暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

アメリカ版『必殺仕事人』【イコライザー】感想

f:id:inosuken:20180903122155j:plain

 

87点

 

 

 元凄腕CIA工作員で、現在はホームセンターで働いているロバート・マッコール。彼はある夜、テリーという少女と出会います。彼女と交流を深めるロバートですが、とあることから、彼女を囲っているロシアンマフィアの非道を知り、「イコライザー」として、彼らに正義の鉄槌を下していきます。

 

 「イコライザー」。この単語の意味は、「均一化するもの」であり、音響機器の名前にも使われています。ここから分かる通り、本作における「イコライザー」とは、世の中のあらゆる不正や悪を影で裁き、世の中の調和を保とうとする『必殺仕事人』のような存在なのです。

 

 主人公、ロバート・マッコールのキャラクターは、いかにも『必殺仕事人』的なプロ感あふれるものです。几帳面で、日々決まったことを繰り返し、同僚との関係も良好。しかし、そのちょっとした間に出てくる異様な雰囲気が、彼を只者ではないと認識させます。この前半の積み重ねが、後半の無双の爽快感に繋がってくるのも上手いなぁと。

 

 『必殺仕事人』的な活躍は前半に特に出ています。その姿は、さながら街の守護神のようです。テリーを救い出すこともそうですが、他にも小さいところで、同僚の警備員試験合格のための障害(実家の母親が警官から受けていた嫌がらせ)を取り除いたり、勤め先が強盗に襲われた際、他の同僚が奪われた大切な指輪を取り戻したりしています。また、悪党を倒すときに、ちゃんと更生のチャンスも与えています。しかも、それだけに止まらず、困っている人間を導いてもいるのです。上述の警備員になりたいデブの兄ちゃんのトレーニングに付き合い、ときに自信を無くした彼を「完璧より前進だ」などと言って励まします。しかもこのトレーニングがその後の展開に繋がっていたり、台詞からロバートの過去を思わせるなど抜け目がないです。

 

 抜け目がないと言えば、ロバートが読んでいる本もそうです。彼は「老人と海」を読んでいます。そしてそれが、この後の本作の展開を示唆しています。「老人と海」で鮫を殺した老人がその血の匂いに引かれてやってきた他の鮫と格闘したように、テリーを助けたことで、ロバートも大きな戦いに巻き込まれていきます。

 

 この戦いのときのアクションも素晴らしかったです。在りもので戦うという中二心をくすぐられる戦法、そしてラストのホームセンターでの戦い。我々がよく知っているホームセンターの地の利を最大限に生かした戦法と、日用品を武器として戦う姿は観ていてとても面白いです。このような新鮮な戦法で戦い、最終的には悪党を全員成敗してくれるので、気持ち的にもスカッとします。

 

 このように、悪党を全員成敗し、現実では我々にはどうにもできないことを解決してくれる本作は、娯楽作品として非常に面白いと思いました。続篇も楽しみ。

 

続篇の感想です。こちらも素晴らしい作品でした。

inosuken.hatenablog.com