暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

2017新作映画

【スター・ウォーズ/最後のジェダイ】感想 ※ネタバレあり

75点 遂に観ました。世間では賛否がパックリと割れている本作。思い入れが強い方が多いシリーズですし、本作でやってることを考えれば当然ですね。むしろ前作で上手くやったことの方が異例だったのだと思います。ちなみに、図らずも2017年最後に観た…

人の善意が希望を作る【希望のかなた】感想

80点 アキ・カウリスマキ監督「難民三部作」の第2作。意図せずして35mmフィルム版で鑑賞しました。全体的に温かみがある映像で、作品の雰囲気に非常にマッチしていました。 本作はシリア難民問題を扱った作品です。非常に深刻な問題ですが、レストラ…

【gifted/ギフテッド】感想

77点 数学に関して天才的な頭脳を有する女の子と、父親になりきれない男の話。タイトルは「gifted」つまり、「与えられた才能」です。直接的には、これは女の子の頭脳のことです。しかし、同時にキャッチコピーの通り、「愛する」才能も示していると思いま…

【オリエント急行殺人事件(2017年)】感想

56点 言わずと知れたアガサ・クリスティーの代表作。ただでさえ事件の真相は有名なのに、日本では2015年に三谷幸喜さんがドラマ化しているため、余計に真相は知れ渡っています(映画のロビーで、おばさん達が予告を観ながら「これ、あれだよね」と盛大…

3兄弟が世界の巨大な「闇」に抗うノワール作品【ビジランテ】感想

95点 冒頭が非常に印象的です。闇の中を3人の兄弟が川を渡っていくアレです。後ろから追いかけてくるのは横暴な父親。彼らはその暴力から逃げ出してきたのです。しかし、3人は川に足をとられて上手く走れず、もがきながらも逃げ続け、長男だけが向こう岸…

【パーティーで女の子に話しかけるには】感想:ちょっと変わったボーイ・ミーツ・ガール

80点 予告を観て面白そうだったので鑑賞。その独特の設定と突飛な展開で賛否あるらしいですが、私にとっては非常に面白い作品でした。というのも、映画として突飛でも、内容的にはエンとザンの純然たるボーイ・ミーツ・ガールだったからです。白状すると最…

【ドリーム】感想

95点 原題「HIDDEN FIGURES」。訳すと、「隠された数式」本作は「数学」がメインテーマとなているので、その意味もあります。しかし、「能力はあるのに不当に差別され、存在が知られていなかった人」の意味もある、というように、いくつにも意味が重なって…

【彼女がその名を知らない鳥たち】感想 ※ネタばれあり

80点 「凶悪」「日本で一番悪い奴ら」の白石和彌監督作品。今回は実録作品ではなく、小説が原作。しかもミステリーで、「愛」が主題の作品。知ったときは中々異色な組み合わせだなと思いました。でもよく考えてみると、原作が「イヤミス」の評価を得ていた…

【あゝ、荒野 後篇】感想

90点 「あゝ、荒野」後篇です。前篇の感想はこちら。 inosuken.hatenablog.com 映画館で観ようと思っていたのですが、中々予定が合わず、そうこうしてるうちにDVDがレンタルされてしまいまして。近いところで電車で40分くらいのところでしかやってないの…

「人生の選択」の話だと思う。トム・フォード恐るべし。【ノクターナル・アニマルズ】感想

95点 映画が始まった瞬間。私の少ない映画体験の中で、おそらく最も鮮烈なオープニングに圧倒されます。ここから本作がファッション界のカリスマが道楽で作ったものではない事が感じ取れます。 アートギャラリーのオーナー、スーザン。彼女は社会的に成功…

【KUBO/クボ 二本の弦の秘密】感想:超ハイクオリティな映像で描かれる「日本昔話」

85点 「コララインとボタンの魔女3D」「パラノーマン ブライス・ホローの謎」などで知られるストップモーションアニメ制作会社、スタジオライカ最新作。何と今度は日本が舞台。「海外の映画で日本が舞台」と聞くと、思い出されるのはトンデモ日本描写の作…

【ゲット・アウト】感想:サスペンスであり、社会派作品でもある。

86点 全米で大ヒットしたサスペンス・ホラー。サスペンスとしてももちろん面白いですが、それ以上に本作は現代のアメリカの中にある差別意識を風刺し、最終的にそれを全てぶっ飛ばすという痛快な娯楽作品となっていました。 アフリカ系アメリカ人である青…

【密偵】感想:祖国か、服従か

80点 大日本帝国占領下時代の韓国を舞台にしたスパイ映画。こういう舞台でこのジャンルだと必然的に抗日的な内容になりそうなものですが、本作は祖国と統治国の間で揺れ動く主人公の心情に焦点を当てることで、むしろ民族主義的な内容になっていると思いま…

【マイティ・ソー バトルロイヤル】感想

78点 「マイティ・ソー」3部作最終作。今回も例によって、オーディンの過去の負債をソー、ロキの兄弟が清算する話。毎回毎回親父の負債を処理させられる2人には同情を禁じ得ませんが、今回は事情が違います。今回の敵はソーの姉、破壊の神・ヘラ。アベン…

【IT/イット”それ”が見えたら終わり】感想:ホラー版「スタンド・バイ・ミー」

80点 現在、大ヒット中のスティーブン・キング原作のホラー映画。正直、ホラーは苦手なのですが、食わず嫌いは良くないし、久しぶりに単純に怖い目にあいたいなという欲求が急激に高まっていたので、鑑賞しました。 しかし、正直、そこまで怖くありません…

