暇人の感想日記

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『Dr.スランプ』みたいなユルさだけが残った映画【ドラゴンボールZ 神と神】感想

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40点

 

 

 2013年に公開された、シリーズとしては17年振りの劇場版。当時は『ドラゴンボール改』終了から2年経っていたにもかかわらず、最終興行収入が約30億という大ヒットを記録し、『ドラゴンボール』の人気を改めて示しました。私は『ドラゴンボール』に関しては、一応は原作は全巻読んだし、過去の劇場版もだいたいは観ています。ちなみにTVは見たり見なかったりです。しかし、本作の公開当時は映画館まで観に行きませんでした。私は『ONE PIECE』世代であり、『ドラゴンボール』にはそれほど熱中していなかったためです。

 

 そんなほどほどに「知ってる」程度の人間である私が、何故公開時観なかった本作を観たのかというと、新作に備えるため。いい機会だと思ったので鑑賞しました。

 

 結論から書くと、動画配信で観てよかったと思いました。おそらく、映画館まで行って金払って観てたら私の心は中々に荒れていたでしょう。それくらい詰まらなかった。

 

 何故つまらないのか。思うに、それは緊張感が皆無だから。『ドラゴンボール』シリーズは殆ど様式美の世界だと思っていて、決まった「型」があります。すなわち、強い奴が出てくる→Z戦士が戦う→悟空以外はやられる→敵の圧倒的なパワーで悟空ピンチ→覚醒した悟空が逆転、です。流れはほとんどがこれです。『ONE PIECE』もだいたい同じだろと思われるかもしれませんが、あちらは少なくとも「成長」とかドラマがあるのですよね。しかし、『ドラゴンボール』は尺の関係か、一部の例外を除いて、こうしたドラマ性みたいなものは排除されているのです。

 

 それでも面白かったのは、私が子供で、純粋な心を持っていたからか、緊張感があったから。この緊張感というのは、「敵の強さ」と残虐さ。クウラにしてもターレスにしてもブロリーにしてもガーリックjrにしても人造人間たちにしても、圧倒的な強さと残虐さを兼ね備えていて、故に「これどうやって倒すんだよ…」と絶望を感じました。

 

 本作にはこう言った緊張感が皆無です。敵のビルスは魅力的で、次元が違う強さを持っていますが、本編がゆる~い感じなのです。一応、ビルス超サイヤ人ゴッドを探すというストーリーがあるのですが、行わていることはほとんどが茶番。しかも大筋に何の関係もない。後半になって唐突に本筋に入るのですが、そこでの超サイヤ人ゴッド覚醒までの流れも「何だよそれ」と突っ込みたくなるレベルの雑さ。結構簡単になれるじゃん、と思ってしまいます。まぁこの雑さは前からですけど。

 

 これでアクションが凄ければまだいいのですが、そこはさすが東映アニメーションTVシリーズばりの平凡なものを見せてくれます。しかもアクション以外のところも口パク紙芝居ばっかだし。本当、東映ってクオリティの落差が激しいなぁと。

 

 本作でよかったのは、上述の理由と矛盾するようですが、ビルスです。山寺宏一さんの演技力も相まって、かなり魅力的なキャラになっていて、彼とウイスの掛け合いは観ていて面白かったです。後はベジータの「よくも俺のブルマを!」ですね。あそこが一番テンション上がりました。