暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

まっすぐな思いが、人々をつなぐ【バジュランギおじさんと、小さな迷子】感想

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75点

 

 観たのは2月の始め。それなのに何故感想を書くのがこんなに遅くなってしまったのかというと、あまり言葉が出てこなかったから。これは感動したというよりも、本作があまりにも「いい話」であり、「良かったね」以外の感想がなかなか出てこなかったのです。そのため、感想をまとめるのが延び延びになり、今に至る、というわけです。しかし、いつまでも先延ばしにするわけにはいかないので、感想を書きますよ。

 

 本作の存在を知ったのは、wowowぷらすとで紹介されていたから。パキスタンに住む少女、シャヒーダーが、インドで母親とはぐれ、インドに住むパワンと出会うところから物語は始まります。ここからシャヒーダーをパキスタンに帰すロード・ムービーとなっていきます。

 

 本作はこのようにロード・ムービーの形式をとっていますが、そこに内包されているテーマは、インドとパキスタンの分断の歴史です。その分断を乗り越え、分かり合うことを、本作は主演2人に託しています。

 

 1人はパワン。ハヌマーンの熱心な信者であり、真っ直ぐな男です。演じるのは監督でもあるカビール・カーン。この男、一応「一般人」のはずなのですが、醸し出している雰囲気は完全にスターのそれ。いきなりスローモーションを使っためちゃくちゃケレン味のある演出で登場し、周囲の人間とダンスを披露、シャヒーダーと心を通わした後は、彼女を付け狙う奴ら相手に大立ち回りを繰り広げます。その姿はもはや「王」のそれ。バーフバリ!

 

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 一方、パキスタン側はまだ子供のシャヒーダー。この娘は幼いだけではなく、言葉を話せないという、庇護欲を掻き立てる要素の塊みたいな娘で、それはそれでズルいなぁと思うのですが、まぁ仕方ない。ただ、この「子供」ということは結構重要で、そこには「子供だからこそしがらみ抜きで付き合える」という点もあります。

 

 パワンは、純粋で真っ直ぐな男です。そんな男の行動が、ネットを通じて人々を動かし、国境を突破するラストはとても感動的です。しかも、しっかりと国境の間でパワンとシャヒーダーの2人が抱き合って終わるという、非常に綺麗な終わり方をします。

 

 本作は、パワンが持っているような「願い」をそのまま体現したような、非常に真っ直ぐで、純粋な映画だと思いました。

 

 

 同じくインドで記録的ヒットを記録した作品。

inosuken.hatenablog.com

 

 融和という点で似ているかと。

inosuken.hatenablog.com