暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

2021年冬アニメ感想⑤【怪物事変】

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☆☆☆★(3.8/5)
 
 
 ジャンプSQにて連載中の、藍本松先生原作の同名漫画を原作とするTVアニメ作品。ジャンルとしてはオカルト・ファンタジーが該当します。この藍本先生という方は、本作以前に「保健室の死神」や「MUDDY」を週刊少年ジャンプにて連載しており、連載当時ジャンプ定期購読者であった私は毎週読んでまして。この2作品は結局打ち切りの憂き目にあってしまい、それ以降私がジャンプから離れてしまったので、一時は名前を忘れてしまっていました。だからこそ、本作のアニメ化を知ったときには大変驚きました。「あの藍本先生!?」みたいな感じで。打ち切り作品を2回出した方がアニメ化までこぎつけるという逆転劇(同じような人には「ヒロアカ」の堀越先生がいる)は全く関係ない私でも嬉しくなりましたし、何だか応援したくなったので視聴を決めた次第です。
 
 本作は怪物(けもの)の話であり、オカルト的な内容です。「保健室の死神」は「病魔」を喰らうハデス先生が主人公で、「ぬ~べ~」みたいな話でしたし、初連載の「MUDDY」もキメラを題材にしたファンタジー作品でした。本作もその延長で、オカルト風味を残したバトル作品です。多分好きなんでしょうね、こういうの。「ヒロアカ」の堀越先生と言い、自分の好きなもので勝負したからこそヒットするというの、凄く良いよね。

 

青 ―藍本松短編集― 下巻 (ジャンプコミックス)

青 ―藍本松短編集― 下巻 (ジャンプコミックス)

  • 作者:藍本 松
  • 発売日: 2021/02/04
  • メディア: コミック
 

 

 さて、内容的にはコミカルな要素を残しつつ、夏羽、織、晶が自分の居場所を見つけるまでの話でした。夏羽は両親がおらず、引き取り先の中で孤独に暮らしていたのを隠神にスカウトされ、居場所を得ます。そしてそこには、織と晶という、自分と同じような境遇の存在がいました。後、途中で出てくる紺も居場所を無くします。更に言うと、本作に出てくる怪物は人間社会に溶け込んでいて、「居場所」の獲得という点では苦労をしているわけです。
 
 織、晶は劇中で本当の家族に出会い、居場所を得ます。この過程で、2人のコンプレックスや存在意義の獲得も描かれます。つまりは精神的な成長や自己の獲得も描いているわけです。そうして、居場所を得た2人は隠神探偵事務所からいったん離れていきます。そして残された夏羽は、自分の両親を探す旅に出たところで放送が終了しました。余談ですが、この終わり方には、「鬼滅の刃」感があり、少し狙ったのかなぁと思いました。
 
 以上のように、本作はオカルトな要素を扱ってはいますが、「居場所の獲得」や少年少女たちの成長と新しい門出というテーマがある、かなり純粋なジュブナイル作品に仕上がっていました。監督である藤森さんはドラマをかなり丁寧に描くことに定評のある方であり、この強みが上手く出たかなと思います。これからは命結石の争奪戦になり、激しい戦いが繰り広げられるのか分かりませんが、2期を楽しみにしています。
 

 

ジャンプの近年の超ヒット作。

inosuken.hatenablog.com

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