2022年冬アニメ感想①【その着せ替え人形は恋をする】
2022年春アニメ視聴予定作品一覧
皆様。こんにちは。いーちゃんです。もう4月の第1週が終わってしまいましたが、毎クール恒例の視聴予定作品を一覧にします。春アニメの感想は、なるべく早くあげたいと思ってます・・・。
期待度は、◎=期待大、〇=楽しみ、△=一応見る、な感じです。
「アオアシ」 △
「阿波連さんははかれない」 〇
「ULTRAMAN シーズン2」 △
「おにぱん!」 〇
「かぎなど シーズン2」 〇
「かぐや様は告らせたい‐ウルトラロマンティック‐」 〇
「可愛いだけじゃない式守さん」 〇
「くノ一ツバキの胸の内」 〇
「コタローは1人暮らし」 △
「攻殻機動隊S.A.C 2045 シーズン2」 △
「古見さんは、コミュ症です(第2期)」 〇
「サマータイムレンダ」 ◎
「SPY×FAMILY」 ◎
「TIGER & BUNNY 2」 〇
「ダンス・ダンス・ダンス―ル」 〇
「であいもん」 〇
「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 FINAL SEASON」 △
「名探偵コナン ゼロの日常」 △
春アニメは20本。多いね。中でも楽しみなのは、「SPY×FAMILY」と「サマータイムレンダ」の2作。どちらもジャンプ+出身で、大変面白い作品ですが、「SPY×FAMILY」が監督が古橋一浩さんで、WIT STUDIO&Clover Works、「サマータイムレンダ」が監督が渡辺歩さんで脚本が瀬古浩司さん、制作がOLMと、非常に期待できる布陣。集英社の力の入れ具合が分かります。また、ジャンプ+枠としては、「阿波連さんははかれない」も、原作が好きなので見ています。
そして、楽しみな作品としては、何といってもシリーズとしては9年振りの続篇「TIGER & BUNNY2」、原作が話題の「パリピ孔明」、第3期まで行った「かぐや様」、MAPPAが描くダンスを題材とした「ダンス・ダンス・ロール」、スタッフの座組的に気になる「エスタブライブ」あたりが楽しみなところです。他には、「攻殻」、「ULTRAMAN」、「マギレコ」あたりは付き合いで見ます。
春アニメはこんな感じです。これ以上増やすと、量的にパンクしそうなので、今期は見る作品を増やすことは無いかもしれません。
2021年新作TV/配信アニメベスト10
皆様、こんにちは。いーちゃんです。もう3月になってしまいましたが、2021年の新作アニメのベスト10を発表したいと思います。毎年恒例なんだけれども、秋アニメの視聴がようやくだいたい終わって、ランキングを出せるようになりました。
2022年に繰り越し
「86-エイティシックス-(第2期)」
「王様ランキング」
「ルパン三世 PART6」
対象作品(視聴済み)
2020年秋アニメ
「呪術廻戦」
「おそ松さん(3期)」
「ひぐらしのなく頃に業」
冬アニメ
「SK∞ エスケーエイト」
「のんのんびより のんすとっぷ」
「BEASTARS(2期)」
「ゆるキャン△ SEASON2」
「Re;ゼロから始める異世界生活 2nd season 後半」
「ワンダーエッグ・プライオリティ」
「ホリミヤ」
「怪物事変」
「ぶらどらぶ」
春アニメ
「Vivy-Fluorite Eye's Song-」
「86-エイティシックス-」
「EDEN」
「オッドタクシー」
「極主夫道」
「ゴジラS.P<シンギュラ・ポイント>」
「スーパーカブ」
「ゾンビランドサガ リベンジ」
「SSSS.DYNAZENON」
「不滅のあなたへ」
夏アニメ
「かげきしょうじょ!!」
「小林さんちのメイドラゴンS」
「Sonny Boy-サニーボーイ-」
「ひぐらしのなく頃に卒」
「平穏世代の韋駄天達」
「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 2nd season」
秋アニメ
「古見さんは、コミュ障です」
「先輩がうざい後輩の話」
「スーパー・クルックス」
「かぎなど」
2021年に視聴したTV/配信アニメは計32本。2020年からの繰り越しは3本。本ブログのランキングでは、対象となる作品は「その年に完結した作品」であるため、秋アニメでまだ終了していない作品は除外します。では、行ってみよう。
10位「ワンダーエッグ・プライオリティ」
いきなり記事が無くて申し訳ないのですが、野島伸司脚本、若林信監督によるオリジナルアニメーション。Clover Worksによるクオリティの高いアニメーションと、サイコスリラー風味な演出、そして視聴者の考察欲を引き立てるような謎に満ちたストーリーで話題になりました。
