77点
M・ナイト・シャマラン監督の永遠の代表作。そして私の2019年初の映画。ラストの大どんでん返しは今でも語り草となっています。ただ、私はそのラストは知っていました。これは同じ被害者を出さないために書いておきたいのですが、もしまだ『シックス・センス』を観てなくて、『ジョジョの奇妙な冒険』を読んでいる方。第6部「ストーン・オーシャン」11巻をと読む前に本作を観てください。11巻には本作のラストのネタバレが書いてあります。私はこれでどんでん返しを知ってしまいました。
ジョジョの奇妙な冒険 第6部 モノクロ版 11 (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 荒木飛呂彦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/09/14
- メディア: Kindle版
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ただ、ネタバレを知っていたことで、また違った楽しみ方ができたのも事実。本作には、ラストの仕掛けに気付かせないための工夫がそこかしこにありました。例えば、モノの動かし方とか、会話の工夫とかですね。中には認識的な設定でズルいと思うところもあったのですが、それでもラストのための工夫の仕方は観ていて感心していました。
そして本作はどんでん返しだけの映画でもないのです。本作には、のちのシャマラン映画にも通じる「心に傷を抱えた者が自身にしかできない使命に目覚め、それと向き合うことでトラウマを乗り越える」というストーリーがあります。そしてどんでん返しもその内容と密接に関係していて、ただのドッキリに終わってないからこそあそこまで感動できるのだと思います。
こういった内容以外にも、演出的にも良いと思えるシーンが多々ありました。例えば、冒頭の不穏かつ緊張感ある演出とか、幽霊が出てくるときの不意のつき方など、こちらの恐怖を煽る演出がされていて、とても面白い。
本作について不満があるとすれば、「長い」ということ。何というか、本作は起承転結のうちの「承」が長すぎるのです。少年と医師の交流に尺をかけすぎていて、ようやく物語が動き出したときには残り30分くらいしかなく、それ故に劇中では少ししか「使命」を果たしていないため、若干の消化不良感があります。つまり映画全体の構成がアンバランスな気がするのです。
ただ、それでも楽しめたことは事実。繰り返し書いておきたいのは、「ジョジョの奇妙な冒険 第6部」11巻を読む前に本作を観てくださいということです。