暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

2018年秋アニメ感想④【アニマエール!】

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 「まんがタイムきららキャット」にて連載中の卯花つかさによる4コマ漫画のアニメ化作品。原作は未読です。それでも見ようと思ったのは、まず監督が『ポールルームへようこそ』などに参加されていた佐藤雅子さんだったこと、そして何より、今期の「きらら枠」だと思ったためです。現実は辛く、心が荒れているので、癒しが欲しくなります。それを求めての視聴でした。

 

アニマエール!  (1) (まんがタイムKRコミックス)
 

 

 視聴してみると、私の求めている通りの作品でした。ただ、あまりにも「それだけ」な作品だったので少し物足りなくなった時期もあったのですが、頭を使わずに見ていられる本作の存在は荒んだ私の心を癒してくれ、結果的に最後まで視聴できました。

 

 本作のストーリーは単純。チアに憧れたこはねが過去にトラウマを持つつばめと共にチア同好会を作り仲間を集め、チア部として活動していくというもの。ただ、本作の特異な点は、普通、この手の作品を想像した時に連想するドラマがあまり無いという事。一応、各キャラ毎にそれなりの悩みはあって、それを克服することでチア部に入ったりはしますし、主人公2人にもそれぞれ悩みはあります。

 

 特に注目されるのはつばめです。あまりに上手いから、以前いたチームで浮いてしまい、チアをやることに拒否感を覚えるようになったという過去のトラウマは描き甲斐があると思います。そして1話でこはねが危険を冒してチアへ誘うというくだりはとても良かったです。ただ、それ以外では全てがなぁなぁの内に決着がついていた気がします。基本的に悪人がいない作品なので、過去のチームメイトも自分たちで納得しているし、つばめもこはね達とチアをやることで成長しています。ただ、それも仲良くやってるうちになぁなぁで解決してたようにしか見えん。

 

 こはねにも一応、高所恐怖症の壁を「皆でチアをやる」ことで乗り越えるところとか、最後も取ってつけた感がありましたが、自分のチアを見失ってからの復活劇は良かったです。ただ、あくまでも「取ってつけた感」は拭えません。

 

TVアニメ「アニマエール! 」テーマソングコレクション -Smile-

TVアニメ「アニマエール! 」テーマソングコレクション -Smile-

 

 

 これは他のキャラや展開にも言えて、他のキャラの悩みもそこまでの葛藤もなく解決し、チアもどんどん成功していきます。挫折とかない世界です。

 

 このように、本作のドラマは薄いです。でもそれでいいのです。だって本作を見てる人はそんなもん望んでないから。見たいのは現実の延長ではなく、現実ではないオアシスなのですから。つまり、本作で重要なのは、どれだけ女の子をかわいく描けているか。この一点に尽きるわけです。その意味で、本作は最高でした。悪人がいないノーストレスな世界、前向きな登場人物、そして割とガチな百合。上述のようにドラマも薄いからボーッと見ていられるストーリー。現実を忘れさせてくれる要素がここには詰まっています。この点で、本作は最高のアニメでした。