暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

Youtubeオリジナルアニメ【薄明の翼】感想

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☆☆☆☆(4.4/5)
 
 
 Youtubeにて2020年1月15日から1月に1話、全7話構成で配信されたアニメーション作品。監督は「NARUTOーナルトー疾風伝」、最近では「呪術廻戦」のOPでお馴染みの山下清吾さん。制作はこれまでアニポケ全てに関わってきたOLMではなく『ペンギンハイウェイ』などのスタジオコロリドになります。
 
 本作はTVで放映されているアニポケとは違い、より現実の世界に即した世界が舞台となっています。そして1エピソードごとに違うキャラクターにスポットを当て、彼ら彼女らの悩みや葛藤、夢へ向かう姿が描かれます。アニメーションが非常に繊細な演出をしているため、各々のドラマが非常に等身大といいますか、リアルに感じられる作品です。
 
 まず本作は、世界観が素晴らしい。上述の通り、「ポケモンがいる世界」を徹底して作り上げており、美しい背景やプロップのおかげで、画面の密度が毎回物凄い。この世界にポケモンがいるという説得力があります。そして本作は世界配信を見越してということで、各キャラクターのデザインも、フィクションの中のデザインを現実の人種に可能な限り寄せている感じでデザインしているなと思っていて、そこも凄く良いなと思いました。つまり本作の世界では、「多様な人種やポケモンが一緒に暮らしている」というリアリティがあるのです。

 

ポケットモンスター ソード -Switch

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  • 発売日: 2019/11/15
  • メディア: Video Game
 

 

 こんな世界で描かれるのは、各キャラクターの等身大のドラマ。1エピソードごとに1キャラクターにスポットが当たり、バトンのようにドラマがつながっていきます。ジムリーダーの精神的成長やモデルとジムリーダーの両立の葛藤、ポケモントレーナーに憧れる少年たちの友情など、多岐にわたります。1話1話が破格のクオリティで、毎回絶妙なレイアウトで、非常に豊かな表現で描かれており、キャラたちの感情の流れが気持ちよいリズムで感じられます。それはさながらPVのようで、山下監督のキャリアが反映された結果なのかなと思います。このため、6分とはいえ、毎回かなり濃密な時間を体験できます。これだけでも素晴らしい。
 
 また、本作で特に素晴らしいと感じるのは、様々な立場のドラマを展開しつつも、最終的には「子どもに向けた話」になっていること。エピソード7「空」です。主人公はエピソード1「手紙」の少年ジョンと、チャンピオンのダンテ。ジョンがダンテと共にポケモンバトルの会場に行くという話です。感動したのが終盤、ジョンがダンテの試合を間近で見ているシーン。視点がジョンのものになり、ダンテの台詞が、視聴者に向けられたものになるのです。そこでダンテは「見てるだけで夢はかなったのか?ポケモントレーナーになりたいんだろ」と言います。それは、視聴している子どもや、何なら我々のような人間に向けられた言葉で、私はここにグッと来てしまいました。そしてこれによって、全てのエピソードがつながった感があります。そしてその後の大迫力のバトルも素晴らしい。
 
 以上のように、本作はポケモンと言う題材を限りなくリアルに、繊細に描いたアニメーション作品で、「ポケモンのアニメ化」の新しい形であり、傑作だと思います。
 

 

ポケモン映画。何とハリウッド。

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 コロリド作品。

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