暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

【GODZILLA 怪獣惑星】感想

f:id:inosuken:20171125165744j:plain

 

60点

 

 ゴジラ、初のアニメーション作品。情報が発表されてから、面白い試みだと思いつつ、これまでのゴジラを観ていた付き合いで鑑賞しました。

 感想として、本作は「ゴジラ」の世界を1度完全に解体し、ミリタリーとSF設定を盛り込んで再構築した、ニトロプラスゴジラと呼べるものになっていました。戦う手段もそうですし、SF要素も、ゴジラという核はきちんと残しつつ盛り込んでいましたね。

 また、舞台も2万年後の地球とのことでしたが、ぶっちゃけキングコング 髑髏島の巨神」です。もしくは、イェーガーが作られなかった「パシフィック・リム」です。このように、本作ではとにかくゴジラ」の既成概念を壊していってます。ここまで壊せるのは「シン・ゴジラ」の成功があったからでしょうね。本作で、あの作品のゴジラシリーズにおいての重要性を再確認できました。

 しかし同時に、本作には歴代ゴジラへのオマージュが多々見受けられます。例えば、主要キャラの3つの種族です。地球人、ビルサルド人、エクシフ。元はおそらく、ビルサルド人がブラックホール第3惑星人で、エクシフがX星人でしょう。そして、冒頭ではカマキラスアンギラスなど、お馴染みの怪獣が出てきます。本作はこうしたゴジラのキャラクターをユニバース化しています。ここら辺はとても良い。

 さて、話は単純で、ゴジラに強い憎しみを持つ進撃の巨人」のエレンみたいな主人公が、仲間と共にゴジラを倒す、といったものです。本作はこの1点に話が絞られています。なので展開は早く、主人公が全権を獲得するまでトントン拍子で進むため、そこら辺は都合良すぎじゃないかとか思いました。

 ここまで、舞台設定は「キングコング 髑髏島の巨神」、主人公とその一行は「進撃の巨人」のようですが、内容はゴジラ」の核までは失っていませんでした。

 本作のゴジラは、メトフィエスが言うには、「その星の支配者と奢り昂った存在を粛正するために現れる存在」とのことでした。1954年版ゴジラも、そもそもは水爆や戦争のメタファーであり、人類への警鐘の意味が込められていました。この意味において、本作のゴジラは、核たる部分は失っていないのです。

 また、内容も1作目を彷彿とさせる箇所があります。特にラストシーンですね。あの展開は明らかに1954年版のラスト、山根教授の発言を意識していると思います。登場人物たちと共に私も驚きましたが、伏線はありましたよね。そう、雄叫びが違います。なので、本物(正に真・ゴジラ)が出てきて、雄叫びをあげたときは震えました。この「ゴジラが複数いる」のも、歴代ゴジラへのオマージュなんですかね。

 今作で1954年版ゴジラは終わりました。次はメカゴジラが出るというし、昭和ゴジラを下敷きにするのかな、と予想してみます。後はエクシフですね。X星人がモデルだとすれば、絶対何か企んでますよ、あいつら(←偏見)。

 ともかく、発想は面白いし、既成概念を壊し、新しいゴジラを作ろうという姿勢は素晴らしいと思います。買います。ですが、観終わった今だと、次作はレンタルでも良いかなとか思ってます。