暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

2020年冬アニメ感想⑧【空挺ドラゴンズ】

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☆☆☆(3.4/5)

 

 

 「good!アフタヌーン」にて好評連載中、桑原太矩先生原作の漫画「空挺ドラゴンズ」のアニメ化作品。制作は「BLAME!」やアニメ版「GDZILLA」シリーズのポリゴン・ピクチュアズで、監督は「BLAME!」にて副監督を担当した吉平"Tady"直弘さん。脚本は「蒼き鋼のアルペジオ」の上江洲誠さん。私は原作は「知っていたけど読んでいなかった」枠の作品で、今回のアニメ化を機に触れてみようと思い、視聴した次第です。

 

 本作は、龍が生息する世界観を舞台に、龍捕りと呼ばれる、龍を捕獲し、生計を立てる人々の活躍を描きます。主要な舞台は主人公たちが乗っているクィン・ザザ号で、主にこの船員達で物語が動くという群像劇の様相を呈しています。

 

 

 本作は、基本的にはハイファンタジーに該当すると思うのですが、複数のジャンルが組み合わさっているような内容で、「龍捕り」という本作独自の設定を全12話かけてしっかりと描いていました。私はそこが面白いと思いました。まず、物語の基本には「龍捕りの日常」があると思っていて、船員たちの「龍を捕って、食って、売って、飲んで騒いで」というサイクルを描いています。だから「龍を捕る」という集団アクションの要素と、その龍を調理して食べるという飯テロアニメとしての側面と(余談ですが、「飯テロアニメ」に重要な「料理が美味そう」というビジュアル的な合格ラインをしっかりと押さえているのもポイント高い)、クィン・ザザ号で起こる小事件(空賊に襲われたり)や何でもない日常を描くという日常系の側面もあります。これらが全てひっくるめられて、「龍捕りの日常」が描かれています。そこがとても面白かったのです。

 

 そこに加えて、メインキャラである4人の物語が展開されます。そのうちの1人のミカは狂言回し的な存在ですが、他3人は、「何故龍捕りをするのか」若しくは「何故ここにいるのか」という点を掘り下げて描いています。中でも抜きんでてドラマ性があったのが新人のタキタで、メタ的なことを言えば彼女は新人という設定を有効に活用され、作品の設定説明をスムースに行うための存在でもありました。しかし、新人故に本作の物語的な締めの役割を任され、終盤で龍の子供と交流することで、「自分たちがいただいている命」を自覚し、龍捕りとして成長するという展開が用意されました。「龍の回廊」のスケール感も相まって、このエピソードは最終回にふさわしいものだったなと思います。

 

 

+Ultra枠の作品。こっちも面白かった。

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 こちらも+Ultra枠。

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