戦」

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 2020年~2021年前半の大ヒット作。「鬼滅の刃」のヒットを上手く受け継ぎました。もちろん、MAPPAの安定したクオリティがあってのものではありますが、原作が好きで、それをちゃんとアニメ化してくれたと言うだけでランクインです。

 

5位「ゆるキャン△ SEASON2」

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 全ての要素がきちんといい方向へパワーアップしている2期の理想形。「スーパーカブ」にも通じる点ですが、キャラの動きや、背景(美術や音など)を丁寧に描いた点も素晴らしい。

 

4位「ゴジラS.P<シンギュラ・ポイント>」

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 歴史的名作映画『ゴジラ』のアニメ化作品。『シン・ゴジラ』の逆を行く、2人の天才による謎の解明。抽象的な面はあれど、映画でしかできない、怪獣映画というフォーマットを、TVアニメに上手く落とし込んだという点でこの順位です。

 

3位「Sonny Boy」

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 夏目慎吾監督のオリジナル・アニメーション。「十五少年漂流記」、「漂流教室」を思わせる設定から、予想もつかない展開へ話が進みます。最終的には、少年が大人になる話という、普遍的なジュブナイル作品でした。

 

2位「オッドタクシー」

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 2021年最大の話題作。異なる才能が結集し、極めて上質なミステリーを生み出しました。ラストにファンは生殺しになりました。これが1位でもいいんですけどね。今年公開の映画も楽しみです。

 

1位「かげきしょうじょ!!」

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 思えば、2021年、いちばん楽しみに見ていた作品だし、いちばん登場人物を応援していた作品でした。そして、原作にも手を出そうかと思っている。つまり、2021年いちばん入れ込んだ作品であり、なので1位です。

 

 

 以上です。この他には、「不滅のあなたへ」、「SSSS.DYNAZENON」、「小林さんちのメイドラゴンS」、「86-エイティシックス-」、「ぶらどらぶ」、「鬼滅の刃 遊郭編」などがベスト級です。特に「鬼滅」は、圧巻のクオリティだったのですが、何というか、それ故にもう俺が支持しなくていいな、と思ったので、除外しました。