暇人の感想日記

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三浦しをん、恐ろしい子!【ビロウな話で恐縮です日記】感想

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著:三浦しをん

発行所:株式会社 新潮社

 

・前置き

 三浦しをん先生がブログで公開していた日記をまとめ、単行本化したものの文庫版。最近、エッセイを読むことにハマっていまして、そんな中、本書がアトロクで紹介されており、興味を持ったので購入して読みました。

 

・本文

 本書も読んで、まず思うことは、「ビロウ」って何だ?という疑問です。タイトルにカタカナで書いてありますが、不勉強な私は全く知らず、また本書の中にも三浦先生本人による解説はありません。仕方がないので辞書を開きました。そこにはこう書いてありました。

 

 1.不潔であること。また、そのさま。

 2.わいせつであること。また、そのさま。

 

 なるほどな、つまり本書のタイトルを訳すと、『不潔、もしくはわいせつな話で恐縮です日記』ということですか。どんなタイトルだ。そう思って本を開きました。そしたら目に飛び込んでくるのはBLとか独創的な夢の話とか、誰も聞いていない著者の好みの話とか、「あぁ、これはメンドくさいノリだ」と思える文章のオンパレード。何という尾籠な日記なんだ。本書には「日記とは、自意識の表れだ」と書いてありますが、こりゃヤバいな。そう思えるほどの奔放な内容です。しかし、その尾籠すぎる日々の中にスッと出てくる彼女の観察力とか何かに対する集中力には「プロ」の力を感じます。

 

 ただ、読んでいて不快だったかと言えば全くそのようなことはなく、とても面白かったです。何よりこういうエッセイ風な本の醍醐味だと思っている「作家の本性」を垣間見ることができます。作家の普段の思考を知ることで、その人の作品を読んだ時に感じたことが分かったりして、作品を別の角度から楽しむことができます。私は三浦しをんさんの小説は『舟を編む』しか読んでいないニワカですが、本書を読んで、三浦先生は馬締と西岡を使って色々と妄想していたのだろうか、なんて思ってしまいましたね。エッセイ集としてとても面白く読みました。

 

 

ビロウな話で恐縮です日記 (新潮文庫)

ビロウな話で恐縮です日記 (新潮文庫)