暇人の感想日記

映画、アニメ、本などの感想をつらつらと書くブログです。更新は不定期です。

地獄巡りで外した人の道【野火】感想

98点 感想を挙げるのは9月になりましたが、鑑賞したのは8月15日です。鑑賞理由はこの月日から察せられるように、終戦の日だからです。去年は岡本喜八監督の名作『日本のいちばん長い日』を鑑賞しました。あちらは、昭和天皇と鈴木貫太郎内閣が御前会議…

『透明人間』は素晴らしい!でもポノックはこのままでいいのかな?【ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間】感想

60点 スタジオジブリから独立した西村義明Pと米林宏昌監督が設立したスタジオポノック。2作目の公開作品。前作『メアリと魔女の花』は「魔法」をジブリに例え、「魔法なんていらない!」と言ってジブリからの決別を図った内容になっていたと思います。し…

チーム全員最高にカッコいい【オーシャンズ8】感想

72点 ジョージ・クルーニー主演の『オーシャンズ』シリーズ最新作。前作は男性役者オールスターでしたが、本作はようやく出てきた女性オールスター。私自身は『オーシャンズ』シリーズは1作目しか観たことがないニワカなので、本作を観ようか迷っていたの…

2018年冬アニメ感想①【ダーリン・イン・ザ・フランキス】

トリガーとA-1Pictures共同制作の作品。監督は『THE IDOLM@STER』の錦織敦史さん。『THE IDOLM@STER』において、見事な群像劇を見せてくれた錦織さんですが、そんな彼が今度はガイナックスの系譜をひくロボットアニメを監督する。この組み合わせがどのような…

フェミニズムを盛り込んだ娯楽時代劇【駆込み女と駆出し男】感想

81点 原田眞人監督作品。『検察側の罪人』に合わせて、監督の作品をいくつか観ておこうと思い、評判のいい本作を鑑賞しました。井上ひさしの『東慶寺花だより』を原案に、縁切寺に駆け込んだ女性たちと、医者になったばかりで、戯作者にも憧れている「駆け…

過去は消せない。【手紙は憶えている】感想

90点 ずっと観たかった本作。劇場公開時は時間の関係で観逃がしていたので、Netflixに登録されたことを機に鑑賞しました。ナチスに家族を殺された老人の悲しい復讐を描きます。 本作で復讐を実行するのは2人。車椅子で動けないながらも、頭はハッキリして…

「世界一優しい場所」それは映画館にあった【劇場版 のんのんびより ばけーしょん】感想

85点 にゃんぱす~ 『のんのんびより』まさかの映画化。すごいんな~。ド田舎に住む4人の女の子(+男子1人)を主人公に、彼女たちののんびりとした日常を描いた癒しの作品。正直、こういった日常系作品をTVアニメから「映画」にする場合、アクションと…

シュワルツェネッガーへの素晴らしき偏愛【シュワルツェネッガー主義】感想

著者:てらさわホーク 出版社:株式会社 洋泉社 「あなたはどのアクション・スターがお好き?シルヴェスター・スタローン?ジェイソン・ステイサム?ドウェイン・ジョンソン?まさか、ジャン=クロード・ヴァン・ダム?」 「いや・・・」 「俺はシュワルツェ…

家族の物語。泣きました。【バオ】感想

80点 『インクレディブル・ファミリー』と同時上映の短編。こちらは簡単に感想を書きます。本作も同時上映作品と同じく、「家族」の話でした。 最初は動く肉まんを通した不思議な生活が描かれます。最初はファンタジーか何かと思っていましたが、観ていく…

アメリカ版『必殺仕事人』【イコライザー】感想

87点 元凄腕CIA工作員で、現在はホームセンターで働いているロバート・マッコール。彼はある夜、テリーという少女と出会います。彼女と交流を深めるロバートですが、とあることから、彼女を囲っているロシアンマフィアの非道を知り、「イコライザー」とし…

