暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

2018年春アニメ感想④【銀河英雄伝説 Die Neue These 邂逅】

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 日本アニメ史にその名を残す傑作『銀河英雄伝説(以後銀英伝)』。そのリメイク作品。先代があらゆる意味で偉大すぎるために放送開始前からネガティブな意見が散見されていました。

 

 私自身も『銀英伝』は、アニメシリーズはひどいと噂の『黄金の翼』以外は全て見ています。原作は未読。すまねぇ。いつか読みたい。なので、旧作を超えることはまずないだろうし、気楽に見てやるか、と半ば野次馬的な理由から見始めました。

 

 12話見終わってみると、「これはこれであり」だと思います。確かに旧作と比べれば展開は早いですし、それによって薄くなってしまった箇所はあります。しかし、随所に現代的な解釈が加えられていたり、旧作ファンにも楽しめるように工夫して作ってあると思いました。全体的には、本TVシリーズに「邂逅」というサブタイトルがつけられているように、これから始まる劇場公開作品のための布石といった印象が強いです。以下、順を追って感想を書いていきます。

 

 まず、第1,2話。旧作でも第1,2話だった「アスターテ会戦」の話です。ここで各話で帝国側、同盟側と分けて描くことで、それぞれの主人公がどのような立ち位置にいるのか、をしっかりと印象付けました。概ね文句なしですが、ラップの最期はもう少し描いてほしかったな。

 

 次に第3,4話。ラインハルトとヤンの過去。これで彼らの基本的なスタンスの違い(ルドルフという過去を否定し、未来へ進むラインハルト、過去を見て、未来を志向するヤン)を示していました。また、帝国と同盟を相互に描くことで対比され、双方の腐った体制が明らかになっていくのも面白い。さらに、個々は旧作には無かった点かと思いますが、ヤンの過去話において、これからの展開につながるであろう伏線が巧みに張られています。ヤン・タイロンの台詞は後のラインハルトとヤンの会談のときのヤンの台詞に通じるし、ヤンがジェシカに語ったことはジェシカの後の行動につながっていきます。

 

 ただ、薄くなった箇所もあったのも事実で、例えばアムリッツァ会戦の前哨戦時の食料不足から同盟軍が略奪者となって住民と戦闘になってしまう過程が新作では省略され、旧作にあったおぞましさが薄れてしまった気がしますし、カストロプ動乱時のキルヒアイスの描写もあっさり気味で「名将」感が薄れてしまった気もします。

 

 そして第13艦隊誕生、イゼルローン攻略、カストロプ動乱と続き、アムリッツァ前哨戦で終了します。そして最終話付近ででこれまであまり出てこなかったラインハルト陣営、ヤン陣営が総登場し幕引きしたのはこれからの戦いの期待を高めるのに役立っていましたね。

 

 また、目を見張るのは、やはりCGを駆使した戦闘シーン。旧作から年月が経ち、技術の進歩を一番感じました。非常にダイナミックな戦闘が繰り広げられたので、なるほどこれは映画館で観たいかもと思わせられます。

 

 このように、ストーリーの構成も結構考えられているし、旧作とは違った楽しみ方もできるので、旧作至上主義な人でもなければ普通に楽しめると思います。私は楽しめました。

 

 旧作の感想です。

inosuken.hatenablog.com

 

 

過去の劇場公開作品の感想です。

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