皆様。こんばんは。いーちゃんです。2019年が終わり、2020年が始まりました。昨年も色々とありましたが、たくさん映画を鑑賞することができました。昨年鑑賞した映画は劇場、配信を入れて新作のみで103本。今回はこの中から特によかった作品、つまりベスト作品を発表いたします。本当は去年みたく年始に発表できればよかったのですけど、昨年は大晦日まで新作を鑑賞していたのと、資格取得の勉強の関係でどうにもブログが後回しになってしまい、ここまで発表が遅くなってしまいました。
今年も昨年と同じく、ベスト作品は30本を発表したいと思います。昨年は10本ずつ、3つの記事に分けて発表しましたが、今年は1つの記事にまとめて発表したいと思います。昨年、非常に煩わしいなと感じたので。読んでくださった皆様には煩わしい思いをさせて申し訳ありませんでした。そして今年はベスト以外に、ワースト作品があります。昨年も「相対的なワースト」はあったのですけど、別に「ワースト」っていうほどの作品でもなかったので載せませんでしたが、今年は非常に失望した作品が2つあったので、発表することにしました。
記事の形式としては、ベスト30の中から20本を発表し、その後にベスト10を発表したいと思います。後日、全作品ランキングもアップしたいと思っています。では、行ってみよう!
30位『ファースト・マン』
デイミアン・チャゼルの新作が30位です。『ラ・ラ・ランド』は乗れなかった私ですが、本作は他の人が脚本というわけかチャゼルの色が薄く、それでも彼の作家性を感じさせるもので、そのブレなさに感嘆しました。
29位『失くした体』
「手」が主人公という、水木しげる先生のようなアニメーション作品。クールなタッチで喪失と再生を描いている点に痺れました。感想はなるべく早くアップします。
28位『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 永遠と自動手記人形』
京アニの最新作が28位にランクイン。作品の根幹のテーマを別の語り口から語り直した、「外伝」と呼ぶにふさわしい感動作。
27位『きみと、波にのれたら』
湯浅政明の新作が27位にランクイン。湯浅政明らしくない直球のラブコメですが、これまでの彼の変遷を考えれば納得の作品です。
26位『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』
MCUフェイズ4最終作が26位。『エンドゲーム』の後に挿入することで、膨らみきった世界観を元に戻した素晴らしい作品。MCUのシリーズ構成力はさすがです。
25位『ジョン・ウィック パラベラム』
『ジョン・ウィック』シリーズ3作目。前作から話が1歩も進んでいませんが、アクションはかなりバリエーションが増え、楽しませてもらいました。
24位『バイス』
アメリカ式政治風刺ブラックコメディ、24位。ハチャメチャな構成ながらも、ブッシュ時代の闇を堂々と抉り出した手腕は見事。
23位『海獣の子供』
五十嵐大介先生の画を完全再現し、抽象的なSFである原作をジュブナイルとして描いた手腕に感服。そして美麗なアニメーションの洪水にただただ眼福な映画でした。
22位『よこがお』
深田晃司監督の最新作、22位にランクイン。映像表現が研ぎ澄まされている作品で、筒井真理子さんの力を存分に観られる作品でした。ただ、後味は相変わらず悪い。
21位『存在のない子供たち』
レバノンで起こっている悲劇を克明に描き出した傑作が21位に。ただ、これが対岸の火事とも言えないのが恐ろしい点。
20位『運び屋』
イーストウッドの、自分自身への落とし前をつけた映画が20位。さりげなくこのような映画を作れるイーストウッドは、やっぱり凄い。
19位『エイス・グレード 最高にクールな私へ』
SNS地獄の中で輝こうともがいている女の子の映画が19位。とにかくケイラの「イケてない」感じが最高でした。
18位『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』
フランス映画の傑作、18位。往年の冒険活劇を彷彿とさせる映画で、観ている間、最高にワクワクしました。
17位『凪待ち』
白石和彌監督、香取慎吾主演の作品が17位。ダメ人間の再生を復興にのせて描いた作品でした。
16位『バーニング 劇場版』
イ・チャンドン監督作が16位。初めてのイ・チャンドン。世界そのものが曖昧ながら、貧困、格差問題を描いた作品。ラストも含めて好きです。
15位『トイ・ストーリー4』
シリーズ最大の問題作、15位にランクイン。未だに自分の中で結論が出ませんが、シリーズを通してでは必要な作品だったと思います。
14位『アクアマン』
『バーフバリ』と並ぶ、「王」の誕生作、14位。エンターテイメントとして完璧な1本だったと思います。なのでこの順位。
13位『羅小黒戦記』
中国製アニメーションの傑作、13位。日本アニメのルールに則って作られており、アクションシーンは快楽の連続。
12位『天気の子』
2019年No.1ヒット作、12位。本作で新海誠は興行的な意味でネクスト・宮崎となりました。しかし、新海誠監督の素晴らしい点は、自分の色を失わず、時代に即したテーマを描いた点だと思っています。
11位『宮本から君へ』
新井英樹先生原作の、真っ直ぐすぎる男、宮本の物語、11位。「自分に嘘をつかない生き方をする」これは『ロッキー』にも通じることだと思います。
30位~11位を振り返って
さて、ここまでランキングを発表してきました。ここまでのランキングは言うなれば「ベスト10には入れなかったけど、ベストとして紹介したい」という作品たちです。このブログを読んでくださっている方で、最も驚くであろう作品は、『トイ・ストーリー4』だと思います。あれだけ「混乱している」とか書いておいて15位(『バーニング 劇場版』より上!)ですからね。やっぱり、シリーズを追ってきた身としてはウッディの門出は祝ってやりたいですから。
そして何よりも、アニメ映画の豊作ぶりです。ここまでで8作品ランクインしています。しかも日本のアニメ映画や、ディズニー、ピクサー作品だけではなく、多種多様な国の作品が公開されたことも特徴かなと思います。そしてそのどれもが素晴らしい。「アニメは日本だけではない」ことを突きつけられた気分でした。日本のアニメ映画は『天気の子』と『プロメア』以外は興行的に上手くいっていないらしく、悲しい限りです。もっと観られても良いと思うんだよなぁ。
後はやはり邦画の底力ですね。興行的には当たらなかったのですけど、質的には素晴らしい作品が多かったと思います。しかもそう言った作品がインディーズでも出てきている。まだまだ課題はあると思いますけど、日本映画の未来が少しだけ明るく感じられました。
さて、長々と書いてしまいました。遂にベスト10の発表です!
