暇人の感想日記

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ぶつかる正義【レイジング・ファイア】感想

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73点

 

 「香港のマイケル・ベイ」に異名?を持つ、ベニー・チャンの遺作。全ての悪を憎むボン刑事を、ドニー・イェンが熱演。彼の元弟子だが、道を違ったンゴウをニコラス・ツェーが演じます。最初はそこまで興味が無かったのですが、映画秘宝で加藤よしきさんが「人生は苦難の連続だが、『レイジングファイア』を観れば何とかなります」と言っていたので、俄然興味が湧き、鑑賞した次第です。

 

 熱血刑事ボンは、長らく追ってきた極悪犯罪者ウォンの薬物取引に踏み込む日がやってきた。ボンは直前になって外されてしまうが、取引現場に何者かが乱入。ボンの盟友を死に至らしめ、ブツを横取りされてしまう。復讐の怒りに燃えるボンだったが、やがて捜査線上に驚くべき人物が浮上する。ボンの元弟子的存在であり、元エリート警官だったンゴウ。ボンとンゴウ、2人の男の正義が、今、激突する。

 

 本作はとにかく「大仰な」映画で、BGMや演出で映画内の感情を盛りまくります。悲しいシーンでは悲しげなBGMが大音量で流れ、皆が奮起する「あがる」シーンには熱血BGMがかかります。この大袈裟な、言ってしまえば過剰な演出に乗れるかどうかが重要で、私は乗れませんでした。

 

 話はシンプルで、あらゆる悪を憎むボン刑事が、自身のダークサイドとも言えるンゴウと対峙し、正義を貫く話です。ドニー・イェンがこの熱血刑事を文字通り熱演していて素晴らしいし、対するニコラス・ツェーも、エリートさと悪に堕ちた感じが大変素晴らしかった。

 

 見どころは何と言ってもアクション。中盤の建物の中や屋根を縦横無尽に駆け回るアクションなど、アクションになると途端にスピードが上がり、フィジカル・アクションが観られます。そして何と言っても、終盤の『ヒート』にインスパイアされたと思しき市街のガンアクションと、そこから教会になだれ込んでの2人のフィジカル・アクションが最高で、あそこだけでも素晴らしかったです。まぁ、ガンアクションは、どちらも同じような服装をしているから、どっちがどっちか分からない、という問題はありますが。

 

ドニー・イェン主演作。

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