暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

2018年夏アニメ感想⑩【少女☆歌劇レヴュースタァライト】

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 もう2019年の冬アニメも終盤戦です。そんな中、去年の夏アニメの感想を書きますよ。視聴しようと思ったのは、舞台劇からアニメ化など、マルチなメディアミックス展開をしている作品で、ブシロードの肝入りな感じがビンビンに感じられたためです。一応、話題だから見ておくか、な気持ちでした。視聴終了したのは今年の初めくらいだったのですが、後回しにしてしまい、今に至ってしまいました。

 

 全話視聴した感想としては、面白いことには面白かったのですが、イマイチ乗り切れない自分がいた、という感じです。

 

 設定自体は面白く見てました。過去の作品からの引用を上手く本作独自の要素である「レビュー」と絡ませているなぁと。1人のトップスタァをかけて戦い、最終的に勝者の煌めきのために、他の舞台少女の煌めきが無くなってしまう点は『魔法少女まどか☆マギカ』や『少女革命ウテナ』っぽいし、女子高生の群像劇は『ラブライブ!』っぽいです。こうして見ると本作は過去のヒット作の要素ばかりでオリジナリティが無い感じもありますが、ひょっとして意図的なのではないかと思ったりしています。本作では「スタァライト」が重要な要素になっていて、それは何度も上映し、その度にクオリティを上げていっています。過去のものを蓄積し、今のものへ活かす。これはそのまま本作の設定の引用と被ります。

 

 

 そして本作のウリはレビューという「決闘」もしくは「舞台」。これが舞台少女たちの心情を象徴的に表しています。これで戦うことが互いの持っている気持ちを隠喩ではなく、そのままの意味でぶつけあうことになります。そしてその結果、1人1人が舞台への気持ちを再確認していくのです。これによって、1人1人の舞台にかける気持ちが分かり、それを押しのけて「スターになる」ことの重さを実感させてくれます。まぁつまり完全に「少女革命ウテナ」なわけですが。こういったドラマを所謂「ドラマ的演出」ではなく、アクションによって描こうという姿勢は挑戦的です。しかもこの戦闘シーンは演出が非常に「舞台的」なものとアニメーション的なものを融合させた感じのもので、そこも面白かった点です。

 

 このように、設定やアクションシーンは面白く見ていたのですが、作品に乗り切れなかったのは、やっぱり「どうせ、2人が奇跡を起こすんだろうなぁ」という気持ちがあったからだと思います。まぁそれは見ている皆が思っていたことだとは思いますが、私としては最後で2人が奇跡を起こした理由がイマイチ呑み込めないまま終わってしまって、若干消化不良感がありました。あれは「スタァライト」の解釈の問題なのかなぁ。まぁ、でもこれは皆が幸せになったからいいのかな。そうだね。