暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

ゲームプレイの映画化として完璧だった【ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー】感想

 

82点

 

 現在、全世界でメガヒット中の本作。私はマリオは「スーパーマリオブラザーズ2」しかまともにやったことがなく、「マリオカート」も友達の家でやったくらいのマリオ弱者なのですが、これがまぁ面白かったですよ。ヒット作なので、簡単な感想を個別記事で書きました。だいぶ久しぶりだな。

 

 よく言われているように、本作は「ゲームの映画化(=ゲームの設定だけを使って後はオリジナルストーリーを作る)」というより、「ゲームプレイの映画化」と言ったほうがしっくりくるような内容です。私の乏しいマリオ体験でも、「マリオをプレイしたときの感覚」が見ていて蘇ってくるものでした。例えば、冒頭でマリオとルイージが仕事に向かうときの横スクロール、そしてルイージ救出の旅に出る前の「訓練」シーン、キノコで1UP、そしてマリオカートなど、「あ!これ知ってる!」のオンパレード。さらに、ビジュアル的にも、マリオの世界観をそのまま3次元の映像にしていて、偉い。ピーチ姫との距離感も良かった。

 

 そしてこの「マリオのゲームをしている」ことがそのまま作品のテーマ的な肝になっている。マリオのゲームって、あの訓練の通り、「諦めない」ことだと思っていて、諦めないでトライ&エラーを繰り返すことがクリアに繋がるものだと思います。で、本作に関して言えば、繰り返し強調されるマリオの「諦めの悪さ」が彼のヒーローたる所以になっています。

 

 また、「ゲームのプレイ映画」として、もう1点感心した点があって、それは「ゲームで得たことを現実に持ってくる」というのをやっていた点。本作では、マリオとルイージアメリカのブルックリンに住むイタリア系のブルーカラーで、配管工をしています。決して裕福とは言えない彼らが、キノコ王国へ行って、そこで数々の試練を乗り越えて、最後には現実に現れたクッパを打ち倒します。これつまり、先述の「ゲームでの成長を現実で使って自己実現の果たす」って話で、この辺には感心した。映画にせよゲームにせよ、現実逃避であることには変わりないけど、優れた作品は、その中で現実に応用できるような「気づき」をくれる。その気づきは、自分を後押ししてくれたり、自分の見識を広げてくれたりする。本作でマリオが成したことは、その体験の映画化だったのだと思う。この点でも、本作は「ゲームプレイの映画化」と言えると思うのであります。だから、「思想がないからヒットした」ってのは違うと思う。

 

 めちゃくちゃヒットしているので、続編が作られるのは確実。とりあえず、このまま「カービィ」とか「ゼルダ」とかも映画にしてもらって、任天堂ユニバースを構築し、「大乱闘スマッシュブラザーズ」の映画化を目指してほしいですね。あの土管の設定的に、ユニバースを構築する気満々だろうし。