暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

新作映画(2019年)

世界が持つ二面性【アス】感想 ※ネタバレあり

93点 前作『ゲット・アウト』が低予算ながらサプライズ・ヒットを飛ばし、更にはアカデミー賞脚本賞を獲得してみせた新進気鋭の監督、ジョーダン・ピール。今や映画界で最も注目されているであろう彼の、監督第2作です。私は前作『ゲット・アウト』は観て…

物語の中で、彼らは生き続けている。タランティーノの愛に泣きました【ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド】感想

95点 クエンティン・タランティーノ監督、通算9作目(『キル・ビル』を2作で1作とカウントした場合)の作品。告白しますと、実は私はタランティーノ作品はそこまで映画館で観たことはありません。観たことがあるのはまさかの『ジャンゴ 繋がれざる者』…

事なかれ主義は破滅への第1歩【隣の影】感想

87点 アイスランド発の映画。ぴあの水先案内で私が信頼している案内人が推薦していたので興味が湧きました。ただ、公開規模が小さいということがあり、時間の関係で中々観に行けず、公開からしばらく経ってしまったのですが、夏休み中にちょうど観られるタ…

自分を解放するミュージカル【ダンス・ウィズ・ミー】感想

76点 矢口史靖監督最新作。私は矢口監督の作品は映画をよく観るようになる前から観ていて、そのおかげで『ロボジー』以外は監督作は全て観ています。平均して面白い作品を送り出してくれている方なのですが、直近の2本は個人的にはどストライクに素晴らし…

全てのものは表裏一体【よこがお】感想

95点 『淵に立つ』でカンヌ国際映画祭「ある視点」部門を受賞した深田晃司監督最新作。私が深田監督の作品と出会ったのは3年前の『淵に立つ』が最初でした。何となく観た作品だったのですが、あまりの救いの無さに、鑑賞後は深い絶望を感じたことを覚えて…

人生肯定映画。自分も最後はこうありたいなぁ【さらば愛しきアウトロー】感想

75点 ロバート・レッドフォードには、直撃世代ではないためかそこまで思い入れはなく、観たのは『明日に向かって撃て!』とか『スティング』とか『大統領の陰謀』とか『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』といった最近の作品か、超有名作品の…

2人のハゲが、世界を救う【ワイルド・スピード/スーパーコンボ】感想

80点 私はそもそも、『ワイルドスピード』シリーズには何の思い入れもありませんでした。なので当然、これまで過去作を観ることはありませんでした。そんな私が、何故ファンが楽しむことを前提としたスピン・オフを観る気になったのか。それは本作の監督に…

20周年にふさわしい「お祭り映画」【劇場版ONE PIECE STAMPEDE】感想

80点 現在、週刊少年ジャンプにて連載中の国民的海賊漫画「ONE PIECE」。原作は2019年現在、連載22年目に突入し、TVアニメも今年で20年目になります。私はTVアニメはエニエスロビー編で見るのを止めてしまったのですが、原作は相変わらず買ってま…

喪失を乗り越え、再生する人々【凪待ち】感想

93点 凪とは、風が止んで、波がなくなり、海面が静まること。本作のタイトルは、それを待つことを意味します。そこには、震災で被災した街が復興すること、ギャンブル依存症で、愛する人を失った郁男がもう一度歩き出す姿と、「新しい地図」として再始動す…

【僕たちは希望という名の列車に乗った】感想

93点 1956年の東ドイツを舞台にした作品。非常に評判が良いので鑑賞しました。鑑賞したのは実は5月の末。忙しさにかまけて感想を書くことができず、ここまで延び延びになってしまいました。いい加減書かないと内容とか、映画を鑑賞したの感想が消えて…

静かだけど、情熱的な映画【COLD WAR あの歌、2つの心】感想

75点 初ポーランド映画。鑑賞理由は簡単で、本作がアカデミー賞外国語映画部門にノミネートされたから。公開規模的にすぐに終わってしまいそうな気配だったので、公開後、すぐに鑑賞してきました。だから1カ月越の感想になります。受賞歴、ポーランド映画…

言いたいことはあるけど、姿勢は大いに買います【新聞記者】感想

60点 ジャーナリスト、望月衣塑子さんの著作「新聞記者」を原案とした社会派映画。日本映画というのは政治的な映画が非常に少なく(この辺に関してはちょっと言いたいことがある)、お隣の韓国やハリウッド等が政治的な内容をエンタメに上手く落とし込んで…

そうだ新海誠、あなたはそういう人だった!【天気の子】感想 ※ネタバレあり

89点 2016年に公開された『君の名は。』が誰も予期していなかった特大ヒットを飛ばしてしまい、現状、(少なくとも興行収入的な意味で)ネクスト・宮崎最有力候補となった新海誠。本作は、彼の真価が試される3年振りの新作です。 『君の名は。』は奇…

「ヒーロー」としての責任の自覚【スパイダーマン ファー・フロム・ホーム】感想 ※ネタバレあり

88点 『スパイダーマン ホームカミング』より2年ぶりのMCU版『スパイダーマン』。MCU全体の前作は、シリーズの大団円である『アベンジャーズ/エンドゲーム』。『エンドゲーム』は、広げ切った風呂敷を完璧に畳んでみせた最高の完結篇であったわけで、個…

「役割」を終えたその先へ【トイ・ストーリー4】感想

採点不能 『3』で完璧に完結したと、誰もが思っていた『トイ・ストーリー』シリーズ。そのまさかの続篇。正直、制作発表を聞いたときは当時のピクサーの不調と関連付けて、とうとう「完結作の続篇」という安易かつ絶対にやってはいけない手段に手を出してし…

