暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

2020年秋アニメ感想④【魔王城でおやすみ】

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☆☆☆(3.2/5)
 
 
 現在、週刊少年サンデーにて好評連載中の、熊之股鍵次先生原作の漫画を基にしたアニメ化作品。制作は言わずと知れた動画工房で、監督は山崎みつえさんと、「ダンベル何キロ持てる?」を彷彿とさせるスタッフで固められています。私は「ダンベル何キロ持てる?」も、同じく山崎監督の「多田くんは恋をしない」も好きだったので、視聴を決定した次第です。
 
 本作は今流行りの「RPGの世界観を借りて、既存のジャンルものをやる」作品の1つで、本作で題材になっているのが「睡眠」。囚われの姫が、魔王軍顔負けのバイタリティとアイディアで次々とオリジナルの寝具を作り出し、安眠を獲得していく内容です。ストーリーは無く、1話ごとに安眠のためのお題が設定され、それを解決するのがメインです。終盤で「魔族と人間は憎しみ合っている」とか、若干のシリアス要素が入ってきますが、そこまで深掘りされず、この手の作品によくある「最終回に盛り上げどころを作るために入れた」以上の意図はないと思います。つーか、魔王軍が良い奴ら過ぎで、「憎しみ合っている」とか言われても全然実感ないんですよね。しかも人間側の魔王軍憎し描写も、かなりギャグっぽく描かれているのもそれに拍車をかけている。

 

 

 本作で面白い点は、姫の独創性に溢れた寝具作りと、犠牲になる魔王軍の哀れっぷり。体を切り刻まれるのは序の口、体毛を抜かれる、体をバラバラにされる、ちぎられるなど、基本的に魔王軍の奴らは悲惨な目に遭い、それをコミカルに描いています。この掛け合いというか、姫の一方的な蹂躙が本作のコミカルな要素です。さらに、RPGで言うところのレアアイテムとか強大な力まで姫は寝具にしてしまいます。「え?そんな重要なものを寝具に・・・」という驚きがありますし、「そういう風に寝具にするんだ」というアイディアに感心させられます。
 
 序盤こそ、上述のような驚きと、一方的な蹂躙を笑って見ていましたが、中盤以降、この手の作品が陥りやすい展開になります。そう、マンネリです。この手の作品は、最初こそ面白いのですが、基本的にネタが1つなのですぐに息切れを起こします。本作も例外ではなく、途中からは話の内容にバリエーションが増え、姫の影武者指南とか、安眠グッスを買いに人間界へ降りるとか、睡魔と睡眠の特訓をするとか、脇にそれた話を何とか睡眠と繋げている印象があり、平凡なコメディになってしまったかなと思いました。
 
 本作は平和な世界であり、魔王軍も良い奴らだらけで、勇者の道案内もちゃんとしてるし、ぶっちゃけ何がしたかったんだろうとか思わないでもないのですが、まぁアイディアは面白かったし、気持ちよく見ることはできました。