暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

2021年冬アニメ感想④【ゆるキャン△ 2nd season】

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/912SsVRcVOL._AC_SL1500_.jpg

 
☆☆☆☆★(4.6/5)
 
 
 まんがタイムきららフォワードにて連載中、あfろ先生原作による同名漫画のアニメ化作品。本作は2018年に放送され、大好評のうちに終わったTVアニメ1期の続篇になります。スタッフは基本的に前作と同じで、制作はC-Station、監督は京極義昭さん、シリーズ構成を田中仁さん、キャラクターデザインを佐々木睦美さんが手がけます。私は前作を後追いではありますが視聴しており、とても面白かったので、2期である今作も視聴した次第です。
 
 「続篇」というのは、色々な定義があります。単純にストーリー的に前作の続篇的な内容もありますし、前作の展開を踏まえて、よりストーリーやキャラの関係性を深化させていくものもあります。そして中には、前作の内容からさらに捻って、批評的な視点を加えたりするものまであります。本作は、前作を踏まえたうえで、キャラの関係性、キャンプの魅力、楽しさを視聴者に体感させる演出など、全てがパワーアップさせた続篇で、続篇としての1つの理想形があったと思います。

 

 

 本作の注目点が、キャンプの描写です。1つ1つの工程を丁寧に描いているのはもちろんなのですが、大きいのが音です。前作からもそうだったのですけど、キャンプ場の自然音や準備の際の音、調理音等がしっかり入っていて、キャンプの空気感を出すのにかなり大きな貢献をしているのです。そして、撫子たちのキャンプ模様の描写です。これもとても良くて、時間の流れが凄くゆったりしていて、その中で観光とか友達と進路とか人生について喋ったりとか温泉とか料理とか、他には1人ですることなくてゴロゴロしているのです。さすが、自分たちで実際にキャンプして作ってるだけあります。また、キャンプの前の段階、つまり、バイトの資金集めや計画立てまで描いていて、そこをひっくるめた上での「キャンプをしている楽しさ」を本作は全力で描いているわけですね。
 
 そしてこれは、続篇だからこそできたことです。前作は撫子がキャンプのハウツーを知っていく話でした。で、熟練のキャンプ描写は凜に任されており、この2人が最後に交わって、一緒にキャンプをするというのが話の終着点でした。だからこそ、本作の1話は凜がまだ未熟だった頃が描かれ、最後で時間軸が現在(1期後)に戻り、現在の凜が撫子に出会うという、1期1話を反転させた内容でした。前作1話におけるリンの役割(カップヌードル渡す)を撫子にさせることで、前作を経た撫子の立ち位置の変化(キャンプ経験者。そしてリンとの関係性の変化)が表れているわけです。似た話を描くことで、前作との違いを浮かび上がらせるという、見事な1話でした。こうした関係性と撫子の知識の変化を踏まえたからこそ、撫子のソロキャンとか野クルのキャンプ失敗談とか、本作はより突っ込んだキャンプ描写ができたわけです。
 
 以上のように、本作は前作を踏まえたうえで、キャンプの楽しさを丁寧に描き上げることに注力してみせた、理想的な続篇だったと思います。劇場版も観るよ。
 

 

スピンオフ。

inosuken.hatenablog.com

 

 きららってことで。

inosuken.hatenablog.com