暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

映画ファンにも観てほしい、個人的おすすめアニメ映画10選+α

・はじめに

  皆さんは、アニメはお好きでしょうか。このブログを読んでくださっている読者の皆様は既にご承知かと思いますが、私は大好きです。映画と同じく、アニメが無ければ日々の楽しみが減り、生きていく糧が無くなってしまうとすら思っています。しかし、映画もアニメも両方観ていると、ある違和感を覚えます。「アニメファンと映画ファンの隔たり」です。もちろん、両者の好みの対象は違います。なので、映画ファンがTVアニメを見ない、というのは分かります。しかし、アニメ映画もあまり観ないというのはどういうことなんだと思うのです。私自身もそこまで観られている方ではないのですが、アニメ映画の中には、実写の映画と比べても全く遜色のない出来の作品が多々あります。近年は『君の名は。』『聲の形』といった作品がアニメファン、映画ファン双方に多大な支持をされ、大ヒットを記録しました。

 

 ですが、それもその時限りで終了してしまった感があります。それを強く実感したのが『リズと青い鳥』の不入りです。私はFilmarksという映画アプリを使っているのですが、それを見る限りだと、あの作品を観ている人が結構少ないのです。しかも、その他でも話題にしているのはアニメ界隈のみで、映画界は『アベンジャーズ』の話ばかり。まぁ、『アベンジャーズ』は分かりますけど。もう少しぐらい話題になっても良いと思うんだけどなぁ。後、『夜明け告げるルーのうた』も不入りだったなぁ。

 

 で、これらのことはアニメファンにも言えると思っていて。アニメ映画として公開されても、ヒットを飛ばすのはサブカル的な意味でのアニメファン向けの作品で、所謂「映画」寄りな作品は小規模なヒットか、話題にもならずにひっそりと公開されるという状況があります。アニメだし、普通に面白いし、何で来ないのかなぁなんて思ったりもします。近年の『この世界の片隅に』くらいではないでしょうか。ただ、あれも騒がれたのは映画ファンの方面で、『君の名は。』とかと比べるとやや落ち着いてた気がしなくもないです。

 

 何か「はじめに」だけでやたら長くなってしまいました。とにかく、私がこの記事を書こうと思ったきっかけは、アニメ映画にも、映画ファンが観て面白い映画がたくさんあるよということを自分なりに伝えたいと思ったからなんですね。そのための10本を選ばせていただきました。ただ、選んだのは私の独断と偏見、かつ、有名な作品ばかりですので、「既に見たよ」という方も多いと思います。そうしましたらすみません。では、私的おすすめアニメ映画10選、発表です。なお、発表の順番は公開年代順とさせていただきます。

 

 

 

No.1【機動警察パトレイバー 劇場版】

 

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あらすじ

1999年夏。自衛隊の試作レイバーが突如無人のまま暴走するという事件が発生する。しかし、それは相次ぐ事件のほんの幕開けに過ぎなかった!
何者かが仕掛けたコンピュータウイルスによって、都内各所で作業用レイバーが次々と暴走。警視庁特車二課第2小隊のはみだしポリスたちは、姿なき犯人を追ってこのメガロポリスを駆け抜ける!

 

 記念すべき『機動警察パトレイバー』劇場版第1作。抽象的で難解な作品が多い押井守監督作品の中で、数少ない万人に開かれたエンタメ作品。「日常」だと思っていたレイバーの暴走事件から大きな陰謀が明らかになり、それを阻止すべく仲間と共に最後の決戦へと向かっていくストーリーが本当に素晴らしい。アクション、特車二課のチームプレイなど、全ての要素がバランスよく詰め込まれた長篇アニメ映画の傑作です。

 

No.2【機動警察パトレイバー2 the Movie】

 

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あらすじ

 2002年冬。横浜ベイブリッジに謎のミサイル投下…!
報道はそれが自衛隊機であることを告げるが、該当する機体は存在しなかった。これを機に続発する不穏な事件は警察と自衛隊の対立を招き、事態を重く見た政府は遂に実戦部隊を治安出動させる!! 東京に〈戦争〉を再現した恐るべきテロリストを追って、第2小隊最後の出撃が始まる!

