暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

【アイアンマン2】感想:1作目と比べると微妙

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60点

 

 大ヒットした「アイアンマン」の続編。「ヒーロー」となったアイアンマンがどう活躍するのかを楽しみに観てみましたが、残念ながら出来は微妙なものでした。

 本作には、話の軸が大きく分けて3つあります。

 前作の敵は内部の人間と紛争地帯の武装集団でした。ですが、今回の敵は以前スタークに追放され、それを恨んでいる男の息子、イワンです。このイワンの話が1つ目です。冒頭は良かったです。イワンがスタークと同じように武器を作っていく過程を見せていて、トニーと表裏一体の存在として描いていました。

 ここを見たときは、本作ではヒーローものの2の鉄板、「ヒーローの相対化」をやろうとしているのかと思いました。その証拠に、本作ではアイアンマンの「対外的評価」も軸に据えられています。これが2つ目の軸です。つまり、対世間的にヒーローとして存在意義が問われているアイアンマンが、自身の闇である人物と戦うことで、よりヒーローとして成長する話だと思ったのです。

 そして、それに加えて、3つ目。アイアンマンの死を乗り越えることで、「父を乗り越える」話も軸になってるのです。

 でも、作品の中では、そのどれもが中途半端で、しかもストーリー的に1つに結びつかないんです。故に、全体的に散漫な印象になってしまったと思います。

 例えば、イワンの下りは特に掘り下げられるわけでもなく、真相を開けてみればイワン側の完全な逆恨みであることが分かります。この時点で、相対化は難しいです。しかも、このイワン、中々弱い。もっと強キャラ感を出していたため、拍子抜けでした。

 2つ目の対外的な評価もそんなに深くやられるわけでは無く、ラストでなぁなぁで決着がつきます。

 3つ目は一応ちゃんと落ち着くのですが、1作目で「戦争屋」として描かれていたスタークが変に美化されていて、どうにも違和感を覚えてしまいました。

 しかもこれらに加えて、今後の「アベンジャーズ」への伏線まであるもんですから、結構とっちらかってるんですね。

 また、全体的に脚本が微妙です。例えば、モナコのとき、イワンは何がしたかったのでしょうか。トニーがレースに出たのって、気まぐれですよね。エスパーか何かなのか。アイツは。また、最後のイワンの行動も謎です。あれ、スタークが来なかったらどうしてたのでしょうか。しかも、最後の爆発も、あそこに彼女がいるかどうかなんて分かんねーじゃん。杜撰。

 ただ、ここまで色々書きましたけど、「時間を無駄にした」とは思いませんでしたそれくらいは面白かったです。特に、イワンがロシアの人間であるというのは良かった。1作目からあった「強い武器にはより強い武器を」をあの国が実現するというのは、何とも現実味がありますね。