暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

2018年秋アニメ感想①【うちのメイドがウザすぎる!】

f:id:inosuken:20181228184828j:plain

 

 

 双葉社より刊行されている「月刊アクション」に連載されている、中村カンコによる漫画をアニメ化した作品。原作未読。それでも本作を視聴したのは、監督が太田雅彦さんだったから。結論から言うと、楽しめたのですけど、複雑な気持ちもある作品でした。

 

 

 本作は見たままコメディに分類されます。基本的にはロリコンの元航空自衛官、鴨居つばめが、一目惚れしたミーシャに持ち前のテクニックを以て「犯罪スレスレ」な変態行為をし、それに対してミーシャが突っ込むという構図です。ストーリー性のあるものではないので、本作を楽しめるか否かは、鴨居つばめとミーシャを好きになれるかどうかがかなり重要になってきます。私はこの点で、ミーシャは良かったのですが、どうしても鴨居つばめを好きになる事が出来なかったのです。

 

 何故かというと、彼女のミーシャへの行為をギャグとして受け止められなかったため。ロリコンなのは別にいいです。アニメ作品でロリコンなんてよくある設定ですし。しかし、つばめはミーシャに対して明確に性的な好意を持っており、ミーシャのパンツを見て興奮したり、部屋を盗聴したりしているのです。そしてそんな奴が1つ屋根の下にいる。ちょっと笑い事として捉えられませんでした。また、ミーシャと仲良くなろうとしてネット界で正体を隠して近づき、結果、正体がバレてしまう展開があります。そしてその仲直りとして、つばめはミーシャを何の了承もなく山の中に連れて行くんですよ。これはちょっとした誘拐じゃね?しかもこれらの行為の結果がプラスに働き、さも「良いこと」として描いているのも非常に違和感がありました。

 

 ただ、それでも最後まで見れたのは、他のキャラが良かったから。特によかったのがみどりんですね。彼女もつばめと同じくらいの変態なのですが、つばめのストーカーという設定上、つばめがミーシャにしていることをそのままつばめに対してやっており、しかもつばめに対する突っ込みも中々的確なので、上述のような違和感がいくらか中和されました。

 

 ストーリーに関しては母を亡くしたミーシャと父を亡くしたつばめという家族を喪失した者同士がお互いに距離を縮め、その空白を埋めるまでを描いていたと思います。ただ、基本的にはキャラクターをメインにしたコメディ作品でした。その内容自体は他愛のないものだったのですが、1話のミーシャが逃げるさまをカットを割らずに撮ったシーンとか、ミーシャの細かい動き、みどりん初登場の、濱口明回である6話とか、最終話の「色」を使った演出など、目を見張る演出が何回か出てきたことが印象的でした。

 

 以上のように、確かにつばめのキャラは最後まで好きになれなかったのですが、各話の演出や他のキャラのおかげ、そして私の気持ちが荒んでいたため最後まで見ることができた作品でした。