 

 一大娯楽作品だった前作と比べ、押井守監督の色が前面に出た作品。特車二課の面々はあまり出ず、後藤隊長と南雲隊長がメインとなって活躍しますし、レイバー戦もほとんどありません。ですが、事件解明のために動く2人の姿を観ていくだけで楽しめます。終始続く、抑えた緊張感でグイグイ画面に引き付けられます。アクションは少ないものの、サスペンスとして超一級品な作品。

 

No.3【MEMORIES】

 

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あらすじ 

 『スチームボーイ』や『蟲師』などを手掛ける奇才・大友克洋監督が原作・総監督を務めたオムニバス集。シリアスなSF「彼女の想いで」、コメディタッチのパニックストーリー「最臭兵器」、全編ワンカットで制作された「大砲の街」の全3話を収録。

 

 上記のあらすじの通り、バラエティに富んだ3作が楽しめる作品。注目すべきはスタッフ。「彼女の想いで」は「千年女優」等の傑作で知られる今敏、「最臭兵器」は『DARKER THAN BLACK』等、アクション演出に定評のある岡村天斉、そして「大砲の街」は『この世界の片隅に』が一昨年大ヒットした片渕須直といったクリエイターが参加。故に一つ一つの完成度が半端ではなく高い。そんな作品が気楽に楽しめます。

 

No.4【アイアン・ジャイアント

 

 

あらすじ

 メイン州の小さな港町。
9歳の少年ホーガースは、森の中でとっても人なつっこい鋼鉄の巨人“アイアン・ジャイアント”を発見する。
自分が何者かも知らないアイアンは巨大な体を持て余した赤ん坊そのもの。たちまちホーガースはアイアンと友達になり、
ママに内緒で家の車庫にかくまうが、巨大ロボットを目撃したという噂が広まり、ついには政府のエージェントが派遣されてくる。
ホーガースは変わり者のディーンと協力して、アイアンを守ろうとうするが、彼はただのロボットではなく、
恐ろしい破壊力を秘めた戦闘兵器だったのだ-!

 

 8月に最新作『インクレディブル・ファミリー』が公開されるブラッド・バード監督が生み出した名作。粋なカットの連続で場面が繋がれ、ロボットと少年の交流を見事に描き切っている。「お前は銃なんかになるな、なりたい自分になれよ」。「あるべき自分(=兵器)」ではなく、「なりたい自分(=スーパーマン)」になることを決意したジャイアントのラストは涙なしには見られません。

 

 これは記事を書いたので、リンクを貼っておきます。

inosuken.hatenablog.com

 

No.5【デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!】

 

 

あらすじ

 デジタルワールドから子供達が帰ってきて数か月経った2000年の春休み。突如ネットに出現したデジタマから生まれた新種デジモンは、ネットに繋がるコンピュータのデータを食い荒らし、様々な機関を暴走させながら急速に進化。
世界を混乱に陥らせる謎の新種デジモンを止めるため、事態に気づいた太一、光子郎の二人は選ばれし子供達を集め、再び戦いへと乗り出すことになる。 

 

 今や(興行的な意味で)宮崎駿の後継者筆頭候補の1人となった細田守監督。彼の代表的な作品。40分という短いストーリーでありながら、テンポよく進み、且つメリハリのあるストーリー、キレのいいアクション、オメガモンのカッコよさ、等の要素が詰まった濃密なアニメ映画。『サマーウォーズ』と類似点が多々あるため、好きな人にもおすすめ。

 

No.6【映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲】

 

 

あらすじ

ある日、春日部で突然「20世紀博」というテーマパークが開催された。
昔のテレビ番組や映画、暮らしなどを再現し、懐かしい世界にひたれる遊園地に大人たちは大喜び。でも、しんのすけをはじめとする子供たちには、ちっとも面白くない。毎日のように夢中になって遊びに行く大人たち…。
そのうちにひろしは会社に行かなくなり、みさえは家事をやめ、しんのすけがひまわりの面倒をみる始末。実はこれは、“ケンちゃんチャコちゃん”をリーダーとするグループの、大人だけの楽しい世界を作って時間を止めてしまう、恐るべき“オトナ”帝国化計画だった!

 

 ここで紹介するのも恥ずかしいくらいの歴史的大傑作。「過去」を生き、そしてこれから「未来」へ向かう全ての人に捧げられた作品です。90分という短い尺ながら、1本の映画としても、クレしん映画としても素晴らしいというこの完成度。とにかく観てくれ。『戦国大合戦』も併せてどうぞ。

 

No.7【東京ゴッドファーザーズ

 

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あらすじ

ギンちゃん、ハナちゃん、ミユキ---東京で暮らすホームレス3人組の前に、意外なクリスマスプレゼントがやってきた。ゴミの山から生まれたばかりの赤ちゃんを発見したのだ。勝手に”清子”と命名し、ゴッドファーザー(名づけ親)となった3人組は、雪降る街を、親を探してさまよい歩く。ウラ東京で、人生を生き抜くホームレスたちが、急転する「運命」の中で出会う〈奇跡〉とは。