10位『蜜蜂と遠雷』
石川慶監督の最新作が10位にランクイン。あの原作を「映画」にした見事な手腕に感動しました。しかも音楽や俳優、セットなどの気合の入りようが凄まじく、このような作品が東宝という大手が配給したという事実も良いなと思いました。
9位『家族を想うとき』
ケン・ローチ監督の怒りの最新作、9位。生きるための労働が、労働者から魂と尊厳を奪い取っている過酷な現実を克明に、しかし軽いタッチで描き出した傑作です。全世界の人間が観るべきだと思います。
8位『ブラック・クランズマン』
スパイク・リー最新作が8位にランクイン。映画が生み出した現実の歪みを、映画の力を以て正す。その精神に感動しました。潜入捜査ものとしても素晴らしかったです。
7位『アベンジャーズ/エンドゲーム』
MCU最新作にして、11年の集大成、7位。これは絶対に入れようと思っていました。1つの「終わり」をここまで綺麗にやってのけた作品は中々ありません。『スター・ウォーズ』の惨劇を見れば、これがどれほど偉大なことかが分かります。
6位『プロメア』
『キルラキル』『天元突破グレンラガン』のスタッフが結集して作り上げた完全燃焼アニメーション。2時間の中で上記2作品の内容をやってしまうという怒涛の展開が続く作品。その超展開が心地よく、中毒性がある作品で、いつの間にかハマっていました。
5位『マリッジストーリー』
キャスト、美術、撮影、全てが素晴らしかった。離婚の話なんだけど、『マリッジストーリー』なのが本当に素晴らしかったです。愛はルールに縛られるものではないのです。なるべく早くアップします。
4位『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
タランティーノ監督第9作、4位にランクイン。ハリウッドの悲劇を塗り替え、さらにハリウッドに生きた映画人全てを「生きた」存在にした作品。タランティーノ作品として総決算的な意味合いを持つ作品でもありました。
3位『アイリッシュマン』
マーティン・スコセッシ監督の最新作にして、ギャング映画の総決算、3位。複雑な構成を持ちながらも見やすい編集と、濃密な画面設計、そして全盛期を過ぎた人間達の落日の物語。この時代にこの作品が観られたことに感謝したいです。
2位『ジョーカー』
2019年を席巻したDC映画、第2位。観た人間を「悪」に共感させるという、本当にジョーカーの企みのような映画でした。個人的な経験上、とても共感できる内容でした。
1位『スパイダーマン:スパイダーバース』
全てにおいて画期的なアニメーション、第1位。その豊穣というか圧倒的な情報量の前にただただ圧倒された作品でしたが、私が感動したのがその内容。「勇気さえあれば、誰でもヒーローになれる」という『スパイダーマン』として、そしてその中にある石ノ森章太郎イズムが最高でした。『ジョーカー』と対になる内容なので1位にしました。
ベスト10総括
ベスト10を並べてみたら、アメリカ映画ばっかになりました。アメリカ映画以外は邦画が2本、イギリス映画が1本だけ。しかも邦画は実写とアニメが1作品ずつ。これは邦画が弱かったというより、アメリカ映画が強すぎた感があります。個人的には凄まじい作品ばかりでした。中でもトップ3は特に素晴らしく、個人的にはどれも1位で良いです。1位と2位の差はせめて前向きな気持ちでいたいという個人的な感情です。
ワースト作品
何と、今年はワースト作品があります。基本的に観る映画は選んでいるし、「ワースト」というほどダメだなと感じる作品はあまりないのですが、今年は2本失望した作品がありました。では、発表します。
ワースト2は、『スター・ウォーズ』の完結篇。『フォースの覚醒』で見せた、「新たな世代の物語を見せる」という志はだいぶ低くなり、ただ「終わらせる」ことだけに終始した作品。その志の低さに失望させられました。
ワースト1『バースデー・ワンダーランド』
ワースト1は、原恵一監督最新作。こちらは純粋に詰まらない。描かれていることも「何じゃそりゃ」って感じですし、「原恵一がこんなものを作るのか」と愕然とし、その点に失望させられました。
以上、ベスト30&ワースト作品でした。全作品ランキングも後日アップしたいと思います。今年も、良い映画と会えることを願います。