暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

2020年冬アニメ感想②【恋する小惑星】

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☆☆☆☆(星4.2)

 

 まんがタイムきららキャットで連載中の4コマ漫画のアニメ化作品。原作はQuro先生。原作は未読ですが、毎クール恒例の動画工房×きらら原作枠の作品ということで、視聴しました。視聴前は同じくまんがタイムきららキャットで連載中の「アニマエール!」のような作品だと思っていました。つまり、主人公には一応の夢や目標はあるけれども、劇中で描かれるのは女の子たちの百合的な掛け合いがメインで、本筋の競技は一応やるけれど、描写はややあっさり目、みたいなものです。それはそれで良く、むしろそういう作品を期待して見たのですけど、本作は各キャラクター達の「夢」とか「未来」といったものに対してかなり真摯に描いている作品で、良い意味で予想を裏切られました。

 

 本作のタイトルである「小惑星」とは、最終話でも語られていた通り、みらとあおの2人、そして、登場する各キャラクターのことを指しています。つまり、この世界にはたくさんの人間がいて、それぞれが輝きを持っている。そして、自分たちができる範囲で行動し、その結果としてそういう人達と交流し、繋がっていくことで宇宙のようにみらとあおの世界が広がっていく、ということです。そのための地学部ですし、各キャラとの交流があるのだと思います。

 

 

 本作ではキャラクターの悩みや葛藤、将来への不安の解決を、他者の協力によって成し遂げるということを描いていると思いました。例えば、上級生であるモンローと桜はそれぞれ「目標がある人」と「目標がない人」であり、各々が別の悩みを抱えていました。しかし、そのような悩みに対して答えを与えてくれたり、一緒に考えてくれたりした人は、いつも地学部や、顧問などの「他者」でした。また、2人から部長を引き継いだイノも自信がないながらも下級生であるみらとあおの2人の助けを借りてイベントを成功させ、自信をつけます。そしてみらとあおは星空チャレンジのイベントで知り合った人と交流し、また知見を広めます。キャラクターの周囲は時を追うごとに変化していって、それを高校生である彼女たちは受け入れ、吸収し、お互いを助け合って成長していくという様をきちんと描いています。そしてそれを否定せず、サポートする大人たちという構図は、確かにファンタジー的ではありますが、あるべき姿だと思います。こういう点は「NEW GAME!」でもやっていましたね。

 

 これは実人生にも同じことが言えると思います。人と交流し、知識を得て、世界を広げていく。そうすれば自分のできることはどんどん広がっていく。現実ではそこで嫌な思いをすることもあるのでそこはファンタジー空間だと思いますけど、でも、そうやって人間は成長するものであるのは事実です。本作はそれをきちんと描いているのです。そしてそれは個人個人であることで、1人1人が「小惑星」なのです。期待値をかなり上回った良作でした。後、OPとEDも最高でした。

 

 

きらら作品。こっちも成長でした。

inosuken.hatenablog.com

 

 見る前はこんな作品だと思ってました。

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 こっちはスポ根。

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