暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

2018年夏アニメ感想④【あそびあそばせ】

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 2018年の6月、夏クールに視聴するアニメを探していた時のことです。私はアキバ総研の新作アニメ一覧を参照して視聴するアニメを決めているのですが、そこで本作を知りました。貼られている画像は可愛らしい女の子が3人。そして作品紹介文には、「3人の女の子が「遊び人研究会」なる部活を作り、そこでの出来事を描くギャグ作品、とのことでした。これを読み、私はなるほど、と思いました。「要するにこれは日常系で、女の子がキャッキャウフフと戯れている様が楽しめるアニメなんだな」と。なので、とりあえず視聴して、つまらなかったら切るか。制作もラルケだしと視聴前はそこまで期待していませんでした。

 

 結論から言えば、本作は詐欺アニメだったのです。これを視聴者に分からせるという意味では、1話は最高の出来だったと思います。まずOPが始まり、出てくるのは純白のワンピースに身を包んだ3人の女の子。そして本編が始まるわけですが、ここから本性を現してきます。繰り出されるのは、ひどい変顔、萌えアニメとはまた違ったベクトルの残念な頭を持ったキャラクターと、彼女たちのエキセントリックすぎる言動でした。そしてそれらが軽快なテンポで繰り出されるので、初見時は事前の想像とのあまりの落差に困惑しっぱなしでした。そしてEDはOPとは正反対の真っ黒な画面に引っ掻いて描いたようなキャラがヘビメタするというものでした。こっちが本性だったのです。つまり、本作は「かわいい女の子がキャッキャウフフするアニメ」ではなく、「中身が残念な女の子たちがアホなことやってるアニメ」だったのです。このように、本作の1話は「見かけとあまりにも違う内面」という本作の構造を視聴者に納得させたものでした。

 

 本作のメインキャラは「遊び人研究会」の3人の女の子です。彼女たちの中には、特定の突っ込み役がいません。では全員がボケ担当かと言えばそれも違います。この3人は皆ほどほどに常識を持っていて、ほどほどにバカなのです。だから、話によって担当が違うのです。この3人がボケと突っ込みを入れ代わり立ち代わり担い、キャラのボケやエキセントリックな行動に過剰に反応することで笑いを生みます。これには声優さんの力量もかなり関わっていて、過剰にワーキャーする、辛らつなトーンの声、冷静な突っ込みなど、バリエーション豊かな演技で笑かしてきます。この点は、特にメインキャラ3人の貢献は計り知れないものがあると思います。しかも途中から下ネタまで入ってくるのです。そしてこれらをテンポよく見せる脚本と絵コンテ、演出も素晴らしいなと。笑いってテンポがとても大事だと思っているのですが、本作はこのテンポが半端じゃなく良いので、ここでも笑かしてきます。

 

 この3人に加えて、さらに変なもの(遊びとか、ゲーム)やエキセントリックすぎるキャラ(生徒会長とか副会長とか将棋部部長とか前多とか)が登場し、それに対してあそ研3人が上述の反応をするので、そこも笑いを誘う要素となっています。

 

 つまり、本作はキャラクター、テンポ、演出、全てがギャグアニメとしてハイレベルな作品なのです。個人的に夏アニメの中では特に楽しめました。ダークホースでした。