暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

新作映画(2018年)

「復讐モノ」の娯楽作として最高【デス・ウィッシュ】感想

85点 『狼よさらば』のリメイク作品。監督はイーライ・ロス。私はグロがダメなので、実はこの監督は敬遠していました。だってフィルモグラフィを見ると、『ホステル』とか『グリーン・インフェルノ』とか『ノック・ノック』とかいかにも私が苦手そうな作品…

我々の生を肯定し、誇りを与えてくれるフレディ・マーキュリーの物語【ボヘミアン・ラプソディ】感想

78点 11月に公開され、今なお尻上がりに興行を伸ばしているQUEENのボーカリスト、フレディ・マーキュリーの伝記映画。私のQUEENの知識は、『ジョジョの奇妙な冒険』にスタンド能力の名前で出てきたな程度の浅はかとすらいえないレベル。そんな…

熱狂の時代を生きた人々【止められるか、俺たちを】感想

78点 『止められるか、俺たちを』。これを読むと全盛期の若松プロのエネルギーに溢れる姿を描いた伝記映画かと思われます。しかし、実際に観てみると、それほどの勢いはなく、どちらかと言えば、白石監督から見た憧れ込みの「若松プロ」を描いた作品だった…

「特盛!」これがニコラス・ケイジ映画か!【マンディ 地獄のロード・ウォーリアー】感想

70点 ニコラス・ケイジ。この名前を聞いて思い出すのは、どんな映画に出ても崩れることのないオーバー・アクト。必要以上に怒り、泣き、笑う。必要以上に力を入れて演技をするため、普通の映画に出るとそれが浮いてしまい、それがギャグに見えてしまうこと…

今、世界で起こっていること。まさに今観るべき映画【判決、ふたつの希望】感想

93点 公開当初は観るつもりはなかったのですが、評判を耳にしたので観る気になった作品。時間もできたので鑑賞してきました。 映画を探す場合、自分のアンテナだけだと限界があるため、他の人の意見を聞いて観た映画が素晴らしいものだと何故だか得した気…

ストーリーは雑。でも観れてしまうくらいには面白い【ヴェノム】感想

67点 「スパイダーマン」に登場する人気ヴィラン、ヴェノム。本作は彼を主人公にしたスピン・オフ作品です。予告では散々「悪」であることを強調し、『デッドプール』よろしくダーク・ヒーローもののような雰囲気を醸し出していました。ただ、デッドプール…

圧倒的アニメーションクオリティ!ストーリーは微妙【ムタフカズ】感想

65点 スタジオ4℃制作の日本とフランスの合作映画。スタジオ4℃は以前制作した『鉄コン筋クリート』が大変素晴らしい出来だったため、本作は制作を知った時から楽しみにしていました。鑑賞してみると、確かにアニメーションは素晴らしかったです。しかし、…

「全編PC画面」の設定をフルに活かした秀作ミステリー【search/サーチ】感想

92点 『クレイジー・リッチ』と同じく、キャストの大半がアジア系で占められている本作。キャストがほとんどアジア系。これだけでも大変画期的な作品ですが、本作のそれ以上に画期的な点は、「全編PC画面のみで進む」という点でしょう。最初にこの映画の存…

面白いけど、「設定ありき」感が強い気が。【クワイエット・プレイス】感想

65点 アメリカで公開され、ホラー映画として記録的な大ヒットを飛ばしている本作。私は去年から「ホラーで怖い目に遭いたい」という欲望にかられていまして。なので、それまであまりホラーは観なかったのですが、ちょこちょこ気になった作品は観るようにし…

誰もが誰かを愛したいし、誰かに愛されたい【愛しのアイリーン】感想

89点 原作は未読です。本作を観ようと思った理由は、監督が吉田恵補さんだったため。今年の2月に観た『犬猿』がかなり面白かったので、彼の作品はとりあえず追っていこうと思いました。 本作はさながら、登場人物全員の強すぎる気持ちをグチャグチャに混…

「YELLOW」は美しい色【クレイジー・リッチ!】感想

80点 ハリウッド初のキャストが全てアジア系である本作。これまで、ハリウッドの中でのアジア人とは、ごく一部の例外を除き、型通りの存在としてしか描かれてきませんでした。 しかし、時代は変わりました。人種差別、性差別的な風潮は律されるようになり…

ポップカルチャーにまみれた煉獄【アンダー・ザ・シルバーレイク】感想

77点 インディーズ映画『アメリカン・スリープオーバー』で注目され、『イット・フォローズ』の大ヒットにより、一躍ヒットメーカー的な存在となったデビット・ロバート・ミッチェル。順調にホップ・ステップをし、今最も注目されている監督である彼がジャ…

『オルタナ』よりも「劣化版」感が強い【フリクリ プログレ】感想

45点 『フリクリ』の続篇2部作の2作目。前作『オルタナ』は『フリクリ』である意味がない、と書きましたが、本作は『オルタナ』と比べれば、前作と直接つながっているだけあって、まだ『フリクリ』らしさがある作品でした。ただ、それだけに、前作とは違…

『フリクリ』である意味がない。【フリクリ オルタナ】感想

47点 はじめに 「もう、ギンギンじゃんかよ」 「もう」というか、20年くらい前に発表された前作からして「ギンギン」だった『フリクリ』。私はリアルタイムで見たわけではないですが、アニメに興味を持ち始めたときにレンタルで見ました。初めて前作を見…

マッコールを批評的に描いた最高の続篇【イコライザー2】感想

87点 世の不正を正し、世界を均衡化(equalize)させる男、ロバート・マッコール。人は彼を、「イコライザー」と呼ぶーーー。 本作は、彼の活躍を描いた2014年の作品『イコライザー』の続篇となります。前作は「ナメてた相手が殺人マシーンでした」も…

