暇人の感想日記

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まさかフルパワーのフリーザ様を「かわいそう」と思うとは・・・。【ドラゴンボールZ 復活の「F」】感想

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50点

 

 

 21世紀の『ドラゴンボールZ』劇場版第2弾。劇場作品としては前作『神と神』から2年振りの作品です。『神と神』は話が全体的に緩く、それ故に作品全体に緊張感が出ず、面白くない作品になっていました。

 
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 そんな微妙だった『神と神』の次に制作陣が打った手は、あの悪役、フリーザの復活でした。ナメック星篇で悟空たちの前に立ちはだかり、悟空の超サイヤ人覚醒にきっかけを作り出したキャラクターで、その圧倒的な強さ、カリスマ性、そして最後まで純粋な「悪」を貫いた姿で人気を博し、『ドラゴンボール』を代表する悪役となりました。ナメック星篇が終わった後は例によってインフレの被害者となり、トランクスに秒殺され、地獄ではアニメオリジナルでセルとコンビを組んでかませ犬を演じたりしていました。本作では、そんな彼が復活し、悟空に復讐をするのです。これを聞いた限りでは、悟空でなくても「ワクワクすっぞ!」と言いたくなります。

 

 しかし、世間での評判は芳しくなく、駄作認定の声も少なくありません。はてどうしたのだろうと思って鑑賞してみると、確かにこれは荒れる内容だなと思いました。

 

 本作について私は、『神と神』よりは面白いと思っています。少なくとも作品全体が弛緩しているわけではなく、「フリーザが強くなって復讐する」という筋立ては魅力的です。ただ、本作は『神と神』とは違う意味で緊張感が無いのです。

 

 『神と神』の感想でも書きましたが、『ドラゴンボール』の話は様式美で、話は大体が「超強い奴を悟空がやっつける」です。そしてこの敵の強さは大体においてその当時の悟空たちが束になっても敵わない程です。だからこそ「どうやって勝つんだ」という緊張感が生まれます。ここで問題になるのはフリーザの強さです。これまでの『ドラゴンボール』のセオリーでいくなら、フリーザは短期間で悟空たちを圧倒できるくらいの力をつけているはずです。おそらく、ファンはそんなフリーザと悟空の超バトルを期待していたのだと思います。確かに、本作のフリーザは強いです。何せ超サイヤ人ゴッド超サイヤ人と互角に戦えるくらいなのですから。ただ、問題はこの超サイヤ人ゴッド超サイヤ人は、悟空だけではなく、ベジータもなれる点です。つまり、最初から2人でかかれば余裕で倒せるのです。しかも悟空陣営には破壊神もいるし、仙豆もあります。対して、フリーザ様は最終的には1人です。あまりに戦力差があるため、前作とは違う意味で緊張感が無く、寧ろ必死に修行して強くなったフリーザを侮辱してる感があって若干不快に思えてしまいました。おそらく、期待に反してこの出来だったので、ここまで評価が悪かったのかなぁと思います。

 

 ただ、良い点ももちろんあって、特に良い点が、サイヤ人以外にも見せ場がある点。他の作品ではだいたい前座みたいな扱いで、やられ役ばっかりでしたが、本作では雑魚戦とはいえ、全員に見せ場が用意されています。ピッコロ、クリリンは以前の劇場版にも見せ場はありましたが、まさか天津飯まであるとは。この点は良かったです。また、戦闘シーンとか、ストーリーとかも前作よりは良いです。前回は完全な茶番でしたから。ただ、超サイヤ人ゴッド超サイヤ人になる下りはもうちょっとテンション上がるように作ってくれればよかったのにねとは思います。

 

 

 最新作の感想です。こちらは本作と比べて素晴らしい作品でした。
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