暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

新作映画(2019年)

そのままの自分が、最高にクール【エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ】感想

91点 何でもアメリカの前大統領、バラク・オバマが2018年のベストに選んだという本作。私はオバマは別にいいのですが、本作の高い評判は前から入ってきていまして。雰囲気的に同じような感じの『レディ・バード』も素晴らしかったので楽しめるんじゃな…

紛れもなくジョーカーの映画であり、ヴィランの映画でもある【ジョーカー】感想

99点 『アクアマン』、『シャザム!』と、DCEUを見直した途端に傑作、秀作を連発するようになったDC映画。現在、MCUとは違う意味で好調になりつつあるDCが放ったのは、あのバットマンの宿敵にして、アメコミのスーパーヴィランの中でも抜きんでた存在感を…

人と人を繋ぐ物語【ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 永遠と自動手記人形】感想

87点 2018年に放送され、(京アニ制作の中でも)驚異的な映像クオリティを見せつけた「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の劇場版作品。私はTVアニメは楽しく見ていたので、その劇場版作品ということならば例え外伝だろうと鑑賞するしかないというこ…

浮き彫りになる、人間の闇【誰もがそれを知っている】感想

80点 『海辺の生と死』『セールスマン』のアスガー・ファルハディ監督最新作。彼の最新作ならばということでもちろん鑑賞した次第です。 ファルハディ監督は、『セールスマン』において、「妻を襲ったのは誰か」というミステリー的な内容をメインに据えつ…

今年最高のおバカ映画、爆誕!!【映画 この素晴らしい世界に祝福を! 紅伝説】感想

80点 暁なつめ先生原作による、「小説家になろう」発のライトノベル、「この素晴らしい世界に祝福を!」の劇場アニメ作品。私は2016年、17年に放映されたTVアニメは見ており、「嫌いじゃない」と言えるくらいには好きなのでわざわざムビチケまで買っ…

引き裂かれた者たちの友情【工作 黒金星と呼ばれた男】感想

94点 過去に韓国に実在したスパイ、黒金星を題材にしたスパイ映画。監督は『群盗』、『悪いやつら』のユン・ジョンビン。映画秘宝にて絶賛レビューが載っていたので興味が湧き、公開当初には間に合わなかったものの、セカンド上映にて鑑賞してきました。 …

驚異的な色彩美で描く、影の物語【SHADOW/影武者】感想

65点 最初は観るつもりはありませんでした。では何故観ようと思ったのかと言えば、私が購読している映画秘宝のレビューで、「チャン・イーモウ復活作」と書かれていたから。世界的な巨匠と言われていながら、私はチャン・イーモウ作品は観たことがなかった…

神と共に、少年を見守る映画【僕はイエス様が嫌い】感想

76点 若干22歳の方が監督した作品。本作を知ったのはCSの番組でした。気になったのでHPを見てみればそうそうたる方々から推薦されており、「時間があったら鑑賞するか枠」に入れていました。そして去る8月の某日、時間ができたので鑑賞してきた次第です…

世界が持つ二面性【アス】感想 ※ネタバレあり

93点 前作『ゲット・アウト』が低予算ながらサプライズ・ヒットを飛ばし、更にはアカデミー賞脚本賞を獲得してみせた新進気鋭の監督、ジョーダン・ピール。今や映画界で最も注目されているであろう彼の、監督第2作です。私は前作『ゲット・アウト』は観て…

寓意性に富む秀作【ディリリとパリの時間旅行】感想

80点 『プリンス&プリンセス』「キリクと魔女』などを制作した、フランスのアニメーション界の巨匠、ミッシェル・オスロ。彼の最新作です。都内の映画館に行くと度々目にしましたし、そういえばミッシェル・オスロ監督の作品は観たことがないので、新作で…

物語の中で、彼らは生き続けている。タランティーノの愛に泣きました【ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド】感想

95点 クエンティン・タランティーノ監督、通算9作目(『キル・ビル』を2作で1作とカウントした場合)の作品。告白しますと、実は私はタランティーノ作品はそこまで映画館で観たことはありません。観たことがあるのはまさかの『ジャンゴ 繋がれざる者』…

事なかれ主義は破滅への第1歩【隣の影】感想

87点 アイスランド発の映画。ぴあの水先案内で私が信頼している案内人が推薦していたので興味が湧きました。ただ、公開規模が小さいということがあり、時間の関係で中々観に行けず、公開からしばらく経ってしまったのですが、夏休み中にちょうど観られるタ…

自分を解放するミュージカル【ダンス・ウィズ・ミー】感想

76点 矢口史靖監督最新作。私は矢口監督の作品は映画をよく観るようになる前から観ていて、そのおかげで『ロボジー』以外は監督作は全て観ています。平均して面白い作品を送り出してくれている方なのですが、直近の2本は個人的にはどストライクに素晴らし…

全てのものは表裏一体【よこがお】感想

95点 『淵に立つ』でカンヌ国際映画祭「ある視点」部門を受賞した深田晃司監督最新作。私が深田監督の作品と出会ったのは3年前の『淵に立つ』が最初でした。何となく観た作品だったのですが、あまりの救いの無さに、鑑賞後は深い絶望を感じたことを覚えて…

(推定)12歳の少年の告発【存在のない子供たち】感想

95点 レバノン映画。同じ国の作品としては、昨年は『判決 二つの希望』という素晴らしい映画が公開されました。2年連続でこのような作品が日本で公開されているという点で、ひょっとしなくてもレバノン映画は今キテいるのではないか?と考えざるを得ませ…