 

 天才、今敏監督が生み出した、傑作人情コメディ。非常にウェルメイドで、随所でクスッと笑えるところがある。ラスト付近のカーチェイスからなだれ込むクライマックスが最高。巡り巡って起きた奇跡を「クリスマス」という時期によって問答無用に納得させる設定など、非常に秀逸。あらためて、今敏の死去が残念でなりません。

No.8【マインド・ゲーム

 

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あらすじ

初恋の幼なじみ、みょんちゃんに再会した西。彼女が姉のヤンと営んでいる焼き鳥屋に招待されたまではよかったが、
借金の取り立てにきたヤクザにあっけなく殺されてしまう。
しかし、将来に未練たっぷりの西は、神様に逆らって再び現世に舞い戻る。
とことんやると神様に誓った西は、ヤクザに追われて危機一髪のところで、今度はクジラに呑み込まれてしまう。
そこで出会ったじーさんはなんと、クジラの中で30年以上も暮らしていたのだった。

 

 湯浅政明第1回監督作。とにかくエネルギーに満ち溢れた作品。湯浅監督特有の「アニメーションの自由さ、爆発」が存分に楽しめる。でも、観終わった後は、世界をより肯定的に観られる、至極真っ当に前向きな映画です。

 

過去記事を貼っておきますね

 

inosuken.hatenablog.com

No.9【LEGOⓇムービー】

 

 

 あらすじ

  エメットは、どこにでもいるフツーの青年。なのに、なぜか伝説のヒーローに間違われ、レゴ(R)ワールドを支配するおしごと大王から、世界を救わなければならないハメに。でも、本人はヒーローの覚悟なんてゼロ。世界の終わりまであと3日…。家族みんなで楽しめるアドベンチャームービー。 

 

 「LEGOだから子供向けなんでしょ」そう思っている方にこそ観ていただきたい。これは大人が観てもワクワクし、笑い、最後には感動できる傑作です。しかもその「感動」がきちんとレゴに根差しているものなのが本当に素晴らしい。「住人A」が「ヒーロー」になる瞬間は何度見ても泣きます。

 

No.10【KUBO/クボ 二本の弦の秘密】

 

 

あらすじ 

 三味線の音色で折り紙に命を与え、意のままに操るという、不思議な力を持つ少年・クボ。
幼い頃、闇の魔力を持つ祖父にねらわれ、クボを助けようとした父親は命を落とした。
その時片目を奪われたクボは、最果ての地まで逃れ母と暮らしていたが、更なる闇の刺客によって母さえも失くしてしまう。
父母の仇を討つ旅に出たクボは、道中出会った面倒見の良いサルと、ノリは軽いが弓の名手のクワガタという仲間を得る。
やがて、自身が執拗に狙われる理由が、最愛の母がかつて犯した悲しい罪にあることを知り―。
かつて母と父に何があったのか?三味線に隠された秘密とは?祖父である<月の帝>と相対したとき、全ては明らかとなる― 

 

 スタジオライカが制作したストップ・モーションアニメ。日本を舞台にした作品で、展開が昔話的な冒険活劇であったり、折り紙が重要な要素となっているなど、見逃せない設定ばかり。肝心のストップ・モーションもCGと見間違えるくらいのクオリティ。そして最後には、家族の「物語」になる感動作です。

 

過去記事張っておきますね。

inosuken.hatenablog.com

 

 

番外【リズと青い鳥

 

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あらすじ

宇治高等学校吹奏楽部でオーボエを担当する鎧塚みぞれと、フルートを担当する傘木希美は、ともに3年生となり、最後となるコンクールを控えていた。コンクールの自由曲に選ばれた「リズと青い鳥」にはオーボエとフルートが掛け合うソロパートがあったが、親友同士の2人の掛け合いはなぜかうまくかみ合わず……。

 

 これは今年(2018年)の作品ですが、例外的に入れました。『聲の形』『たまこラブストーリー』『映画 けいおん!』の山田尚子監督が生み出した超ド級の傑作。希美とみぞれの2人の少女の心の機微を濃密に描いた作品です。「2人の人間の心の機微を描いた作品」としては間違いなく頭2つは抜けてます。

 

私の感想はこんな感じ。

 

inosuken.hatenablog.com

 

 

 以上です。アニメ映画を観るときに参考になれば幸いです。