暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

2022年冬アニメ感想④【マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 Final SEASONー浅き夢の晩ー】

☆☆★(2.7/5)
 
 2020年の冬アニメとして放送を開始した「マギレコ」のアニメ化作品。2021年の夏に放送された「覚醒前夜」を経て、ようやく完結へこぎつけた本作。監督は「覚醒前夜」から続投して宮本幸裕。シリーズ構成には高山カツヒコ。キャラクターデザインは谷口淳一郎が本家から続いて担当します。制作はもちろんシャフト。1期からの付き合いなので視聴しました。
 
 「魔法少女まどか☆マギカ」とは、「願いの代償」として、「魔法少女」としてその人生と希望を搾取され続ける少女たちの救済の物語でした。本編はまどか達に寄ってはいましたが、本編以外でも、絶望のうちに魔女になってしまった少女は多かったはずです。しかも「まどマギ」の構造上、「失敗した」ルートも多くあります。そしてそれらの物語は我々には見えていなかった、「語られなかった」物語です。「マギアレコード」とは、こうした「語られなかった」魔法少女達の物語を描くものでした。
 
 本作は、ハッキリ言って言いたい点はとても多い。そもそも「Final SEASON」とか言っているけど、絶対に製作期間間に合わなかっただけだろとか、ゲームの内容を無理に詰めたからか知りませんけど何かよく分からないまま終わってしまったとか、アニメーションの力が入ってる時と手を抜いてるときの差が激しすぎて逆に萎えるとか、ダメな点を挙げるとキリ無いんです。それでも本作を評価するとすると、正しく上述の「語られなかった」魔法少女たちの物語をやった点だと思います。
 
 「まどマギ」という作品では、「語られなかった」だけで、魔法少女の物語の数だけ絶望が生まれていたことは明白。それら全てを救うためにまどかは最後に「円環の理」となるわけですが、この「マギレコ」という作品は、「まどマギ」の作品の構造を活かし、尚且つ作品世界を拡張、その上で、本編で「語られなかった物語」を我々視聴者自身が目撃するという構造の作品になっていて、それはアルティメットまどかのように救済にはならないにしても、忘れられるはずだった少女たちの希望と絶望の物語を視聴者が知るという点で、「まどマギ」の補完になっていると思いました。つまりは、「忘れられた世界線」を記録した我々は、目撃者であり、彼女らのことを覚えている。この1点だけは面白かったです。
 

 

1期。

inosuken.hatenablog.com

 

シャフト作品。

inosuken.hatenablog.com