私も本作のクオリティとストーリーにはいたく感激し、放送を毎週楽しみにしていました。あらゆる伏線を放置して物語が終わったときには唖然としましたが、要は本作は、少女たちの出会いと別れの物語でしかないと分かると、ラストの寂寥感にも特別な気持ちを以て見ることができましたので、この順位です。
9位「PUI PUI モルカー」
また記事がない。すいませんね。日本アニメでは珍しいストップ・モーションアニメで大きな話題となった作品。モルカーの可愛さはもちろん、往年の名作映画やアニメにリスペクトを捧げたと思われるアクションは圧巻。作り手の創意工夫がそこかしこに見える、素晴らしい作品でした。
8位「のんのんびより のんすとっぷ」
ようやく記事があるのん。シリーズの事実上の完結作。これまで同じ時間を生きていたれんちょん達が、遂に外の時間に向かい出したあのラストに、大変感動しました。
7位「スーパーカブ」
「女子高生×○○」なアニメなのだけど、高畑勲や片渕須直が志向した、「キャラの日常を丁寧に描く」ことを生真面目に行った作品。驚異的なクオリティというわけではないのですが、その丁寧な描写と、銀残しを意識したという画面の色彩など、徹底して小熊に寄り添った作りが良かったな。
6位「呪術廻戦」
2020年~2021年前半の大ヒット作。「鬼滅の刃」のヒットを上手く受け継ぎました。もちろん、MAPPAの安定したクオリティがあってのものではありますが、原作が好きで、それをちゃんとアニメ化してくれたと言うだけでランクインです。
5位「ゆるキャン△ SEASON2」
全ての要素がきちんといい方向へパワーアップしている2期の理想形。「スーパーカブ」にも通じる点ですが、キャラの動きや、背景(美術や音など)を丁寧に描いた点も素晴らしい。
4位「ゴジラS.P<シンギュラ・ポイント>」
歴史的名作映画『ゴジラ』のアニメ化作品。『シン・ゴジラ』の逆を行く、2人の天才による謎の解明。抽象的な面はあれど、映画でしかできない、怪獣映画というフォーマットを、TVアニメに上手く落とし込んだという点でこの順位です。
3位「Sonny Boy」
夏目慎吾監督のオリジナル・アニメーション。「十五少年漂流記」、「漂流教室」を思わせる設定から、予想もつかない展開へ話が進みます。最終的には、少年が大人になる話という、普遍的なジュブナイル作品でした。
2位「オッドタクシー」
2021年最大の話題作。異なる才能が結集し、極めて上質なミステリーを生み出しました。ラストにファンは生殺しになりました。これが1位でもいいんですけどね。今年公開の映画も楽しみです。
1位「かげきしょうじょ!!」
思えば、2021年、いちばん楽しみに見ていた作品だし、いちばん登場人物を応援していた作品でした。そして、原作にも手を出そうかと思っている。つまり、2021年いちばん入れ込んだ作品であり、なので1位です。
以上です。この他には、「不滅のあなたへ」、「SSSS.DYNAZENON」、「小林さんちのメイドラゴンS」、「86-エイティシックス-」、「ぶらどらぶ」、「鬼滅の刃 遊郭編」などがベスト級です。特に「鬼滅」は、圧巻のクオリティだったのですが、何というか、それ故にもう俺が支持しなくていいな、と思ったので、除外しました。
闇の中で光を見つける物語【THE BATMANーザ・バットマンー】感想
喪失と再生と、西島秀俊の「空虚さ」について【ドライブ・マイ・カー】感想
94点
濱口竜介監督の本作は、村上春樹の短編集「女のいない男たち」の中にある一編の同名小説をはじめとして、いくつかの短編を統合して原作としています。脚本は濱口監督と共同で大江崇允さんが務め、カンヌ国際映画祭において、脚本賞を受賞しました。これ以外にも、諸外国で小レースを席巻し、2021年度アカデミー賞において、日本映画史上初の作品賞を始めとする4つの部門にノミネートされるという大快挙を成し遂げました。
舞台演出家の家福は、愛する妻である音と共にそれなりに幸せな日々を送っていた。しかしある日、家福が家に帰ると、音は突然亡くなってしまっていた。家福に1つの秘密を残したまま・・・。2年後、喪失を抱えた家福は広島国際演劇祭で「ワーニャ伯父さん」の演出を依頼され、愛車で広島へ向かう。家福はそこで寡黙な女性、みさきというドライバーと出会う。さらに、かつて音から紹介された高槻という男にも再会。「ワーニャ伯父さん」の演出を通し、家福の喪失と向き合う日々が始まる。
