暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

新作映画(2019年)

困ったことがあったら、風に向かって寅さんを呼べばいい【男はつらいよ 50 お帰り、寅さん】感想

75点 1969年に第1作目が公開され、1995年まで制作、公開された誇張無しの国民的映画シリーズ、『男はつらいよ』。本作は、その幻に終わった50作目の作品です。私は実は学生時代にこのシリーズにハマったことがありまして、これまでの49作全て…

この社会から、彼らを失わせたものは何か【家族を想うとき】感想

95点 イギリスの名監督、ケン・ローチが、前作の『私は、ダニエル・ブレイク』での引退宣言を撤回して作り上げた作品。私はケン・ローチ作品を観たことがないので、本作の上映はとてもいい機会だなと思って鑑賞した次第です。 鑑賞後に分かったのですが、…

リアル路線のダーク・ファンタジー【ボーダー 二つの世界】感想

80点 初めてのスウェーデン映画。監督は本作が長篇2作目の監督作となるアリ・アッバシ。公開前から随所で話題だったので気になり、公開初日に有楽町で鑑賞してきました。ちなみに、劇場はかなり埋まっていました。 本作に関する情報はなるべく入れずに観…

「普通」に囚われるな【メランコリック】感想

85点 田中征璽、皆川暢二、磯崎義知の3人が結成した製作チーム、OneGooseにより製作されたインディーズ映画。昨年の『カメ止め』と同じく監督、俳優共に知名度0の方々が集まって製作されたものの、東京国際映画祭では絶賛され、スプラッシュ部門監督賞を…

トラウマを克服する人の物語【IT/イット THE END "それ”が見えたら終わり】感想

80点 2017年に公開され、ホラー映画歴代最大のヒットを飛ばした前作『IT "それ”それ”が見えたら終わり』の続篇にして完結篇。監督はアンディ・ムスキエティが続投し、成長した「ルーザーズクラブ」にはジェームズ・マカヴォイやジェシカ・チャステイン…

本当に「終わらせる」だけの、へっぴり腰映画【スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け】感想

55点 1977年に『新たなる希望』が公開されてから42年。旧三部作、プリクエル・トリロジー、そして2015年の『フォースの覚醒』より始まった今回のシークエル・トリロジーを経て、『スター・ウォーズ』という映画史における「神話」が遂に完結しま…

完璧と言う他ない実写化【シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション】感想

82点 北条司先生原作で、80年代の週刊少年ジャンプを代表する漫画、「シティーハンター」。まさかの実写化作品。遥か昔にジャッキー・チェンが後藤久美子と共に出演した作品がありましたが、それとは全く関係がない作品です。制作国はフランスで、監督・…

モンキー・パンチ先生の悲願が達成されただけでも価値がある【ルパン三世 THE FIRST】感想

47点 今年の4月に逝去された、モンキー・パンチ先生原作による説明不要の国民的アニメ「ルパン三世」。本作は『ルパン三世』単独作としては1996年の『DEAD OR ALIVE』以来、実に23年振りとなる劇場版作品です。本作のトピックについてはそれだけで…

これは現代の『ロッキー』だ【宮本から君へ】感想

95点 新井英樹先生原作の漫画、「宮本から君へ」の映画化作品。監督は『ディストラクション・ベイビーズ』の真利子哲也。2018年には同監督でTVドラマ化もされており、本作はTVドラマの続篇になります。だからこそ、最初は観るのを躊躇しました。鑑賞前…

全体的に緩いけど、語られていることはとても大事【記憶にございません!】感想

53点 三谷幸喜監督最新作。私は三谷監督の作品は映画を本格的に好きになる前からよく観ていて、おかげで評判が最悪だった『ギャラクシー街道』以外は観ています。脚本を担当したTVドラマも新作をやれば必ず見るくらいにはファンです。ただ、映画をよく観る…

超絶アクションシーンの連続。中国アニメもここまで来た!【羅小黒戦記】感想

96点 中国産アクションアニメ。MTJJ木頭先生が原作で、同時に本作の監督も務めています。公開してしばらくは私は存在すら知らず、初めて知ったのは例によって名アニメーター、井上俊之さんの絶賛ツイートでした。そこから高評価の声が続々と聞こえてきてが…

誰かに手を差しのべ、寄り添うことの大切さ【映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ】感想

80点 11月8日。映画ファン的には、今年の注目作の1つ『ターミネーター/ニューフェイト』が公開されました。楽しみにしていたのは映画ファンだけではなかったようで、普段あまり映画を観ない層の観客も動員し、その週の興行収入ランキングで見事1位を…

女優への畏敬の念【真実】感想

79点 昨年、『万引き家族』で日本人としては21年振りにカンヌ国際映画祭最高賞、パルム・ドールを受賞した是枝裕和監督。映画も大ヒットを記録し、質的、興行的にも大成功を収めた彼が次に放った作品は、カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、…

ギャング達の栄光と落日、そして懺悔の物語【アイリッシュマン】感想

96点 巨匠、マーティン・スコセッシが、共にハリウッドをのし上がったロバート・デ・ニーロと『カジノ』以来、24年振りにタッグを組んだギャング映画。本作のトピックはそれだけではなく、共演にはデ・ニーロと同じくスコセッシ組のジョー・ペシ、ハーヴ…

ラストで台無し【スペシャルアクターズ】感想 ※ネタバレあり

53点 昨年、『カメラを止めるな!』の大ヒットにより、一躍時の人となった上田慎一郎監督。おそらく、今映画界で最も次の作品が待ち望まれている彼の最新作です。私も突如として現れたこの監督の作品は、同じ時代を生きている者として出来るだけ追っていこ…

