暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

新作映画(2019年)

1人の女性の、人生のはじまり【旅のおわり 世界のはじまり】感想

88点 日本人監督として、おそらく世界で最も評価されている監督の1人、黒沢清。これまでホラー、サスペンス、SF、ヒューマン・ドラマなど、実に多彩な作品を作り続けてきた彼が次に放ったのは、ウズベキスタンで自分探しをする女性の話でした。私は黒沢作…

「非凡さ」を手に入れようとした末路【アメリカン・アニマルズ】感想

89点 2004年、ケンタッキー州トランシルヴァニア大学で起こった時価1200万ドルの画集窃盗事件を題材にした作品。私は新宿武蔵野館で『THE GUILTY/ギルティ』を観た時に予告を観て存在を知りました。ただ、最初はそこまで見るつもりはなく、スルー…

「男を手玉に取る女」峰不二子【LUPIN THE ⅢRD 峰不二子の嘘】感想

78点 『峰不二子という女』より続く『LUPIN THE ⅢRD』シリーズ最新作。今回焦点が当たるのは、ルパンファミリーの紅一点、峰不二子。正直、不二子に焦点を当てた作品なら、同じくアダルト路線を追求した「峰不二子という女」というTVシリーズがあるため、…

究極の『ゴジラ』ファンムービー【ゴジラ キング・オブ・モンスターズ】感想

80点 2014年に公開された『GODZILLA』の続篇にして、そこから始まったモンスター・バースの最新作。本作はゴジラと同じく東宝を代表する怪獣であるモスラ、ラドンが参戦し、ゴジラは最大の宿敵、キングギドラと対峙します。つまり『三大怪獣 地球最大…

無名が可愛すぎて最高です。本当にありがとうございました【甲鉄城のカバネリ 海門決戦】感想

72点 2016年にノイタミナ枠で放送されたオリジナルアニメーション「甲鉄城のカバネリ」の劇場版。監督は荒木哲郎、制作会社はWIT STUDIOと、「進撃の巨人」のスタッフが揃っています。放送当時は「進撃の巨人」のノウハウをそのまま注ぎ込んだダイナミ…

これが、完全燃焼アニメーションだ【プロメア】感想

89点 『天元突破グレンラガン』『キルラキル』を生み出した今石洋之×中島かずき×TRIGGERの最新作。私は上記の2作品は好きで、制作会社のTRIGGERについても、毎クール作品が放送されていればチェックするくらいにはファンです。そんなスタッフが再結集する…

王道は外しながらも、まっとうな青春映画【劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~】感想

80点 武田綾乃先生による同名小説のアニメ化作品。TVアニメは2015年から放送され、現在2シーズンを数えています。映画はこのTVシリーズをまとめた総集編が2本と、外伝作品『リズと青い鳥』が1本あります。私は何だかんだで総集編以外は観ているので…

ヒーローのオリジンとして、家族の物語として素晴らしい【シャザム!】感想

82点 『アクアマン』で興行的にも批評的にも大成功を収め、一気に信頼を回復した感があるDC映画。次に放ったのは、「見た目は大人!中身は子ども!」という、日本の国民的名探偵を彷彿とさせる奇抜なヒーロー、シャザムでした。予告を観る限りはすこぶる愉…

「権力」の恐ろしさ【バイス】感想

93点 2001年の9.11テロ当時、ブッシュ政権において副大統領を務めた男、ディック・チェイニーを取り上げた評伝映画。過去、様々な評伝映画が制作されましたが、それらはどれも大統領や、名は成さなかったにしても知名度はある人物のものでした。し…

「片想い」の恋愛を赤裸々に描く【愛がなんだ】感想

77点 存在を知ったのはwowowぷらすとの2018年ベスト映画の動画にて。そこで誰かが絶賛していて観る気になり、初日に鑑賞してきました。鑑賞後は色々な感情が渦巻いていて、中々感想がまとまらず、結果、書くのがここまで遅くなりました。 巷には恋愛映…

