暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

2018年春アニメ感想①【ヒナまつり】

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 原作未読。それでも見始めた動機は単純で、公式サイトの『E.T』パロディとあらすじが面白かったから。こんな適当な動機で見始めたのに、終わってみれば今期の個人的ベストの作品と言えるくらいハマっているのだから、本当にアニメは見てみないと分からないものですね。


 ある日、インテリヤクザの新田義史の元にヒナという謎の超能力少女が現れる。どうやら彼女はある組織から使命を受けてやってきたらしい。脅迫されて色々あって新田は彼女と共同生活を始める。というギャグアニメ。


 「超能力少女が普通の人間と共同生活する」これだけ聞いて私が思い出したのは、昨年の4月から6月まで放送されたアリスと蔵六』。しかし、見てみると、本作はあれほどハートフルな成長の内容ではなく、描かれるのはとても生々しい「成長」です。作中最も感動的なエピソードが多いのはアンズだと思うのですが、彼女の場合、ホームレスに身をやつし、ホームレス生活を通してお金の大切さ、労働の大切さ、人間のかかわりの大切さを知っていくのです。しかしそこで描かれるのは地味にリアルでシビアな現実。ホームレス稼業で1日で稼げるお金が瞳ちゃんのバイトの時給の半分くらいだったり、段ボールハウスで生活したり、「もったいないから」という理由で水でシャワー浴びてたりします。後半のラーメン屋の店主の反応は我々視聴者の反応そのままです。


 他のヒロインもだいぶひどい。普通の人間の瞳ちゃんはヒナに関わったばっかりにゲスな大人に違法労働させられ、中学生にして社会の厳しさに直面し、マオは無人島の1人暮らしからの大陸横断という背負わされるわけで。


 一方、メインヒロインのヒナはどうかと言えば、こちらは別の意味でひどい。金持ちの新田の家にたまたま落ちただけで贅沢三昧の日々を送っています。そこで培われた人間性が他のヒロインたちと全く違うものになっているのがまた面白い。


 本作で凶悪なのは、これら全てをギャグで処理している点。基本的なボケと突っ込みのテンポがとても良かったり、独特のシュールなノリがあるので、それだけで笑えます。本作はそれに加えて、やっていることはシリアスなのに、演出がギャグなので、見終わって、泣いたらいいのか笑ったらいいのか深刻になればいいのか全く分からないという複雑な感情に襲われます。なので、いい話があっても、「こ、これはいい話、なのか?」とか考えてしまいます。また、作画も無駄に良いため、そこもツボです。

 

 このように、ギャグでありながらたまに感動的で、それが独特の空気を生んでいる作品で、毎週笑えたいい作品でした。2期あったら見たいなぁ。

 

 

 

 

 原作漫画。読んでみようにも時間と金が・・・。

ヒナまつり 1 (HARTA COMIX)

ヒナまつり 1 (HARTA COMIX)

 

 

 BD。これはどうすっかな。