暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

2019年冬アニメ感想⑥【臨死!江古田ちゃん】

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 「2019年冬アニメ視聴予定作品一覧」に載っていなかったことからわかるとおり、本作は最初は見るつもりはありませんでした。では何故見ようと思ったのかというと、例によってアトロクの「今期注目アニメ」で取り上げられていたから。1つのアニメ作品の中で、毎話監督やスタッフを変えて放送するというスタイルに興味を抱いたからです。

 

 「毎回監督やスタッフを変える」という形態は、私が覚えている限りでは「迷い猫オーバーラン!」があると思います。後は、似た形態だと、ボンズが制作した「スペース・ダンディ」を思い出します。私の勝手な意見なのですが、こういった制作体制をとっている作品は、その回によって監督の個性が色濃く出るため、各回がバラエティに富むというメリットがあります。そしてそれによって、監督毎に個性を比べたりするという楽しみも生まれます。しかし、この形態は必然的に独立性が出るため、ストーリー性のない「1話完結」な作品がベストであると思います。この点で、「スペース・ダンディ」は一連の流れっぽいものがあるにはあるのですが、大したものではなく、1話完結のオムニバス的な内容であったため、上手くいっていました。最後とか超適当だったし。

 

 本作も、原作が4コマ漫画であるという関係で、この形態にバッチリハマる要素はあったと思います。しかも参加されている方々は杉井ギザブロー大地丙太郎高橋大輔森本晃司、長濱博史、等々、伝説級のスタッフが揃っています。これは気になります。

 

 

 そしてこのバラエティ豊かな並びの通り、各回も非常にバラエティに富んでいます。1話の大地丙太郎監督では、彼らしい軽快なテンポで見せたり(ある意味、これが一番オーソドックスだったかも)、続く杉井ギザブローは江古田ちゃんをさらに掘り下げ、米たにヨシトモ回では(確か)1カットで江古田ちゃんとゴキブリとの対決を描いたり、高橋大輔回では、どことなく「ボトムズ」っぽい感じがしたります。しかし、そうかと思ったら小島正幸回ではかなり「今風」なキャラデザと演出で江古田ちゃんと友人を描いたりしていて、「やっぱり世代によってこういうコンテとか演出って変わるんだなぁ」と妙に勉強になったりしました。

 

 各回5分で非常に見やすく、監督の演出の色の違いを知る意味でも結構楽しめ、ちょっと勉強にもなった作品でした。今は「スペシャル」だと監督と江古田ちゃん役の声優さんのトーク付きという大変豪華なものも放送されていますね。