「ポケモンがいる世界」の見事な映像化【名探偵ピカチュウ】感想

77点 2018年に発売された、同名ゲームの映画化作品。私はゲームは全くやっておらず、CMでやっていた大川透さんの声だけがやたらと印象に残っています。そんなボンヤリとした印象しかなかったので、「ハリウッドで映画化!」と聞いても全く期待していま…

「どうしたんだ、原恵一!」と戸惑わずにはいられない【バースデー・ワンダーランド】感想

40点 『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』、『河童のクゥと夏休み』など、これまで傑作を多く世に送り出してきた原恵一監督。非常に強い作家性を持ち、故に『クレヨンしんちゃん』以外はそこまで大規模な公開はなく、興行収入…

まさしく11年の集大成。これまでの全ての作品に感謝します【アベンジャーズ/エンドゲーム(IMAX3D字幕)】感想 ※ネタバレあり

100点 遂にやってきた、MCU11年間の集大成。私は『アイアンマン』1作目から映画館で追いかけている!という長年のファンではなく、むしろ積極的に追い始めたのは2年前からというぺえぺえ。しかし、そんなことはどうでもよく、本作については昨年の『…

「すべてがサイコー!」のその先へ【レゴ(R)ムービー2(日本語吹き替え版)】感想 ※ネタバレあり

86点 「レゴをレゴのままアニメーションにする」という前代未聞の試みと、完成度の高い脚本、そして「レゴ」だからこそ込められる普遍的なメッセージ。前作は、劇中の歌の通り、「全てが最高」な作品でした。 本作はそんな前作『レゴ(R)ムービー』の5年…

全てを受け止め、「解放」されるヒーロー【キャプテン・マーベル】感想

80点 サノスの野望が成就し、宇宙の全生命体の半数が消滅した『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のラスト。誰もが絶望に包まれる中、ニック・フューリーは端末で何者かにメッセージを送っていました。この状況を打破できるとは一体どんなヒーロー…

目を覚ませ。正しいことをしろ。【ブラック・クランズマン】感想

95点 『ドゥ・ザ・ライトシング』、『マルコムX』を監督したスパイク・リーの最新作。内容は「黒人警察官がKKKに潜入捜査する」というウソのようなホントの話。私は彼の作品を観たことがなく、今回鑑賞したのは、まぁぶっちゃけアカデミー賞という話題性で…

メチャクチャだけど、俺は好きだよ【麻雀放浪記2020】感想

53点 ピエール瀧が麻薬所持で逮捕されてしまったため、出演作が続々公開延期になっている中、ノーカットで公開するという大英断をした本作。この姿勢だけでも応援したくなりますし、白石和彌監督の新作なので鑑賞しました。ちなみに原作未読です。 観てみ…

何が「権力」に力を与えるのか?【ちいさな独裁者】感想

78点 ナチス・ドイツの敗戦が濃厚になっていた第二次世界大戦の末期、部隊を脱走した上等兵が、偶然空軍将校の軍服を手にしたことから、独裁者に変貌していくという、ウソのようなホントの話。監督は『RED/レッド』『ダイバージェント』シリーズのロベルト…

イーストウッドが、自分への「落とし前」をつけた映画【運び屋】感想

80点 現在、御歳88歳のクリント・イーストウッド。『グラン・トリノ』で俳優を引退したはずの彼の、まさかの監督・主演最新作。脚本は『グラン・トリノ』と同じく、ニック・シェンク。『グラン・トリノ』で映画人として自分自身に決着をつけてみせた彼が…

美しい映像で紡がれる「そうなるしかない」2人【ビール・ストリートの恋人たち】感想

75点 『ムーンライト』でアカデミー賞の作品賞を獲得したバリー・ジェンキンス監督。彼が次に放った作品は、アメリカの文豪、ジェームズ・ボールドウィン原作の小説でした。恥ずかしながら、私はこの作家さんは全く知らなかったのですが、『ムーンライト』…

