暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

【電子書籍に手を出したという話】

 電子書籍に手を出した。本と言えば紙こそが至高であり、電子書籍は本屋を潰す脅威であると考えていた紙至上主義者であった俺が何故電子に手を出したのか。それはとても簡単である。漫画の買い過ぎである。現在進行形で20作品くらい集めていて、しかも過去に買って取っておいている漫画もある。だから本棚がパンクした。ドラえもんみたいに四次元ポケットの中に収納できたりすればいいんだろうけど俺が生きているのはあいにく三次元なので限界が来たのだ。これまではBOOKOFFに売るなりして騙し騙しやってきたのだが、もうごまかせない。まだ欲しい本あるし。そして俺の手元には政府から支給された10万円がある・・・。と、いうことで俺は自身の信条を捻じ曲げ、2020年の8月にiPadを購入。電子に手を出したのである。
 
 iPadは10.2インチを買った。値段と大きさ的にiPad miniとKindleと悩んだのだけど、敢えて10.2インチを買った。選択理由はいくつかあるが、大きいのは漫画の見開きである。漫画には2ページにわたって見開きが存在するわけで、開いたときのインパクトはとても重要である。miniやKindleのように1ページでしか表示できないのでは見開きのインパクトが無くなるし、たとえ横にしても結局は文庫本レベルの大きさしかないので迫力は半減。10.2インチならばジャンプコミックスくらいの大きさはあるため、問題なくカバーできる。しかもそこそこ画面が大きいのでネットフリックスやアマゾンプライムも楽しめるし、何より安い。一石三鳥だと思ったのだ。
 
 早速買って設定を完了させ、ジャンプ+をインストール。中にあった漫画を読んでみた。なるほど思っていたより読みやすい。アマゾンでKindleから漫画を買って読んでみた。サクサクページ移動ができて読みやすい。しかも1クリックで全巻大人買いもできる。少々重いのが問題点ではあるが、ジャンプコミックスの見開きくらいの大きさが担保されているので文句は言えない。おかげで「ベルセルク」を初めてしっかりと全部読めたし(マンガPark&電子書籍)、ジャンプ+にて「ドラゴンボール」も読み返せた。もちろん電子書籍を買っても部屋の中のスペースはとらない。なるほど、これは大変良いものだ。しかもPCと違って気軽に起動できるので動画も観やすい。ハッキリ言って、非常に便利である。俺は現在、毎日iPadを開き、漫画を読み、動画を見ている状態である。完全にiPad人間になってしまった。
 
 しかし、iPad人間になったからこそ分かることもある。紙の良さにも気づけたのだ。まず、電子だと所有欲が全く満たせないという問題がある。「本を買う」という行為は①書店に行き、②買う本を選定し、③レジに持っていき、④落ち着いた場所でビニールを取り、⑤読む。という行為全般によって初めて完成される。読むまでが買う行為なのだ。しかし、電子書籍というのは前述のとおり1クリックで①~④の行為が消え、すぐ⑤である。何と味気ないのか。しかも、部屋に買った本が積み上がっていかない。故に、「買った」という欲を満たせないのである。「スペースがなくなりつつあるから電子に手を出した」とか言っといて自分でも大分めんどくせえなと思うが、だって思ってしまったんだもの。仕方ないじゃん。
 
 また、読み返しやすいというのも紙のメリットだった。電子は戻りたいページにすぐに戻ることができない。紙ならば感覚でペラペラめくれば戻れるけど、電子にはその感覚が無いのだ。だから電子で特定のページに戻ろうとすると、栞を挟んだりしてない限り、連続でタップする必要があってこれが中々に面倒。後は「終わり」が見えないことも問題の1つ。紙だと厚みで残りのページが分かるけど、電子だと数字でしか表示されないので感覚で分かり辛い。そう、とにかく電子は「感覚」の面が弱小すぎるのである。そりゃ電子なんだからそうかと言われればそうなんだけど。
 
 何か電子書籍の話というよりかはiPadの感想になっちまった。電子と紙。相反する2つだけれど、使ってみて便利不便があるものだと実感した。やはり紙も捨てがたいのだが、それだと俺がiPadを買った第一目的「本を置く場所が無いけど買いたい」が満たされない。これはもう慣れるしかない。とりあえず、これまで紙で買ってたシリーズは紙のまま買い続けて、新しくそろえるシリーズは電子にしようと思う。こうやって棲み分けをしてこれからも漫画を買っていきたいと思う所存である。とりあえずiPadは使ってて楽しいということは事実である。俺も電子人間になれるよう精進していこう。