「個人の正義」から今の日本社会の問題をあぶりだしたエンターテイメント【検察側の罪人】感想

94点 はじめに 木村拓哉と二宮和也の二大スターの競演が話題の本作。「ジャニーズの2人が主演」ということで、「アイドルムービーなのでは?」と、どことなく敬遠される気がする本作ですが、木村拓哉と二宮和也の2人のそれぞれ正反対の素質を持った「役…

「父親」というヒーローになるまでの物語【アントマン】感想

78点 『アントマン&ワスプ』の公開に合わせ、過去作である本作を鑑賞。これでMCU作品はほぼ鑑賞しました(まだ『インクレディブル・ハルク』が残ってるけど、観るかどうかは微妙)。感想として、とても面白かったです。 本作のヒーローは、最小1.5cm…

「人間・勝新太郎」が浮かび上がる本。面白い!【天才 勝新太郎】感想

著 春日太一 発行所 株式会社 文藝春秋 久しぶりに本の感想を書きたいと思います。今回、感想をあげる本は「天才 勝新太郎」です。著者は「あかんやつら」「鬼才 五社英雄の生涯」の春日太一さん。今回、私が本書を読もうと思った理由は、春日さんの著作とい…

素晴らしいジュブナイル映画【ペンギン・ハイウェイ】感想

80点 『フミコの告白』『陽なたのアオシグレ』の石田祐康監督。彼の初長篇監督作。この情報を知ったとき、とても嬉しく思ったことを覚えています。彼のことは昔から知っていて、「いつ長篇作るのかなぁ」と思っていたので。なので、応援の意味を込めてムビ…

どうしようもない自分との葛藤【タイニー・ファニチャー】感想

94点 アトロクにて存在を知り、自分の経験的に観ておかなければならない作品な気がした作品。中々上映されなかったのですけど、先日、遂に渋谷で上映されたので、鑑賞しました。突き刺さりました。 本作は海外TVドラマシリーズ『Girls/ガールズ』の制作者…

アメリカの問題をミステリー仕立てで描いた秀作【ウインド・リバー】感想

90点 『ボーダーライン』『最後の追跡』に続く、テイラー・シェリダンの「フロンティア三部作」の最終作。恥ずかしいことに、実はこの2作は未見です。極寒の地、「ウィンド・リバー」で繰り広げられる、現代の西部劇。事実を基にしたストーリーで、事件を…

滑稽だけど背筋が寒くなる映画【スターリンの葬送狂騒曲】感想

75点 スターリンが死んだことに端を発する、側近達の権力闘争をコミカルに描いた喜劇。最初は笑いながら観ていられるのですが、ストーリーが進んでいくにつれて、だんだんと物事の本質が見えてきて、最終的にはちょっと背筋が寒くなる作品でした。 喜劇と…

白昼夢のような映画【ビューティフル・デイ】感想

85点 映画館の予告編に惹かれ鑑賞。初のリン・ラムジーです。実際に鑑賞する前は『レオン』のような窮地にいる少女を凄腕の捜索人である男が助け、交流を深めていくというような話だと思っていました。しかし、実際に観てみると、確かにその面はあるものの…

ハサミに隠れた優しさ【シザーハンズ】感想

95点 ティム・バートンの名作映画。人里離れた古城で孤独に暮らしていたエドワード・シザーハンズの物語。観たのは今年の3月と随分前なのですが、何だかんだとあって書くのを先送りにしていました。本作を観ようと思ったのは、思えばティム・バートンを私…

2018年春アニメ感想⑥【ひそねとまそたん】

庵野秀明監督の盟友、樋口真嗣と、『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない』の脚本家、岡田麿里が、ボンズと組んで送り出したオリジナル・アニメ。キャラクター原案には青木俊直、モンスターコンセプトデザインにコヤマシゲト、メカニックデザインに河…