『トランスフォーマー』をジュブナイルモノとして上手く作った秀作【バンブルビー】感想

78点 世界中でメガヒットを記録した『トランスフォーマー』シリーズ。興行的には大当たりしているものの、さすがはマイケル・ベイ。戦闘シーンは何をやってるのかさっぱり分からないグチョグチョぶりだし、ストーリーはアレだし、そもそもトランスフォーム…

向き合えば、人は分かりあえる【グリーンブック】感想

87点 第91回アカデミー賞、作品賞を受賞した本作。監督は『メリーに首ったけ』等に代表されるコメディ映画ばかり作っていたピーター・ファレリー。しかも内容は1960年代のアメリカ南部を舞台にし、そこでの差別が主題であるという超真面目なもの。「…

勇気さえあれば、誰だってヒーローになれる【スパイダーマン:スパイダーバース】感想

98点 『くもりときどきミートボール』『LEGO ムービー』と言ったアニメーション映画、実写映画『21ジャンプストリート』シリーズなど、練りに練られた脚本で良質な作品を生み出してきたフィル・ロード&クリストファー・ミラー。彼らが制作した『スパイ…

ランティモスと「英国王室モノ」の悪魔合体作品【女王陛下のお気に入り】感想

85点 『ロブスター』、『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』など、寓話性に富み、かなり変わった作品を発表し続け、「ギリシャの変態」と呼ばれた男、ヨルゴス・ランティモス。彼が次に挑んだのは、まさかの英国王室モノ。ハリウッ…

メタファーにまみれた「曖昧な世界」で生きる。【バーニング 劇場版】感想

93点 韓国を代表する監督であるイ・チャンドン。『ポエトリー アグネスの詩』から実に8年振りの監督作です。原作はまさかの村上春樹の短編「納屋を焼く」。恥ずかしい話、私はイ・チャンドン監督の作品を観たことがなかったので、この新作を機に観ておこ…

浮かび上がる「罪」【THE GUILTY/ギルティ】感想

92点 全編に亘って緊急通報指令室のみで物語が展開し、「電話の音だけで誘拐事件を解決する」というワンアイディア映画。昨年は『Search/サーチ』のように、全編PCのモニターだけで物語が展開する作品も公開されました。あちらも「PC画面」であることを存…

最高のエンタメ作品。アクアマンを讃えよ!!【アクアマン】感想

95点 「長い、暗い、つまらない」の三拍子が揃い、ライバルのMCUとは天と地ほどの差を空けられてしまっていたDCEU。2年前にようやく『ジャスティス・リーグ』が公開されたものの、このDCEUの総決算的作品がまさかのDCEU最低の興行成績を上げてしまい、遂…

これは『サスペリア』でやることなのか?衝撃のリメイク作品【サスペリア(2018年版)】感想

採点不能 1977年にダリオ・アルジェントが監督し、いまやこの手の映画の古典となっている『サスペリア』。本作はそのリメイク作品です。監督は『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ。私は旧作『サスペリア』は観たことがなかったのですが、あの…

夫婦の複雑な関係を描き切った秀作【天才作家の妻 40年目の真実】感想

80点 最初は観るつもりは全くありませんでした。それなのに何故観ることになったのかというと、私がヘタレてしまったから。その日は、本当は『バジュランギおじさんと小さな迷子』と『サスペリア』を観ようと思っていたのですが、どちらも上映時間が150…

いつまでも変わらない、奴らが帰ってきた【劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ】感想

65点 1985年より週刊少年ジャンプで連載が始まり、80年代のジャンプを代表する作品である「シティーハンター」。本作は実に20年振りの新作アニメ作品になります。私は平成生まれなので、もちろんリアルタイム世代ではありません。しかし、CSでやっ…