暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

2021年冬アニメ感想③【のんのんびより のんすとっぷ】

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☆☆☆☆★(4.5/5)
 
 
 にゃんぱすー
 
 あっと先生原作、月間コミックアライブにて連載されていた漫画を原作としたTVアニメーション。過去にTVアニメは2作、劇場アニメが1作作られ、本作はTVアニメ3作目となります。私はTVアニメは1期からの付き合いなので、もちろん視聴するということで、毎週楽しみに見ていました。
 
 本作には、過去2作には無かった視点が盛り込まれています。それは、「変化」です。「のんのんびより」という作品は、基本的には日常系と言われる作品で、田舎を舞台にしたのんびりとした日常を描き、我々心が荒み切った現代人の心を癒してくれる作品です。過去2作はこのフォーマットに沿っており、1作目は日常モノ、2作目はちょっと工夫をして、1作目とは別の視点から話を「リピート」するものでした。最終話は季節が回って新しい季節が来るところで終わっていましたが、「変わらない日常」が描かれていたことに変わりはありませんでした。
 
 翻って、本作では、上述のように「変化」がメインテーマとなっております。それを強調するために出てきたのが新キャラのあかねとしおりです。8話にて、このみの「卒業」という「別れ」があかねを通して描かれ、しおりは最終話で旭丘分校に入学し、いちばん年下だったれんげに、「先輩」という新たな役割を与えました。他にも、11話にて駄菓子屋が他のキャラが昔からどのように「変わった」のかを酔っぱらって語り、最後にれんげの成長に泣くという話も挿入されます。このように本作には、過去作以上に、「変化」という視点が加わっているのです。
 
 この手の作品は、「変化しない」ことが重要でした。何者にも脅かされない箱庭を創造し、その中で癒ししかない世界を視聴者に届ける。しかし、本作は上述のようにキャラ達の日常が日々変化していくことを示しました。押井守は『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』において、箱庭的な世界を「夢だよ」と言いましたけど、本作はあそこまで苛烈ではないにせよ、「変わらない日常」から「新しい日常」への移行を描き、見事に終わらせてみせました。「のんのんびより」という作品は、「日常」を楽しむという作品でした。彼ら彼女らは、また、この新しい日常を生きていくのだろうという未来を示した、本作らしい終わり方だったと思います。
 

 

劇場版

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 まぁ押井守作品だけど、これは学園もの。

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