人生肯定映画。自分も最後はこうありたいなぁ【さらば愛しきアウトロー】感想

75点 ロバート・レッドフォードには、直撃世代ではないためかそこまで思い入れはなく、観たのは『明日に向かって撃て!』とか『スティング』とか『大統領の陰謀』とか『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』といった最近の作品か、超有名作品の…

2人のハゲが、世界を救う【ワイルド・スピード/スーパーコンボ】感想

80点 私はそもそも、『ワイルドスピード』シリーズには何の思い入れもありませんでした。なので当然、これまで過去作を観ることはありませんでした。そんな私が、何故ファンが楽しむことを前提としたスピン・オフを観る気になったのか。それは本作の監督に…

20周年にふさわしい「お祭り映画」【劇場版ONE PIECE STAMPEDE】感想

80点 現在、週刊少年ジャンプにて連載中の国民的海賊漫画「ONE PIECE」。原作は2019年現在、連載22年目に突入し、TVアニメも今年で20年目になります。私はTVアニメはエニエスロビー編で見るのを止めてしまったのですが、原作は相変わらず買ってま…

喪失を乗り越え、再生する人々【凪待ち】感想

93点 凪とは、風が止んで、波がなくなり、海面が静まること。本作のタイトルは、それを待つことを意味します。そこには、震災で被災した街が復興すること、ギャンブル依存症で、愛する人を失った郁男がもう一度歩き出す姿と、「新しい地図」として再始動す…

【僕たちは希望という名の列車に乗った】感想

93点 1956年の東ドイツを舞台にした作品。非常に評判が良いので鑑賞しました。鑑賞したのは実は5月の末。忙しさにかまけて感想を書くことができず、ここまで延び延びになってしまいました。いい加減書かないと内容とか、映画を鑑賞したの感想が消えて…

静かだけど、情熱的な映画【COLD WAR あの歌、2つの心】感想

75点 初ポーランド映画。鑑賞理由は簡単で、本作がアカデミー賞外国語映画部門にノミネートされたから。公開規模的にすぐに終わってしまいそうな気配だったので、公開後、すぐに鑑賞してきました。だから1カ月越の感想になります。受賞歴、ポーランド映画…

言いたいことはあるけど、姿勢は大いに買います【新聞記者】感想

60点 ジャーナリスト、望月衣塑子さんの著作「新聞記者」を原案とした社会派映画。日本映画というのは政治的な映画が非常に少なく(この辺に関してはちょっと言いたいことがある)、お隣の韓国やハリウッド等が政治的な内容をエンタメに上手く落とし込んで…

そうだ新海誠、あなたはそういう人だった!【天気の子】感想 ※ネタバレあり

89点 2016年に公開された『君の名は。』が誰も予期していなかった特大ヒットを飛ばしてしまい、現状、(少なくとも興行収入的な意味で)ネクスト・宮崎最有力候補となった新海誠。本作は、彼の真価が試される3年振りの新作です。 『君の名は。』は奇…

「ヒーロー」としての責任の自覚【スパイダーマン ファー・フロム・ホーム】感想 ※ネタバレあり

88点 『スパイダーマン ホームカミング』より2年ぶりのMCU版『スパイダーマン』。MCU全体の前作は、シリーズの大団円である『アベンジャーズ/エンドゲーム』。『エンドゲーム』は、広げ切った風呂敷を完璧に畳んでみせた最高の完結篇であったわけで、個…

「役割」を終えたその先へ【トイ・ストーリー4】感想

採点不能 『3』で完璧に完結したと、誰もが思っていた『トイ・ストーリー』シリーズ。そのまさかの続篇。正直、制作発表を聞いたときは当時のピクサーの不調と関連付けて、とうとう「完結作の続篇」という安易かつ絶対にやってはいけない手段に手を出してし…

「生命の起源」から、自分を見つめ直すジュブナイル【海獣の子供】感想

87点 2006年から2011年にかけて「月刊IKKI」にて連載されていた五十嵐大介先生原作の漫画を劇場アニメ化した作品。私は、原作については、存在は知っていたけど読んではいなかったのですが、スタジオ4℃作品なので鑑賞しました。 実は、私が本作を…

「違い」こそ最大の長所【ダンボ(1941年)】感想

77点 3月に公開された、ティム・バートン版『ダンボ』の予習の意味で鑑賞。実写版のほうは結局観なかったのですが、かといって本作を観たことが無駄になったかといえばそんなことはなく、名作とされているだけあってとてもいい作品でしたし、70年以上前…

まっすぐな思いが、人々をつなぐ【バジュランギおじさんと、小さな迷子】感想

75点 観たのは2月の始め。それなのに何故感想を書くのがこんなに遅くなってしまったのかというと、あまり言葉が出てこなかったから。これは感動したというよりも、本作があまりにも「いい話」であり、「良かったね」以外の感想がなかなか出てこなかったの…

ある意味で湯浅監督の到達点【きみと、波にのれたら】感想

87点 昨年、アヌシー国際アニメーション映画祭において、宮崎駿、高畑勲以来、日本人監督として最高賞であるクリスタル賞を獲得した鬼才、湯浅政明。興行的な成功はまだありませんが、制作本数、そして各国の評価に関していえば、アニメーション監督として…

1人の女性の、人生のはじまり【旅のおわり 世界のはじまり】感想

88点 日本人監督として、おそらく世界で最も評価されている監督の1人、黒沢清。これまでホラー、サスペンス、SF、ヒューマン・ドラマなど、実に多彩な作品を作り続けてきた彼が次に放ったのは、ウズベキスタンで自分探しをする女性の話でした。私は黒沢作…