【GODZILLA 怪獣惑星】感想

60点 ゴジラ、初のアニメーション作品。情報が発表されてから、面白い試みだと思いつつ、これまでのゴジラを観ていた付き合いで鑑賞しました。 感想として、本作は「ゴジラ」の世界を1度完全に解体し、ミリタリーとSF設定を盛り込んで再構築した、「ニト…

核家族版『仁義なき戦い』なバイオレンス・コメディ【全員死刑】感想

85点 かつて福岡で発生し、家族全員に死刑判決が下った連続強盗殺人遺棄事件。それを追ったルポを原作とした実録映画。事件が事件だけに、どれだけ陰惨な話なのかと思って観てみましたが・・・・完全にコメディでした。確かに、劇中には暴力が吹き荒れます…

【RE:BORN】感想:世界と渡り合える、日本のアクション

90点 タマフル監督自薦枠で取り上げられていたことで存在を知りました。そこで読まれた監督の「世界と渡り合えるアクション」とはどんなもんじゃいな、と思い、鑑賞しました。 いやぁ、凄まじいアクションでした。ストーリーは正直、単純です。穏やかな暮…

【あゝ、荒野 前篇】感想:彼らはそこにいる

84点 故・寺山修司の、唯一の長編小説を映画化した作品。彼の作品は全く読んだことがありません。詩人ということは知っていますが、私の中で大きいのは、「あしたのジョー」の力石徹の葬式を開いた人間だということです。そこまで熱狂的なファンだったのか…

【ブレードランナー2049】感想:正当な続編であり、前作のリメイクともいえると思う。 ※ネタバレあり

88点 「ブレードランナー」の35年ぶりの続編。監督は「メッセージ」のドゥニ・ヴィルヌーヴ。前作が熱狂的な支持を得ているため、監督にとっては非常に分が悪い作品であるのは明白。しかしてその出来は、「ブレードランナー」の続編として、申し分ない作…

【女神の見えざる手】感想:女性版「ハウス・オブ・カード」

94点 凄腕ロビイストの女性が銃規制法案を可決させるサスペンス。監督は「恋に落ちたシェイクスピア」でアカデミー賞を受賞したジョン・マッデン。「恋に落ちたシェイクスピア」は今ハリウッドを騒がせているハーヴェイ・ワインスタインが金でアカデミー賞…

【わたしたち】感想:必要なのはその一言

88点 韓国映画です。本作は学校という大変窮屈な空間の中で繰り広げられる、小学生にとってのサバイバル劇です。と同時に、綺麗な友情の話でもありました。 小学4年生のソンはクラスで孤立している。ドッヂボールのときは「線を踏んだ」と言いがかりをつ…

【バリー・シール アメリカをはめた男】感想:※アメリカにはめられた男の話です。

65点 民間の航空会社でパイロットとして働くバリー・シール(以下、バリー)。彼は日々の業務をこなしつつ、キューバ製の葉巻をアメリカに密輸し、小遣い稼ぎをしていた。そしてそれに付け込まれ、CIAの極秘密輸作戦に参加させられる。そしてその過程で出会…

【50年後のボクたちは】感想:拗らせ少年の夏の思い出

73点 メンズデーで、「パターソン」と合わせて鑑賞した本作。鑑賞しようと思った理由は、予告で、主人公がクラスのマドンナ的存在にも招待されない「イケてない奴」だったからですね。評判もまずまずだし、これは観ておかなくては思いました。 クラスで浮…

【アトミック・ブロンド】感想:やっぱシャーリーズ・セロンは最強

73点 結論。シャーリーズ・セロンは最強。最近、「強い女性」が描かれる作品が多いですが、本作はその決定版ともいえる作品だと思いました。 顕著なのは戦い方です。彼女、腕力でどうしても劣ってしまう女性が男性と対等にやりあうための戦い方をしてるんで…

【パターソン】感想:日々が愛おしくなる映画

80点 ニュージャージー州パターソンに住む男・その名もパターソンの一週間を淡々と綴った作品。ジェム・ジャームッシュは初です。ちょうどいい具合に時間ができたので、「50年後のボクたちは」と合わせて鑑賞しました。 感想としては、めちゃくちゃ羨まし…

戦争を体感する映画【ダンケルク】感想

79点 冒頭、少年たちが街中を彷徨っている。街には人っ子1人いない。空からは「降伏せよ」と書かれた紙が降ってくる。少年たちが途方に暮れていると、突然、銃声が響いた。狙撃されているようだ。敵は見えない。ただただ音が聞こえる。少年たちは必死にな…

【スイス・アーミー・マン】感想:一家に一体は欲しいハイスペック死体との友情

65点 映画の冒頭、無人島に漂着した男が首を吊ろうとしている。しかし、恐ろしくてできない。グズグズ迷っていると、ふと海岸に1人の男が横たわっているのを発見する。残念ながらその男は死んでいたが、何か音がしている。よく観察してみると、それはオナラ…

【散歩する侵略者】感想:人を人たらしめているものとは ※ネタバレあり

78点 初めて題名を聞いたときは、「ウルトラセブンのタイトルみたいだな」と思いましたが、観てみたら本当にセブンのような話でした。原作者である前川知大さんも「セブンには影響を受けた」とインタビューで仰っていました。でも、内容は「散歩する惑星」…

【三度目の殺人】感想:自分が見ている世界を崩される感覚

98点 これまで「家族」を主題にして映画を作ってきた是枝監督による、自身初となる法廷劇。観てみると、これまで自分が見てきた世界が全て崩されたかのような感覚を覚えるとんでもない作品でした。 今作の制作の発端は、是枝監督が弁護士にインタビューを…