真実を伝える姿を描き出す【プライベート・ウォー】感想

78点 実在した戦場ジャーナリスト、メリー・コルヴィンの生涯を映画化した本作。監督は『カルテル・ランド』『ラッカは静かに虐殺されている』などのドキュメンタリーで知られるマシュー・ハイネマン。町山智浩さんがたまむすびで紹介していたので興味が湧…

完全なる「焼き直し」で、シリーズの限界が露呈した作品【ターミネーター:ニューフェイト】感想

65点 権利関係の問題で、『ターミネーター2(以降、『T2』)』以降、制作からは離れていたジェームズ・キャメロンが復帰し、あの傑作『T2』の「正当な続篇」として公開された本作。『T2』が公開されたのは今から28年前ということと、『T2』で上手く物語…

あの原作をよく見事に「映画」にした!【蜜蜂と遠雷】感想

95点 原作既読。それ故に映画化を知ったときは戸惑いました。「出来るわけがない」と。原作を読んだ方ならば分かると思いますが、本作は非常に映像化しにくい作品であり、ハードルは相当高いのです。普通ならばスルー案件なのですが、監督は2017年に『…

彼の怒りは、遂に世界へ向けられる【ジョン・ウィック:パラベラム】感想

89点 引退した殺し屋が、激情にかられてあらゆる敵を倒していく痛快シリーズ、『ジョン・ウィック』。1作目は単なる「ナメてた相手が殺人マシーンでした」映画であった本作ですが、2作目から急激にフィクションラインが上がり、ジョン・ウィックが所属し…

「未来」をしっかりと示した秀逸なエピローグ【エルカミーノ:ブレイキング・バッドTHE MOVIE】感想

82点 あの傑作TVドラマ「ブレイキング・バッド」の劇場版作品。TVドラマの頃から画面構成、演出と、「映画」と呼んでも差し支えないレベルの作品でしたが、とうとう本当に映画になってしまいました。とは言え、Netflix作品なのですが。私はTVドラマは結構…

確かに映像は凄いけど・・・【ジェミニマン】感想

57点 『アラジン』で青くなってミュージカルをやったと思ったら、今度は若い頃の自分自身と戦うハメになったウィル・スミス。端から見てて、確かに愉快でしたが、私は本作を観るつもりはありませんでした。確かに、ウィル・スミスVSウィル・スミスというネ…

心からワクワクできる、傑作冒険活劇【ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん】感想 

95点 存在を知ったのは、アフター6ジャンクションのコーナーにて。名アニメーターである井上俊之さんが本作を絶賛していたので興味が湧き、9月の末に頭が痛いのと疲労がたまっている体を押して恵比寿まで鑑賞してきました。 結果、鑑賞して本当に良かっ…

心の深淵を巡る旅【アド・アストラ】感想

78点 初ジェームズ・グレイ。当初は観るつもりはなかったのですが、例によってヴェネチア国際映画祭にて大変評判が良かったということと、このような文芸映画っぽい作品が近くのシネコンでかかっていて観やすかったので鑑賞してきました。 予告とポスター…

日本アニメの進化形はここにある?【HELLO WORLD】感想

87点 東宝が制作した、オリジナル・アニメーション。監督は「ソード・アート・オンライン」シリーズの伊藤智彦。脚本は小説家の野崎まど。制作はあの傑作『楽園追放』を生み出したグラフィニカ。私は「S.A.O」にはそこまでハマらなかったですし、野崎まど…

そのままの自分が、最高にクール【エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ】感想

91点 何でもアメリカの前大統領、バラク・オバマが2018年のベストに選んだという本作。私はオバマは別にいいのですが、本作の高い評判は前から入ってきていまして。雰囲気的に同じような感じの『レディ・バード』も素晴らしかったので楽しめるんじゃな…

紛れもなくジョーカーの映画であり、ヴィランの映画でもある【ジョーカー】感想

99点 『アクアマン』、『シャザム!』と、DCEUを見直した途端に傑作、秀作を連発するようになったDC映画。現在、MCUとは違う意味で好調になりつつあるDCが放ったのは、あのバットマンの宿敵にして、アメコミのスーパーヴィランの中でも抜きんでた存在感を…

人と人を繋ぐ物語【ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 永遠と自動手記人形】感想

87点 2018年に放送され、(京アニ制作の中でも)驚異的な映像クオリティを見せつけた「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の劇場版作品。私はTVアニメは楽しく見ていたので、その劇場版作品ということならば例え外伝だろうと鑑賞するしかないというこ…

浮き彫りになる、人間の闇【誰もがそれを知っている】感想

80点 『海辺の生と死』『セールスマン』のアスガー・ファルハディ監督最新作。彼の最新作ならばということでもちろん鑑賞した次第です。 ファルハディ監督は、『セールスマン』において、「妻を襲ったのは誰か」というミステリー的な内容をメインに据えつ…

今年最高のおバカ映画、爆誕!!【映画 この素晴らしい世界に祝福を! 紅伝説】感想

80点 暁なつめ先生原作による、「小説家になろう」発のライトノベル、「この素晴らしい世界に祝福を!」の劇場アニメ作品。私は2016年、17年に放映されたTVアニメは見ており、「嫌いじゃない」と言えるくらいには好きなのでわざわざムビチケまで買っ…

引き裂かれた者たちの友情【工作 黒金星と呼ばれた男】感想

94点 過去に韓国に実在したスパイ、黒金星を題材にしたスパイ映画。監督は『群盗』、『悪いやつら』のユン・ジョンビン。映画秘宝にて絶賛レビューが載っていたので興味が湧き、公開当初には間に合わなかったものの、セカンド上映にて鑑賞してきました。 …