暇人の感想日記

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フライドチキンと警察官は庶民の味方!【エクストリーム・ジョブ】感想

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78点

 

 

 最初はノーマークでした。存在すら知りませんでした。存在を知ったのは岡本敬史さんがTwitterで「エンタメの全てが詰まっている作品」とまで評していたから。彼のことは信頼しているので、そこまで言うとはどういう映画なのか、興味が沸いて鑑賞しました。

 

 本作は、別に「傑作」とは思いません。しかし、フラッと映画館に入って、料金を払って、何も考えずに観て楽しむという点においては、確かに非常に程よく、とてもいい作品だと思います。私は本作を鑑賞した時は色々と不安が多かった時期だったので、こういう何も考えなくていいエンタメ映画は丁度良く、非常に楽しめた次第です。

 

 本作を簡単に説明すると、「仕事も人生もダメダメな奴らがバカをやりつつも一生懸命頑張る」作品です。全編にわたってギャグばっかりで、話は「警察官が張り込みのためにフライドチキン屋を開いたら好評で大繁盛!捜査か?チキン屋か?そして麻薬王は捕まえられるのか?」という本当にゆる~い内容。ギャグはいい意味で下らないし、序盤で張った伏線も後半でしっかりと回収してくれるし、最後には大立ち回りでカタルシス。確かに、王道のエンタメをしっかりと押さえています。

 

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  • 発売日: 2020/03/13
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 ゆる~い作りなのですけど、話の本筋はダメな奴らが自らの力で自身の尊厳を取り戻す話です。麻薬捜査官のメンバーは全員のキャラが異常に濃く、そしてとても愛着が湧いてきます。この時点で彼らを応援する立場になってしまい、感情移入しっぱなしなわけです。もうね、「麻薬の捜査か?チキン屋か?」という非常にくだらない(良い意味で)葛藤をしてるときとか、チキン屋が上手くいって、「俺たち、何か上手くいってない?」みたいになって喜んでいる時とか、笑いながら観つつ、「いや、捜査しろよ」と突っ込みを入れていました。そんな彼らだからこそ、ラストで実力を発揮し、麻薬組織を壊滅に追い込む下りには、ここまで散々ダメな面を見せられていることもあり、胸が熱くなります、しかも彼らの強さを語るのがチョイ生意気な後輩である点もポイントで、ここで彼が本当は班長に一目置いていた感じがして、その点でも胸が熱くなるし、カタルシスが倍増です。要は本作は、「ナメてた相手が超強かった」映画であるわけです。確かにファンタジーが強すぎるきらいはありますけど、たまにはこういう軽く観られるエンタメ映画を観たいですよ。

 

 また、フライドチキンという、韓国のソウルフードを、「庶民の味方」としての警察官にかけた点もなるほどなと思いました。彼らは汚職もせず、純粋に庶民のために戦ったのですから。もう、こういう奴らがいてもいいじゃないですか。最高です。帰りにケンタ寄りました。

 

 

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