暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

2018年冬アニメ【ヴァイオレット・エヴァーガーデン】1話感想

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 早いもので、もう1月も終わり、2月に入りました。それなのに1話の感想を書いている私って何なのでしょうか。もう少し早く書きたいですね。

 PVなどで映される驚異的なクオリティで、放送前から話題だった本作。実際に見てみると、ただでさえクオリティの高いアニメを作る京都アニメーションが、Netflixの資本を得たことで、とてつもないクオリティの作品を作っており、ある意味、TVアニメのクオリティの限界に挑戦しているような作品でした。

 キャラの芝居が他の制作会社と頭1つ抜けているところはいつもの京アニです。ヴァイオレットに関していえば、一挙一動から、彼女がどれほど傷ついているかが分かります。例えば、現在は上手く扱えない義手。それによって、カップも上手く持てないし、ナイフも上手く使えない。このぎこちない動きが、彼女の心身にどれほどガタが来ているのか、を表しているような気がします。そしてそれが、「殺人の道具」という彼女の認識とダブり、まさに今の彼女が、心を見失った「機械」のように感じます。

 何故、彼女がここまでになったのか。育ちのせいもありますが、それは、自分の最愛の人、ギルベルトがいないから。彼女が感情を露にするのは、常にギルベルト関連です。しかし、それ以外は淡々としていて、動きもぎこちないため、余計に彼女の、一種の空虚感と言えるものが伝わってきます。

 このようにヴァイオレットは、ギルベルトを失った喪失感と「道具として戦った」ことの傷から、心身ともに非常に傷ついています。中盤のヴァイオレットの体の生傷が、彼女の心の傷を暗示しているようでもありました。

 そして終盤、ヴァイオレットは「愛」の意味を知るために自動手記人形の仕事をしたいと志願します。しかし、、冒頭から、彼女が「愛」を抱いていることは明白。でも、自覚してはいない。だから、冒頭の病室でギルベルト宛に手紙を手で書こうとして書けなかったのでしょう。そして今、自動手記人形として他人の気持ちを書くことで、「愛」を知ろうとしているのでしょうか。

 それならば、他人を殺す「道具」として生きてきた彼女が、他人の気持ちを書く「人形」として生きることで、1人の「人間」としてどう変わっていくのか、今後が非常に楽しみな作品です。

 つーか、今期ヤバいな。良い作品がたくさんある。