暇人の感想日記

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2人のハゲが、世界を救う【ワイルド・スピード/スーパーコンボ】感想

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80点

 

 私はそもそも、『ワイルドスピード』シリーズには何の思い入れもありませんでした。なので当然、これまで過去作を観ることはありませんでした。そんな私が、何故ファンが楽しむことを前提としたスピン・オフを観る気になったのか。それは本作の監督にあります。デヴィット・リーチ。盟友・チャド・スタエルスキと共に87イレヴンというアクション・コーディネートのスタジオを設立し、あの『ジョン・ウィック』シリーズや、『デッドプール2』、そして女性アクションの革命的作品『アトミック・ブロンド』を制作した男なのです。そんなアクションの名手が今をときめくアクション・スター、ドウェイン・ジョンソンジェイソン・ステイサムを主演にして映画を撮る。これを聞いたら俄然観たくなってきたので、予習として2人が出てくる『ワイルドスピード SKY MISSION』だけ観て鑑賞してきました。

 

 

 鑑賞してみると、ホブス(ドウェイン・ジョンソン)とショウ(ジェイソン・ステイサム)のハゲ2人がひたすらいがみ合いという名のイチャコラを延々繰り返しながら並み居る敵をバッタバッタとなぎ倒していく、頭を一切使わないバカアクション映画でした。

 

 まず本作、やはりアクションが素晴らしい。2人のアクションの違いがしっかり描かれています。ホブスは相手を殴る、投げる、タックルするという体を使ったザ・ロックな戦い方を見せてくれます。対してショウは手数で勝負。身の回りにあるものを何でも武器に使うというジェイソン・ボーン戦法を見せてくれます。最初のボトルを使ったアクションは白眉。また、本作初登場のショウの妹、ハッティのアクションも素晴らしかった。基本的には『アトミック・ブロンド』のシャーリーズ・セロンで、身の回りの物を使いまくって他の男どもと互角の戦いを繰り広げています。

 

 本作は一応、バディ・ムービーなのかなと思うのですが、この2人、最初から最後までとにかくいがみ合っている、というか、もう何か、一周回って本当に仲が良いとしか思えない。それは映画の中でも意図的にやられている気がして、冒頭に出ています。画面を2分割して、2人の朝を映すというアレです。ここでもう、番い感が凄い。しかも2人は正反対であるとかも描いているし。そんな2人なのでアクション中もずっといがみ合っていて、それが子どもレベルなので、ギャグでしかない。

 


映画『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』海外版予告編

 

 そんな最強のハゲ2人と対峙するのはイドリス・エルバ演じるブリグストン。素のままでは勝負にならないと思ったのか、サイボーグ化してチート能力をつけて力を盛りまくっています。本作はそんな最先端テクノロジーを駆使した敵に対し、最後はサモアの住人と共に原始的な戦法のみで戦いを挑みます。ちなみにその御膳立ても適当。敵のスーツの性能も結構適当。

 

 しかし、一応それが本作におけるテーマっぽい点に繋がっていはいるのです。要するに本作のテーマとは、「人間の力を信じる」ことです。敵の選民思想や、それに基づく最先端テクノロジーを、己の肉体(=人間の力)のみで打ち破るという「少年マンガか!」と言いたくなるような展開を以て、それを描いているのです。後、ヴィン・ディーゼルが関わってないのにやっぱり家族の物語になっているあたりはさすがだなと。

 

 このように、本作は期待していた通りのバカアクション映画でした。しかし、アクションはやはり見るべき点が多く、その大味感も期待通りでした。

 

 

同じくデヴィッド・リーチ監督作。こっちのシャーリーズ・セロンは神がかっていた。

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 盟友・チャド・スタエルスキ監督作。『パラベラム』も楽しみ。

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