濱口監督は、常に「コミュニケーション」を題材に映画を作ってきた方です。『ハッピーアワー』では30代後半を迎えた女性4人の友情がとある「秘密」が発覚したことで崩れ始めるという内容でしたし、前作の『寝ても覚めても』も2人の全く同じ姿をした男性を愛した女性の話で、これも胸に抱えた「秘密」が露呈することで関係性が一旦、完全に崩壊してしまう話でした。ちなみに、脚本のみを担当した『スパイの妻』も、「秘密」を抱える夫婦(及び国)の崩壊の話だったと思います。ここには常に、他者の理解/無理解というディスコミュニケーションがあったと思います。
本作においてもそれは健在であり、最初のショットからそれは示唆されています。ベッドで寝ている家福と音のシーンで、起き上った音を捉えたファースト・ショット。家福から見た音は全身が影であり、抑揚のない話し方をしています。このショットの通り、音という「他者」は「分からない」存在として我々の目の前に表れます。しかもこの2人は職業上、生活そのものが「演劇的」に見えてしまいます。
ウラジオストック演劇祭に旅立つはずが、飛行機の欠航によって一旦家に戻った家福は、音の情事を目撃してしまいます。家福はそこで何をするでもなく、動揺してその場を去ってしまいます。その後、ホテルで連絡を取ったとき、音が平然としているのを確認し、家福は、そして我々観客も、音の考えていることが分からなくなってしまいます。つまり、音はファースト・ショットのまま、「分からない」存在なのです。そんな中訪れる、音の死。これで家福と観客は、音の真意が分からないまま、生殺し状態になります。前置きが長くなりましたが、本作は、この「自らの気持ち」に目を背けていた家福が、そこに向き合い、自分の気持ちに折り合いをつける映画です。
「妻の喪失に向き合う」映画として思いつくのは、近年では2016年に公開された日本映画『永い言い訳』です。『永い言い訳』では、本木雅弘演じる主人公が、自分の気持ちに気付くまでの話でした。本作もこの点は共通しているのですが、相違点としては、『永い言い訳』は、本木雅弘が全力で男性の持つ劣等感とか、めんどくさい生々しい感情を赤裸々に描いていたの対し、本作では「妻の真意」と共に、「家福の真意」も今一つ分からなくなっている点です。これは西島秀俊という俳優を起用した点が大きいと思います。西島秀俊という方は、巷で時々、「台詞棒読み」みたいに言われることがあります。しかも、演技をしているのだけど、どこか真意が分からない、空虚な印象を観客に与える俳優です。個人的に、この点が村上春樹主人公みたいだと思えます。本作はこの点に全力に全力で依拠した映画になっています。
「西島秀俊の空虚さ」という点では、思いつくのはやはり日本映画で、2016年公開の『クリーピー 偽りの隣人』です。『クリーピー』では、基本的な話としては、西島秀俊演じる大学教授が引っ越した家の隣にいた香川照之というサイコパスと対決するというものなのですが、その実は西島秀俊こそが真のサイコパスであり、彼に囚われてしまった奥さん(竹内結子)の絶望で幕を閉じた作品でした。『クリーピー』も西島秀俊の空虚さに全力で寄りかかっている作品で、彼の持つ空虚さを悪用しまくった作品だと思います(故に傑作なのですが)。
本作も基本的には同じではあります。しかし、ベクトルが全く異なります。本作では、西島秀俊の空虚さに依拠はしていますが、それは「真意の分からなさ」を体現させるためであり、彼の持つ空虚さと、濱口監督の、劇中で家福が行っていたような演出によって、「妻の喪失にどう思っているのか分からない男」を成立させているのです。だからこそ、度重なる問いかけと自問の末に、最後に台詞を吐露したとき、そこには大きな感動があるのです。
ラスト、更にダメ押しとばかりに舞台上で「ワーニャ伯父さん」の最後の台詞で〆。「喪失を抱えたまま、この世界を生きよう」という決意に繋がります。この点も他の濱口作品に共通している点で、『寝ても覚めても』における清濁入り混じった川を唐田えりかと東出昌大が横並びで眺めているショット、『ハッピーアワー』におけるラストにも観られます。つまりは、「人と人の間には秘密があり、例え関係性が変わってしまったとしても、それを抱えながらも、この清濁入り混じった世界で生きていかなければならない」という意志です。濱口監督作品はどれもこの「前向きさ」があるのですが、本作にも、それを読み取ることができるのです。
監督の前作。
清算と救済とオリジン【スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム】感想
トムホ版過去2作。
要はこれの実写版という話。
最後にちょっとだけ出てたよね。