映画はアクションやってなんぼだろ!ストーリー!?知るか!そんなもの!!【ミッション・インポッシブル/フォールアウト】感想

80点 トム・クルーズが撮影中に足を複雑骨折したことで話題になった『ミッション・インポッシブル』シリーズ最新作。私はこれまでこのシリーズは観たことがなかったのですが、いい機会なので前作を観てから鑑賞しました。 映画というのは不思議なものです…

前作と比べ、監督の個性がいい意味で薄れた娯楽作【インクレディブル・ファミリー】感想

82点 アクの強い人格でありながら、その天才的な手腕で名作、良作を生み出しているブラッド・バード監督。彼の最新作は、何と14年前の監督作『Mr.インクレディブル』の続篇でした。前作はヒーロー映画を中年の危機を交えつつ完璧に作り、尚且つ自身の作…

浮き上がるイーサン・ハントの信念【ミッション・インポッシブル/ローグネイション】感想

80点 実は私はこのシリーズをちゃんと観たことがなく、本作がシリーズ初鑑賞です(オリジナルの『スパイ大作戦』はCSでやっていたのを数話見た程度)。現在公開中の『ミッション・インポッシブル/フォールアウト』の準備として鑑賞しました。何故この5作…

彼女が戦っていたのは、男性優位社会そのもの【バトル・オブ・ザ・セクシーズ】感想

77点 鑑賞する前は、あらすじと予告から「差別的な発言を繰り返すテニス選手を、女性が倒す」という単純な構図の作品だと思っていました。しかし、実際に観てみるとそんな単純な映画ではなく、主人公が戦っていたのは、1人の男性選手ではなく、「男性社会…

ブログを開設して1年が経ったという話

皆様、こんにちは。いーちゃんです。いつもこのブログを読んでくださってありがとうございます。毎回読んでスターやブックマークがつくと本当に励みになります。皆様に読んでいただいたおかげで、このブログも1周年を迎えることができました。昨年の8月に…

『悪い奴ほどよく眠る』の痛快娯楽版【椿三十郎】感想

96点 巨匠・黒澤明監督の名作時代劇。三船敏郎演じる浪人がほぼ同じキャラクターなため、事実上、『用心棒』の続篇的な作品です。本作の内容も前作『用心棒』と同じく「痛快」な娯楽作品でした。しかし、その「痛快」さは前作とは異なっていて、その違いも…

2作目として文句無しの出来【ジュラシック・ワールド/炎の王国】感想

81点 現在、世界はもちろん、日本でも大ヒット中の本作。私は、前作は劇場で観なかったのですが、本作は観ました。形態はもちろんIMAX3D字幕。このために前作をレンタルして予習までしました。 これが前作の感想です。 inosuken.hatenablog.com 実際に観…

「なりたい自分になれよ」じゃないんだ・・・【Mr.インクレディブル】感想

87点 8月に続篇である『インクレディブル・ファミリー』が公開されるので、復習として鑑賞。14年前にリアルタイムで映画館で観たのですが、未だに覚えているシーンが多々あったりしたし、なによりピクサーなので面白いだろうと思っていました。そして、…

豊饒な画面で紡がれる、男女のパワー・ゲーム【ファントム・スレッド】感想

95点 初、ポール・トーマス・アンダーソン。予告やあらすじからはサイコ・スリラーな印象を受けた本作ですが、観てみるとそんなことはなく、ストレートな夫婦関係の物語であり、同時に今の世界的な潮流を含ませた作品でした。個人的には傑作認定です。 本…

監督の妄想が炸裂したとても変な作品【未来のミライ】感想

50点 はじめに 『バケモノの子』以来、実に3年ぶりとなる細田守最新作。予告からは、甘えん坊のくんちゃんが、未来からやってきたミライちゃんと共に時空を超えた旅をして成長する話という印象を受けました。しかし、実際に観てみると、その内容は細田守…