「生命の起源」から、自分を見つめ直すジュブナイル【海獣の子供】感想

87点 2006年から2011年にかけて「月刊IKKI」にて連載されていた五十嵐大介先生原作の漫画を劇場アニメ化した作品。私は、原作については、存在は知っていたけど読んではいなかったのですが、スタジオ4℃作品なので鑑賞しました。 実は、私が本作を…

「違い」こそ最大の長所【ダンボ(1941年)】感想

77点 3月に公開された、ティム・バートン版『ダンボ』の予習の意味で鑑賞。実写版のほうは結局観なかったのですが、かといって本作を観たことが無駄になったかといえばそんなことはなく、名作とされているだけあってとてもいい作品でしたし、70年以上前…

1人の女性の、人生のはじまり【旅のおわり 世界のはじまり】感想

88点 日本人監督として、おそらく世界で最も評価されている監督の1人、黒沢清。これまでホラー、サスペンス、SF、ヒューマン・ドラマなど、実に多彩な作品を作り続けてきた彼が次に放ったのは、ウズベキスタンで自分探しをする女性の話でした。私は黒沢作…

「非凡さ」を手に入れようとした末路【アメリカン・アニマルズ】感想

89点 2004年、ケンタッキー州トランシルヴァニア大学で起こった時価1200万ドルの画集窃盗事件を題材にした作品。私は新宿武蔵野館で『THE GUILTY/ギルティ』を観た時に予告を観て存在を知りました。ただ、最初はそこまで見るつもりはなく、スルー…

「男を手玉に取る女」峰不二子【LUPIN THE ⅢRD 峰不二子の嘘】感想

78点 『峰不二子という女』より続く『LUPIN THE ⅢRD』シリーズ最新作。今回焦点が当たるのは、ルパンファミリーの紅一点、峰不二子。正直、不二子に焦点を当てた作品なら、同じくアダルト路線を追求した「峰不二子という女」というTVシリーズがあるため、…

究極の『ゴジラ』ファンムービー【ゴジラ キング・オブ・モンスターズ】感想

80点 2014年に公開された『GODZILLA』の続篇にして、そこから始まったモンスター・バースの最新作。本作はゴジラと同じく東宝を代表する怪獣であるモスラ、ラドンが参戦し、ゴジラは最大の宿敵、キングギドラと対峙します。つまり『三大怪獣 地球最大…

無名が可愛すぎて最高です。本当にありがとうございました【甲鉄城のカバネリ 海門決戦】感想

72点 2016年にノイタミナ枠で放送されたオリジナルアニメーション「甲鉄城のカバネリ」の劇場版。監督は荒木哲郎、制作会社はWIT STUDIOと、「進撃の巨人」のスタッフが揃っています。放送当時は「進撃の巨人」のノウハウをそのまま注ぎ込んだダイナミ…

これが、完全燃焼アニメーションだ【プロメア】感想

89点 『天元突破グレンラガン』『キルラキル』を生み出した今石洋之×中島かずき×TRIGGERの最新作。私は上記の2作品は好きで、制作会社のTRIGGERについても、毎クール作品が放送されていればチェックするくらいにはファンです。そんなスタッフが再結集する…

王道は外しながらも、まっとうな青春映画【劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~】感想

80点 武田綾乃先生による同名小説のアニメ化作品。TVアニメは2015年から放送され、現在2シーズンを数えています。映画はこのTVシリーズをまとめた総集編が2本と、外伝作品『リズと青い鳥』が1本あります。私は何だかんだで総集編以外は観ているので…

ヒーローのオリジンとして、家族の物語として素晴らしい【シャザム!】感想

82点 『アクアマン』で興行的にも批評的にも大成功を収め、一気に信頼を回復した感があるDC映画。次に放ったのは、「見た目は大人!中身は子ども!」という、日本の国民的名探偵を彷彿とさせる奇抜なヒーロー、シャザムでした。予告を観る限りはすこぶる愉…

「権力」の恐ろしさ【バイス】感想

93点 2001年の9.11テロ当時、ブッシュ政権において副大統領を務めた男、ディック・チェイニーを取り上げた評伝映画。過去、様々な評伝映画が制作されましたが、それらはどれも大統領や、名は成さなかったにしても知名度はある人物のものでした。し…

「片想い」の恋愛を赤裸々に描く【愛がなんだ】感想

77点 存在を知ったのはwowowぷらすとの2018年ベスト映画の動画にて。そこで誰かが絶賛していて観る気になり、初日に鑑賞してきました。鑑賞後は色々な感情が渦巻いていて、中々感想がまとまらず、結果、書くのがここまで遅くなりました。 巷には恋愛映…

「ポケモンがいる世界」の見事な映像化【名探偵ピカチュウ】感想

77点 2018年に発売された、同名ゲームの映画化作品。私はゲームは全くやっておらず、CMでやっていた大川透さんの声だけがやたらと印象に残っています。そんなボンヤリとした印象しかなかったので、「ハリウッドで映画化!」と聞いても全く期待していま…

「どうしたんだ、原恵一!」と戸惑わずにはいられない【バースデー・ワンダーランド】感想

40点 『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』、『河童のクゥと夏休み』など、これまで傑作を多く世に送り出してきた原恵一監督。非常に強い作家性を持ち、故に『クレヨンしんちゃん』以外はそこまで大規模な公開はなく、興行収入…

まさしく11年の集大成。これまでの全ての作品に感謝します【アベンジャーズ/エンドゲーム(IMAX3D字幕)】感想 ※ネタバレあり

100点 遂にやってきた、MCU11年間の集大成。私は『アイアンマン』1作目から映画館で追いかけている!という長年のファンではなく、むしろ積極的に追い始めたのは2年前からというぺえぺえ。しかし、そんなことはどうでもよく、本作については昨年の『…