暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

【劇場版 カードキャプターさくら 封印されたカード】感想

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80点

 

 『カードキャプターさくら』の劇場版第2弾にしてTVシリーズの完結篇。もちろんTVシリーズは全て見ています。劇場版も見たかったのですが、第1作と同じく、何故かどこのレンタル店にも置いてないという状況で、再放送もないし、ずっと本作を見れずにいました。ですが、新シリーズ『クリアカード篇』の公開に合わせてリバイバル上映が決定。喜び勇んで映画館に駆け付けました。ちなみに第1作は去年のリバイバル上映時に鑑賞しました。

 結果、とても面白かったです。アニメーションとしてクオリティが高いことは言うまでもないですが、とにかくさくらが可愛いんですよ。話の内容が内容なので、歴代で一番可愛いです。上映中、ずっとニヤニヤしながら観ていました。隣に人がいれば、間違いなく気味悪がられたでしょう。

 さて、本作は2つの要素が並行して進みます。1つはTV版最終話からの「小狼への返事」、そしてもう1つはタイトルの「封印されたカード」にまつわる話です。

 まずは1つ目。ここでの一挙一動でさくらの可愛さが爆発しているんですよ。告白が3回も妨害された時は少し辟易しましたけど。また、ストーリー的にも結構考えられていて、作中の劇が小狼とさくらの2人の気持ちを代弁するかのような言わば「入れ子構造」的に機能している点はなるほどと思いましたね。

 このような微笑ましい日常の陰で、徐々に「封印されたカード=『無』のカード」が影響を及ぼしていきます。このカードはトランプでいうところのジョーカーで、何と1枚でクロウカード52枚分に匹敵する魔力を持つというチート・カード。しかも能力がえげつなく、さくらが所持するカードを奪い、そしてその度に彼女の周りのものを消していくというもの。カードの正体が判明してからは、一気に最終決戦へと向かっていきます。

 さて、この「無のカード」ですが、カードキャプターさくら』というアニメ全体から考えると、最後の相手としてピッタリと言えると思います。というのも、これまでさくらがやってきたことの真逆のことをやっている為です。

 さくらはクロウカードを回収する過程で、カードはもちろんですが、他にも様々なものを知り、触れてきました。「無のカード」はそのさくらが知ったもの、触れたもの全てを根こそぎ奪い去ろうとします。しかも、クロウカードの回収も強奪ですからね。これまで、カードと「友達になる」ことでカードを回収してきたさくらとは真逆です。

 そんなカードを全てのカードを奪われたさくらが「友達になる」ことで回収する。ここら辺は本当にぶれないです。で、そのカードが最後にあのさくらカードに落ち着くところは「無」だったカードを真逆の「好き」の感情に変えたようで、何かちょっと泣いちゃったよ。

 後、さくらの気持ちを絵的に完全に表現したラストの跳躍。小狼へ一気に気持ちをぶつけていて、あの2人には末永く爆発してほしいと思いました。