暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

【マイティ・ソー】感想:上澄みだけさらっとやりました感がある作品

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55点

 

 MCU4作目。何だか日本版のDVDパッケージでは、浅野忠信オーディン、ロキと並ぶ重要人物な面でいますけど、ぶっちゃけ端役です(いい役ですが)。今度は北欧神話をモチーフにした「神」が主人公。ところがこの男、神のくせに傲慢で自己中。そしてその行動で隣国との関係が悪化し、人間界へ追放されます。ストーリーはこの俺様主人公のソーが下界の人間と触れ合うことで更生していく姿を描いています。ですが、私としては正直、微妙な映画でした。

 本作で面白かったのは、主人公が戦う理由です。よくある「平和を守るために戦う」ではなく、「隣国と戦いを起こさないために身内と戦う」という姿勢で、今回、ソーは戦います。この点は面白い視点だと思いました。けど、そのせいで戦いのスケールが小さくなってしまっている印象を受けました。詰まるところ兄弟喧嘩ですしね、これ。後、序盤の戦闘シークエンスですね。CGをフルに使うことで、迫力あるものになっていたと思います。

 また、力を1回失うことで、力の意味に気付き、もう一度力を使うシーンはやはり上がります。

 しかし、全体的にストーリーが都合良すぎです。オーディンが急に眠って、後半にちょうどいいタイミングで起きたり、ジェーンが車を盗まれた時も「偶然」が過ぎるし、ソーの仲間が下界のソーに会いに来るときも、何であんな簡単に見つけられるんだとか、突っ込みたい所が結構あります。

 本作は一応オリジンですが、そのために必要なことを一通りやりました、的な映画全体がさわりだけな印象も持ちました。ナタリー・ポートマン演じるジェーンと恋仲になるのですが、その過程があんまり描かれなくて、あそこまで惹かれあった理由が不明です。やったことと言えば、服を貸したり、世界樹の説明したくらいじゃないですか。また、ギャグもちょいちょい挟むのですが、それがどれも中途半端で、消化不良が残ります。ソーの人間社会に馴染めない感じとか、もっとあってもいいと思うし、ソーの仲間たちの「不審者感」も、もっとやってほしかった。後、ソーが丸くなってから良い奴になりすぎ。

 このように、オリジンとしては一通りのことはやっているのですけど、「それだけ」になってしまっている作品だと思いました。