権力と戦った人々の話【1987、ある闘いの真実】感想

87点 最近、韓国映画で多く見られる過去の民主化運動を扱った作品。今年にも、光州事件を描いた『タクシー運転手 約束は国境を越えて』が4月に公開されました。本作はこの作品のすぐ後に起こった、警察が1人の青年を拷問死させたことに端を発する大規模…

人生で大切なことを教えてくれる映画【若おかみは小学生!】感想

89点 原作未読、TVアニメも未視聴。絵柄も所謂「児童向け」アニメ。これだけ材料が揃えば普段は観ないのですが、何故観たのかというと、監督が高坂希太郎さんだからです。彼はスタジオジブリ出身のアニメーターで、『千と千尋の神隠し』や『風立ちぬ』で作…

青春時代の関係って、本当に不誠実だよね【きみの鳥はうたえる】感想

86点 予告は観ていましたが、最初は完全にノーマークで、観る気はありませんでした。しかし、『寝ても覚めても』を観ようと思ったとき、カンヌに出品された『寝ても覚めても』を観て、同じく小規模公開である本作を観ないのは何か違うのではないか?という…

現実か夢か【寝ても覚めても】感想

86点 『万引き家族』とともにカンヌ国際映画祭に出品されたものの、話題は完全にパルム・ドールを受賞した『万引き家族』に持ってかれた感がある本作。ですが、曲がりなりにもカンヌに出品された作品。観たくなるのは人情というものです。なので、『きみの…

時代に抗えという監督の熱が伝わってくる作品【菊とギロチン】感想

90点 『64-ロクヨンー』『有罪』など、近年、大規模公開作品でスマッシュ・ヒットを連発している瀬々敬久監督。彼が構想30年を費やし、クラウドファンディングなどを駆使してようやく制作までこぎつけた本作。最初はそこまで観る気が無かったのですが…

『I.W』の後に丁度いいライトな作品【アントマン&ワスプ】感想

78点 MCUの前作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(以後、『I.W』)』は大変な作品でした。見事な交通整理力によって、膨大な数のヒーローが出ているにも関わらず、その全員に見せ場がある理想的なお祭り映画なのもそうですが、やはりラストシーン…

『透明人間』は素晴らしい!でもポノックはこのままでいいのかな?【ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間】感想

60点 スタジオジブリから独立した西村義明Pと米林宏昌監督が設立したスタジオポノック。2作目の公開作品。前作『メアリと魔女の花』は「魔法」をジブリに例え、「魔法なんていらない!」と言ってジブリからの決別を図った内容になっていたと思います。し…

チーム全員最高にカッコいい【オーシャンズ8】感想

72点 ジョージ・クルーニー主演の『オーシャンズ』シリーズ最新作。前作は男性役者オールスターでしたが、本作はようやく出てきた女性オールスター。私自身は『オーシャンズ』シリーズは1作目しか観たことがないニワカなので、本作を観ようか迷っていたの…

「世界一優しい場所」それは映画館にあった【劇場版 のんのんびより ばけーしょん】感想

85点 にゃんぱす~ 『のんのんびより』まさかの映画化。すごいんな~。ド田舎に住む4人の女の子(+男子1人)を主人公に、彼女たちののんびりとした日常を描いた癒しの作品。正直、こういった日常系作品をTVアニメから「映画」にする場合、アクションと…

家族の物語。泣きました。【バオ】感想

80点 『インクレディブル・ファミリー』と同時上映の短編。こちらは簡単に感想を書きます。本作も同時上映作品と同じく、「家族」の話でした。 最初は動く肉まんを通した不思議な生活が描かれます。最初はファンタジーか何かと思っていましたが、観ていく…

「個人の正義」から今の日本社会の問題をあぶりだしたエンターテイメント【検察側の罪人】感想

94点 はじめに 木村拓哉と二宮和也の二大スターの競演が話題の本作。「ジャニーズの2人が主演」ということで、「アイドルムービーなのでは?」と、どことなく敬遠される気がする本作ですが、木村拓哉と二宮和也の2人のそれぞれ正反対の素質を持った「役…

素晴らしいジュブナイル映画【ペンギン・ハイウェイ】感想

80点 『フミコの告白』『陽なたのアオシグレ』の石田祐康監督。彼の初長篇監督作。この情報を知ったとき、とても嬉しく思ったことを覚えています。彼のことは昔から知っていて、「いつ長篇作るのかなぁ」と思っていたので。なので、応援の意味を込めてムビ…

どうしようもない自分との葛藤【タイニー・ファニチャー】感想

94点 アトロクにて存在を知り、自分の経験的に観ておかなければならない作品な気がした作品。中々上映されなかったのですけど、先日、遂に渋谷で上映されたので、鑑賞しました。突き刺さりました。 本作は海外TVドラマシリーズ『Girls/ガールズ』の制作者…

アメリカの問題をミステリー仕立てで描いた秀作【ウインド・リバー】感想

90点 『ボーダーライン』『最後の追跡』に続く、テイラー・シェリダンの「フロンティア三部作」の最終作。恥ずかしいことに、実はこの2作は未見です。極寒の地、「ウィンド・リバー」で繰り広げられる、現代の西部劇。事実を基にしたストーリーで、事件を…

滑稽だけど背筋が寒くなる映画【スターリンの葬送狂騒曲】感想

75点 スターリンが死んだことに端を発する、側近達の権力闘争をコミカルに描いた喜劇。最初は笑いながら観ていられるのですが、ストーリーが進んでいくにつれて、だんだんと物事の本質が見えてきて、最終的にはちょっと背筋が寒くなる作品でした。 喜劇と…