暇人の感想日記

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100%「ファンのため」のお祭り映画【コードギアス 復活のルルーシュ】感想 ※ネタバレあり

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73点

 

 

 2006年に第1作が放送され、その面白さから瞬く間に大ヒット作となった『コードギアス 反逆のルルーシュ』。私ぐらいの年齢は直撃世代であり、私の周りにもギアスファンは多々います。もちろん私も見ていて、その面白さにやられ、谷口監督の作品をレンタルなどで追いかけていますし、新作もやればとりあえず見るようにしています。ただ、私は熱狂的なファンというわけではありません。どのくらいの熱なのかと言えば、「TVシリーズは全話見たけど、『亡国のアキト』と最近の劇場版三部作は見ていない」程度です。要するにニワカ。本作を鑑賞した理由は、完全新作の劇場版で、「あのラストからどうやって話を展開するのか」という点に興味が湧いたためです。ちなみに、本作は2019年初の邦画です。

 

 

 鑑賞してみて感じたことは、本作は徹底してファンのために制作されたお祭り映画だという事です。これは同時期に公開された『劇場版シティーハンター』と全く同じであり、このような映画が同じ時期にかかるとは、奇妙な偶然ですね。しかも制作は同じサンライズだし。

 

 本作には、これまで登場していたキャラクターがほぼ全員登場します。登場の時間はがっつり絡むものから顔見せ程度まで様々ですが、そこに無理はありません。パンフレットで脚本家の大河内一楼さんが「キャラのその後を描いた」と仰っているように、生存したキャラクターのその後が顔見せ程度でも描かれています。この点だけでも、ファンには堪らんでしょう。私も、「あ、アイツは今こんな感じなのね」と、ちょっとした同窓会の気分で観ていました。

 

 更にファン的に堪らんのは、これらのキャラクターが全員協力しあって、ルルーシュの目的を遂行しようとする点。TVシリーズから味方だったキャラはもちろん、敵だったキャラですら味方になり、敵と戦う様には、やはり燃えますよ。そしてこれによってTVシリーズではあまり見られなかったキャラ同士の掛け合いが生まれたり、ルルーシュが死んだことで残ってしまった後悔もいくらか清算されています。特にラストのナナリーとルルーシュの会話はTVシリーズの顛末を考えると、胸に来るものがありましたよ。ただ、一番救済されたのはC.C.でしょうね。孤独だった彼女が、最後に救済される。ラストのあの表情で、私の本作の評価は上がりました。このように本作は、徹底して、「ファンのためのその後」を描いていきます。

 

 翻って、敵側はどうかというと、必然的に「やられ役」に徹していた感があります。ジルクスタン側のキャラ配置は「どうやったら皆が活躍できるか」、敵のボスであるシャムナの能力にしても、「ルルーシュが苦戦する相手だとどんな能力か」と考えて作った感があります。そしてその能力が「Re;ゼロから始める異世界生活」の「死に戻り」そのままなのはちょっと驚きましたね。やっぱ敵に回すと怖いんだな、あの能力。一応、シャムナとシャリオの関係性をルルーシュとナナリーの関係性と対比させたりしていましたが、それでも「やられ役」感は否めません。ただ、これは本作がファンムービーであることから、仕方がないかなと思います。

 

 

 このように、本作は徹底して「ファンのため」に制作された純度100%のファンムービーでした。ファン以外の方が観ても、他の学校の同窓会に間違って来てしまった感があり、楽しめないと思います。でも、ファンは楽しめると思います。私は楽しめました。これはこれでいい!(断言)

 

 

岡田磨里100%な映画。こちらは感動作でした。

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黒沢ともよさんと櫻井孝宏さんが出ているので。

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