暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

【マイティ・ソー ダーク・ワールド】感想

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65点

 

 「マイティ・ソー」の続編。MCUの劇場公開順的には、「アイアンマン3」の方が先ですが、ソーの新作が間近に控えているため、先にこちらを鑑賞しました。残念ながら前作はそこまで面白いと思えなかったのですが、今作は前作よりは面白いと思いました。

 前作はソーのオリジンとロキとの確執を描いていましたが、オリジン部分はさらっとやっただけだったし、メインのロキとの確執も身内の争いに終始していて、地味になってしまった印象がありました。まぁ北欧神話ベースの時代ものとして描いていたので、仕方がない気はしますが。

 しかし、今作はきちんと敵国があって戦う敵側のボスも強キャラ感がありますし、迫力ある戦闘が繰り広げられます。また、ソーのオリジンは済ませているため、すんなり話に入って行けたことも大きかったのかなと思います。

 さて、今作は、ソーの物語としては、彼が「王になる」という当初の目的を脱し、自身の、真に戦う意味を見つける話でした。そしてその対比としてロキがいます。この構図が、前作より、より鮮明になったなと思います。

 ロキは今作におけるトリック・スターで、よく観てみると、今作は彼がとても面白いんですね。時系列的な前作「アベンジャーズ」でボコボコにされて以来、どこかネタキャラ感が増した彼ですが、今作では非常に複雑な感情を見せます。父親とソーは憎たらしいのですが、母親だけは憎めず、死んだときに人知れず取り乱し、敵を討つために一時的にソーに協力したりします。まぁ彼はハッキリとしないところがある男ですが、それが後半のある展開に非常に効いてきますし、グッと来てしまいます。しかしその後にちゃっかり感動を返せと思わせる展開があるなど、やっぱさすがだなと思いましたね。

 この一筋縄ではいかない性格が、脳筋で一直線なソーと対比され、彼らの表裏一体感が増した気がしますね。

 VFXを使いまくりの戦闘シーンも良かったですね。しかし、どことなくスターウォーズ」新三部作に似ていた気がしないでもないですね。

 ここまで前作よりも面白いと書きましたけど、微妙なところも多かったのも事実です。まず、脚本がやっぱり雑。アズガルドと人間界に都合よく移動しすぎだし、終盤にペンで線を引いただけで場所を特定できるなど、展開もご都合主義が目立ちます。

 さらにシリーズ全体の問題として、話そのものに乗れないってことがあります。それはこのシリーズが神VS神の構図で、我々人間のような下々の存在には共感しにくいのです。ヒーローって、普通の人間に希望なり勇気なりを与える存在だと思っているのですけど、このソーは一般人との交流をあまりしないし、しても仲間のため、モブに何か影響を与えている描写が少ないんですね。だからかあまりヒーローものとして楽しめないというか。

 というか、ソーもかわいそうですね。だって前作から戦っている敵って、自分より前の世代が生み出した責任ではないですか。今の世代が前の代の責任を清算する、ここは非常にリアルな話ですね。

 このように、基本的に乗れない部分もあるのですが、前作よりは楽しめましたので、次作も見たいと思います。

 

 私の前作の感想はこちら

inosuken.hatenablog.com