暇人の感想日記

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圧倒的アニメーションクオリティ!ストーリーは微妙【ムタフカズ】感想

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65点

 

 

 スタジオ4℃制作の日本とフランスの合作映画。スタジオ4℃は以前制作した『鉄コン筋クリート』が大変素晴らしい出来だったため、本作は制作を知った時から楽しみにしていました。鑑賞してみると、確かにアニメーションは素晴らしかったです。しかし、肝心のストーリーは消化不良な点もあり、総合的には「普通」な印象の作品でした。

 

 本作は上述の通り、アニメーションが素晴らしいです。まずはアンジェリーノたちが住むDMC(ダーク・ミート・シティ)です。治安が悪そうなゴチャゴチャした街並みや、アンジェリーノとヴィンスが住んでいる部屋の散らかっている感じなど、かなり緻密に描かれており、画面の情報量が多いです。また、キャラクターの芝居も細かくて観ていて楽しいです。

 

 中でも私が感動したのがアクション・シーン。本作には路地裏での逃走劇、部屋や開けた道での多彩な銃撃戦といったアクション・シーンが多くあります。それらが一々空間を上手く使って見せ方をし、なおかつアンジェリーノ達もあるものと知恵を使って戦うため、ここはアニメーションもそうですが、1つのアクションとしても観ていて楽しいものでした。しかも、銃で撃たれた人の倒れ方とかも良いですね。

 

 このように、本作はアニメーションは素晴らしかったです。これだけでも元は十分にとれると思います。ただ、ストーリーは微妙です。話の筋はアンジェリーノの「自分」を確立するまでの話だと思います。一応それはやっていたと思います。しかし、これとストーリー上で起こる大規模な戦いとが交わらず、別個で完結していた気がして、故にまとまりが悪い気がします。何より、ヒロインの存在が消化不良でした。何を狙っていて、どういう心境の変化をしたのか、が分かり辛く、モヤモヤが残ります。また、主要3人以外のキャラもよく分からなかったです。

 

 このように、本作はアニメーションは本当に素晴らしかったのですが、ストーリーは微妙な作品でした。