暇人の感想日記

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「世界一優しい場所」それは映画館にあった【劇場版 のんのんびより ばけーしょん】感想

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85点

 

 

 にゃんぱす~

 

 『のんのんびより』まさかの映画化。すごいんな~。ド田舎に住む4人の女の子(+男子1人)を主人公に、彼女たちののんびりとした日常を描いた癒しの作品。正直、こういった日常系作品をTVアニメから「映画」にする場合、アクションといった分かりやすく迫力を出せる作品でない分、アニメーション表現としての日常芝居をより濃密にする必要があると思っています。

 

 しかし、そこは『のんのんびより』。良い意味でTVアニメ時代と変わらないクオリティを見せてくれます。本作はファン向けの作品なので、「変わらない」ことが大切なため、これはこれでいいのです。ただ、劇場版ならではの「特別感」が無いわけではありません。本作における「特別」は、これまで田舎だけでストーリーを展開していたTVシリーズに対して、初めて沖縄という「外の世界」に行く点です。

 

 本作の話の軸は、TVアニメ第1期4話のような「外部から来た同い年の͡子との友情と別れ」です。本作では夏海とあおいの友情を描きます。TVアニメとは違い、本作では「外部」はお馴染みのレギュラー陣になってはいますが。それと並行して、皆の沖縄観光が行われます。その様子が楽しそうで、観ているだけで気分が優しくなっていくんですよね。これこそ、私が『のんのんびより』に求めていたものです。

 

 しかし、楽しい時間にも終わりはやってきます。帰りたくないと涙を流す夏海。何故だかそれに共感してしまいます。というのも、本作では、それまでに一行が交流を深めていく様子を丁寧に描いているからです。そしてだからこそ、ラストのれんちょんの絵が映ったとき、BGMが沖縄のものと混ざる演出が加わることでちょっと涙腺に来てしまいます。

 

 「涙腺に来る」といえば、何故だか最初と最後のれんちょんの台詞で泣いてしまいました。3年待って、ようやく彼女たちが帰ってきたからでしょう。3期を首を長くして待っています。